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第34回高専プロコン福井で開催、競技部門優勝は地元福井高専、作品部門最優秀賞は熊本高専 八代キャンパスと香川高専 詫間キャンパス

イベント

2023/10/27 17:48

 全国高等専門学校プログラミングコンテスト実行委員会は10月14、15日の2日間、第34回全国高等専門学校プログラミングコンテスト(高専プロコン)を開催した。福井工業高等専門学校を主管校に「みせよっさ∞の可能性」と題し福井県越前市の「サンドーム福井」で開いた今大会。競技部門と作品部門でそれぞれに全国の高専生のIT力が花開いた。

第34回高専プロコンは福井県越前市の
「サンドーム福井」で開催された

 2日間にわたる熱戦の末、競技部門で優勝したのは地元福井工業高等専門学校のチーム「蟹高専」。準優勝は熊本高等専門学校(熊本キャンパス)のチーム「ゴリゴリズム」、3位は、豊田工業高等専門学校のチーム「ボゴソート」だった。また、作品部門では、「オンラインで生み出す新しい楽しみ」をテーマにした課題部門で、熊本高等専門学校(八代キャンパス)の「転生将棋-新感覚中盤トレーニング-」、自由部門で、香川高等専門学校(詫間キャンパス)の「わんもあ-砂と鏡で創るもう一つの世界-」がそれぞれ最優秀賞を受けた。
 
大きなドーム内を作品部門(写真奥)と競技部門(写真手前)に分けて開催。
競技部門では最大32チームが同時に対戦した

 競技部門では、予選を通過した全国の55チームが本選に進出。海外から4チームが参加し、計59チームがしのぎを削った。今回の競技は「決戦 n乗谷城」と題した陣取り合戦。あらかじめ城と池が配置されたマス目上のフィールドで、2つのチームが戦う。各チームに与えられた2人から5人の職人に対し、移動、城壁の建築や解体を指示。両チームがターンごとで交互に陣地を広げていく。城を含めた陣地を獲得すると得点が高い。職人の操作は、あらかじめ作ったプログラムでも手動でも構わない。先行後攻を入れ替えて2回対戦し、総合得点で勝敗を決する。まず、4チームを1ブロックとする15ブロックでファーストステージを戦い、各ブロックの1位が2日目のファイナルステージに進出。2位と3位がセカンドステージに進み対戦。勝利チームが2日目のファイナルステージに進出した。ファーストステージの4位チームとセカンドステージの敗者は2日目朝の敗者復活戦にまわり、上位2チームがファイナルステージに進んだ。
 
競技部門で優勝が決まった瞬間の
福井高専 チーム「蟹高専」の皆さん

 優勝した福井高専のチーム「蟹高専」は、ファーストステージで都立高専(荒川キャンパス)、苫小牧高専を破り2日目のファイナルステージに進出。ファイナルステージでは有明高専、鹿児島高専、香川高専(高松キャンパス)、豊田高専を下し決勝戦に進出。決戦は熊本高専(熊本キャンパス)との対戦だ。取ったり取られたりの大激戦の末、10000対14300で勝利を収めた。結局、福井高専は無敗で頂点まで上り詰めた。チーム「蟹高専」の前田学さんはインタビューに答えて「最高にうれしい。高橋君が書いてくれたプログラムがとてもよくできていた。人力とAIを組み合わせたものだったが、人力で動かす部分の練習が綿密にできたのも勝てた要因」と話した。
 
課題部門で最優秀賞を獲得した、熊本高専(八代キャンパス)の
「転生将棋」(左)と、表彰式で表彰されるチームの皆さん

 課題部門では、全国から45作品の応募があり、20作品が本選に進出。さらに海外から2作品が参加し、計22作品で優劣を競った。最優秀賞を獲得した、熊本高専(八代キャンパス)の「転生将棋-新感覚中盤トレーニング-」は、中盤から対局が始まる将棋アプリ。将棋を学ぶには、序盤は定跡書、終盤は詰将棋があるが、中盤では実践するしか勉強法がなかった。そこで、先手・後手が互角で候補手が多い状態を自動生成し、中盤から将棋を指せるようにした。オンラインで実力が近いもの同士をマッチングして対戦できる。また他のユーザーの対局を観戦するモードも備える。インタビューで「転生将棋」チームの宮本健太郎さんは「時間がない中で開発してきた苦労が報われてうれしい。これからもいろんなものを作っていきたい」と話した。
 
自由部門で最優秀賞を獲得した、
香川高専(詫間キャンパス)の「わんもあ」と、
表彰式で表彰されるチームの皆さん

 自由部門は、全国から51作品の応募があり、20作品が本選に進出。さらに海外から5作品が加わり、計25作品を対象に審査を行った。最優秀賞を獲得した、香川高専(詫間キャンパス)の「わんもあ-砂と鏡で創るもう一つの世界-」は、「わびさび」をもう一度見つめなおすためのシステム。植物が芽吹き、枯れていくといった、長い時を経て少しづつ風化していく様子をデジタルの世界で再現。時間を操作しながらわびさびを感じとることができる。入力装置として砂を用い、地形を自由に操作可能。例えば花のアイテムを砂に「植える」と、成長して枯れていく様子を眺めることもできる。「わんもあ」チームの山田美羽さんはインタビューで「みんなで力を合わせて頑張った作品だっただけに、率直にすごくうれしい。チーム9人全員の熱意やこだわりが審査員の方々に伝わったのでは」と話した。
 
閉会式で総評する、
京都橘大学工学部情報工学科教授の
大場みち子 審査委員長

 閉会式で、京都橘大学工学部情報工学科教授の大場みち子 審査委員長は、「作品部門は、新鮮なアイディアにあふれる充実した内容だった。特にプレゼンテーションが素晴らしかった。楽しそうに説明してくれる姿が印象的で、高いモチベーションを感じた。競技部門のファイナルステージでは接戦・逆転が多く、熱い戦いがみられた。特筆すべきは、AIにすべて任せず、要所要所で人間が介在するという半自動のアプローチを選んだチームの成績が良かったという点だ。人間とAIが協力するこれからの社会を象徴しているように感じた」と話した。

 なお今回、競技部門で優勝した福井高専のチーム「蟹高専」、作品部門で最優秀賞を受けた熊本高専(八代キャンパス)の「転生将棋」チーム、香川高専(詫間キャンパス)の「わんもあ」チームは、2024年1月にITジュニア育成交流協会が東京で開催する、BCN ITジュニア賞表彰式に招待される。また、次回、第35回高専プロコンは24年10月19日、20日の2日間、奈良工業高等専門学校を主管校として「なら100年会館」で開催する予定。課題部門のテーマは「ICTを活用した環境保全」に決まった。(ITジュニア育成交流協会・道越一郎)