暗くて狭い日本の家には人工窓が必要だ、光をあやつり快適な家に変える

レビュー

2023/04/03 19:00

【木村ヒデノリのThe HOUSE #03】 最近の日本の家ほど採光がないがしろにされている。北側に作られた玄関はいつでもくらい。リビング以外の自然光は壊滅的だ。これまでは物件選びでしか解決できなかった問題だが今は違う。「人工窓」という選択肢があるのだ。光をマネジメントするだけで格段に快適な部屋を作ることができる。

日々進化し続けるAtmoph Window2
 
今回の物件ではピクチャーレールに設置
 
壁の外側の実際の風景を撮影して投影

部屋の明るさは部屋の綺麗さと連動する

 #1 と#2 に続き、今回は部屋の採光を改善する方法を見ていきたい。今回ベースにしている賃貸物件の間取りやスマート冷蔵庫を120%活用する方法などはそれぞれの記事で詳細に解説しているのでそちらを読んでほしい。

■前回までの記事
・地方のコスパ最強物件をスマートホーム化する思考法
https://www.bcnretail.com/market/detail/20220803_290087.html
・10人中9.9人が失敗するスマート冷蔵庫を使いこなすただ一つの方法
https://www.bcnretail.com/news/detail/20230327_321617.html

 部屋の設計を長年やっていてつくづく感じることだが、面白いことに人間は部屋の動線と採光に大きく影響される。家具や窓一つで綺麗な部屋を保てたり、すぐに散らかる部屋になったりするのだ。
 
日本の部屋は開口や採光が足りていないことが多い

 この意味でも窓の位置や部屋の明るさは重要なのだが、入居後に気づくこともある。そうした時は「人工窓」を使って採光を改善してみよう。
 
奥にかけて採光が足りないのを補うことができる

 世界の風景を映し出すガジェット「Atmoph Window2」は嗜好品として捉えられがちだが、実は人間を「片付けがしやすい精神状態」に向かわせる可能性を秘めている。建築基準法では『居室の開口率は床面積の1/7以上でないとならない』とされているが実際これでは足りない。2010年に日本建築学会が調べたところによると、窓の開口率と満足度は比例するようなので大きいほど良いということになるだろう。断熱や防音も考えるとあまり大きな窓をつけられない事情も出てくるが、Atmoph Window2 ではこれを人工的に補完することができる
 
窓が南側だけだと意外と暗い

 平成5年と少々古いが照明学会誌に掲載された「無窓執務空間の視環境が心理・行動に及ぼす影響」という論文でも言及されている通り、デパートや学校など大きな空間と事務室のような小さな空間では影響に違いがあるとされている。小さな空間の方が薄暗いという影響を受けやすいのだ。
 
トイレや風呂などは間接照明と明るいスポットを
組み合わせると掃除したくなる部屋にできる

 実際、リビングよりも北側の居室の方が散らかりやすい。暗めなバスルームや窓のないトイレは窓があるものより掃除の頻度が下がる。こうしたケースでは照明を明るめにするだけで改善することもあるが、人工窓を設置できればさらに効果的だ。

自然音と差し込む光も再現され効果的

 Atmoph Window2 にはLED オプションがあり、これを使うと窓から部屋の中に光が差し込んでいる表現ができるようになる。画面に映し出される映像と連動しているので、日の出の映像を映し出すと徐々に明るくなってくれて起床に効果的だ。
 
LEDは画面と明るさを連動させられるので
自然な明るさを表現できる

 今回の物件では北側に居室がないため南側のベッドルームに設置しているが、窓が小さいため南側でも意外と暗い。そこで本来道路に面している壁に設置し、東側からの採光を再現する形になっている。
 
南側の部屋でも窓の大きさによってはそこまで明るくない

 お住まいの方からも「朝スケジュールでオンになるようにしたら起きやすい」という話をいただいているので一定の効果はあったと思う。日中はアップロード機能を活用して壁の外の実際の風景を撮影した動画を再生しているので、部屋の開放感を出す意味でも貢献してくれている。
 
早朝日の出の映像で起きるのは気持ちいい

 また、環境音がリアルに再生される点も非常に良い。Atmoph Window2 では画面自体が振動して再生される方式のため、あたかも窓から音が聞こえてくるように錯覚する。筆者はカリモクの家具工場風景を仕事中に流していることが多いが、本当に工場内で作業しているかのようでとても集中できる。
 
仕事中よく使っているカリモクの工場風景

実際開けられない窓の効果も補ってくれる

 こうした音と光は今回のような地方の物件でも現実には難しいことが多い。この物件も目の前は住宅街の道なので、鳥の鳴き声などは聞こえない。また窓は防音とも密接に関係しているので、部屋の中の音を外に漏らさない意味で窓を開けたくないことも多いだろう。
 
画面を振動させて音を出す方式は
窓の外から聞こえてきているかのよう

 このようなケースでもAtmoph Window2 は活躍する。実際に取り込めない自然音や雑踏を擬似的に再現することで窓の効果を補ってくれるのだ。このような効果は実際使ってみないと実感できないが絶大だ。幸いなことにAtmoph Window2 は「Rentio」で取り扱いがあるので、ぜひ1週間程度試してみてほしい。1枚よりも3枚の効果が大きいので試すなら3 枚借りるのをおすすめする。

 こうした活用をすることで採光が改善され、体内時計が整ったり、仕事の効率が上がったり、部屋がきれいになったりする。本当に採光だけで? と思う人はぜひ導入してみてほしい。採光がいかに重要かわかるだろう。

進化していくハードウェアだから高くても投資できる

 ここまで書いたようにAtmoph Window2 がもたらす効果は絶大だ。3年間使い続けている筆者が太鼓判を押すが最後に気になるのは価格ではないだろうか。

 結論から言うと3枚で10万を超えるAtmoph Window2、買った方がいい。なぜなら最新に高額ガジェットにも関わらず、ずっと古くならないからだ。私が購入してからずっと、Atmoph Window2 は買い替えなしで進化し続けている。
機能がどんどん追加されるので
陳腐化しない

 風景はどんどん追加されるし、ワンピースやストレンジャー・シングスといった人気コンテンツともコラボしている。機能的な不満も出ないし、コンテンツでも飽きさせないのだ。高くても一度購入すればずっと最新の状態で使える。新しい機能も追加される。これなら高額でも買う意味があるだろう。
 
コンテンツでも飽きさせないのはさすが

 部屋の採光改善ツールとしても「人工太陽光照明」と双璧をなすレベルで、筆者の手がけるリノベーションでも欠かせない存在になっている。

■Profile

木村ヒデノリ
ROSETTA株式会社CEO/Art Director、スマートホームbento(ベントー)ブランドディレクター、IoTエバンジェリスト。

 普段からさまざまな最新機器やガジェットを買っては仕事や生活の効率化・自動化を模索する生粋のライフハッカー。2018年には築50年の団地をホームハックして家事をほとんど自動化した未来団地「bento」をリリースして大きな反響を呼ぶ。普段は勤務する妻のかわりに、自動化した家で娘の育児と家事を担当するワーパパでもある。

【新きむら家】
https://www.youtube.com/rekimuras
記事と連動した動画でより詳しい内容、動画でしかお伝えできない部分を紹介しています。(動画配信時期は記事掲載と前後する可能性があります)
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