スマートロックのQOLが爆上がり! 7年間使い続けたQrioをSwitchBotに乗り換えた理由

レビュー

2022/08/08 19:05

 【木村ヒデノリのTech Magic #125】 初代Qrio Lockが2015年に発売されてから7年間スマートロックを使い続けてきた。当時は選択肢が少なかったスマートロックも今では群雄割拠の時代。多くの製品から筆者が注目したのがSwitchBotのロックシステムだ。多くの製品が対応するアプリやICカードでの開錠に加え、指紋での開閉もできる仕様は現段階で後付けスマートロック他社製品にはない機能。自宅で使っている他のSwitchBot製品の実用性が高かったことも後押しになった。Qrio Lockから乗り換えた結果、デザイン製こそやや物足りないものの、開錠フローは格段に改善され、家族からも喜ばれた。成熟していたかのように見えたスマートロック製品だが、実用を念頭に突き詰めるとここまで違いを感じるのかと驚いたので、他のロックとどんな点が違うのかを具体例から紹介して行こうと思う。

手頃な価格からは想像できない実用性の高さを誇る「SwitchBotキーパッドタッチ&ロック」。ロック本体のみは9980円だが、キーパッドタッチとセットのものは1万4980円。単体でそれぞれ購入するより17%安くなる
 
家が広い場合、すでに持っているハブミニだと遠くて通信ができない場合がある。状況によってハブミニセット1万8980円を選ぶとよい
 
キーパッドタッチにはICカード、ロックの方にはNFCタグが同梱されているので用途によって使い分けられる

信頼性がかなり上がった印象のSwitchBot製品群

 今回、SwitchBotのロックシステムが気になったのは、別の製品群が非常に使いやすかったからだ。SwitchBotが業界に参入された当初はレスポンスにラグがあるなど実用性がイマイチなのが気になり導入を見送っていたが、そこから怒涛の改善が重ねられた製品群は今やIoT製品の中ではダントツの使い心地。反応速度が速く、アプリとの連携もスムーズで筆者宅でもこれらが無いと生活が成り立たない、というレベルのアイテムになっている。
最近ではお掃除ロボットまでラインアップするSwitchBot製品群。どれも手頃な価格なのだが、安定した動作で信頼性が高い

 スマートスピーカーとの親和性も高く、音声で即座に機能をトリガーできるのでいつの間にか製品全てがSwitchBotになってしまったのが正直なところだ。以前紹介したZoomなどで使う照明もSwitchBotプラグで4灯が一気に点くようになっているし、ダイソンの空気清浄機の風向変更もSwitchBotハブミニで自動化している。各部屋にはSwitchBot温湿度計が設置され365日温湿度の変化をモニタリングしてくれているので、エアコンや加湿器の運用の目安になるし、それらをトリガーにして機器を動かすこともできている。
以前はよさそうなIoT製品を組み合わせていたが、SwitchBot製品全般が使えるレベルに達したので、アプリ一つでコントロールできる利便性を取るようになった

 以前はGosundのスマートプラグやラトックシステムのスマート家電リモコンを使っていたが、アプリが分かれてしまうのが面倒で使わなくなってしまった。こんなに急速にIoT製品でシェアを取れるようになったのはひとえにSwitchBot社の開発力の高さによるところが大きい。2016年に生まれた新しい企業が、数年で信頼性の高い製品をコンスタントにリリース、アップデートできるようになっているという事実はスマートロックを更新させるのに十分な実績だった。
 

低価格、高機能で何よりレスポンスが高速

 きっかけは使っていたQrio Lockが思い通りに動いてくれないストレスに悩まされていたことだ。当初2ロックに対応していたのはQrioだけだったので2台運用していたのだが、上だけ開いて下が開かない、など結局物理キーで開けることが3割ほどあった。結局2ロックに1台の運用に戻すも、今度はアプリのハンズフリー開錠機能が5割くらいの確率でしか動作しない。iPhoneのロックを解除した状態で手に持っていると開くが、それ以外は調子の悪い印象だ。それならとQrio Key Sを購入して立ち止まり検知でなんとかならないか試したがこれもほぼ同じ割合で発動しない。さらにオートロック機能で何度か「スマートロックアウト」されたので、Qrio Padを導入してみたが、なんとこれも通信エラーで開かないという事態が起こったのだ。
第一世代からツインロック運用していたQrio。当初不満はなかったがSwitchBotに途中で追い越された印象

 価格も高めで国産、現在はソニーの子会社となっているという理由でずっと使い続けてきたQrioだが、筆者が2015年から使ってきた正直な感想は「最初の頃の方が良かったかもしれない」というもの。SwitchBotが驚異的な速度でアップデートされていくのに反し、Qrioは二世代目登場以降アップデートがスローダウンしている印象。もしかすると筆者の個体特有の問題なのかもしれないが、2万5300円の製品が4年で個体的な不具合を発するのであればもう少し安いものを選びたくなってしまう。

 また、長く使っていると本体の重さも気になってくる。両面テープが自重で剥がれて落下するということが使っている7年間で4回はあった。中の人とも知り合いなのであまりマイナスなことを言いたくはないのだが「高度に暗号化された安心な通信」や「高いデザイン性」という利点をどれだけ大きく評価しても、ユーザー体験の不具合を補うことはできなかった。これが正直な感想だ。
デザイン性が高く楽しみに使い始めたQrio Padもほどなく文鎮化してしまった

 一方、SwitchBotは真逆でどんどん印象が良くなっていった。価格が安いのできっとそれなりだろうというのが当初のイメージだったが、今や「この価格でこんなに反応が良いの!?」と驚く仕上がりになっている。口を酸っぱくして言っているがIoT製品にとって「レスポンスの速さ」と「アプリ連携のスムーズさ」は生命線だ。0.1秒ラグがあるだけでも使わなくなってしまうことがあるので、とにかくここにこだわってほしい。不安だからと物理キーを手放さなかった妻が、SwitchBotに替えた翌日から物理キーを置いて出勤した、ということがSwitchBotロックのレスポンスの良さを証明しているのでは無いだろうか。
アプリで施錠状態や誰が操作したかがわかるのも便利

暗号化から仮想パスワードまで、ユーザー体験が考え抜かれている

 優秀なSwitchBotロックの利便性をさらに高めてくれるのが「SwitchBotキーパッドタッチ」だ。物理ボタンとICカード、さらに指紋にも対応し、アプリを開かずとも開錠操作を可能にしてくれる。特に便利なのは指紋開錠で、0.5秒ほどで開錠してくれる体験には感動した。Qrio LockではApple Watchで操作することが多かったが、これが一番早い方法だったがタップしてから開錠されるまで2秒ほどかかっていたことを考えれば0.5秒がいかに快適か想像できるだろう。
ラインアップには指紋センサーのないSwitchBotキーパッド(4980円)もあるが、何も取り出さずに一発開錠できるので指紋センサーありのキーパッドタッチを選ぶ方が良い

 また暗証番号ボタンが物理的に押せるのも良い。Qrio Padではタッチ式が採用されていたが、起動するのに毎回ボタンを押さなければならない。起動後もタッチの反応が悪く、2回に1回は思った番号を押せない状態。個人的にはQrio Padのデザインやタッチ方式の方がスタイリッシュで好きなのだが、鏡面加工でいつも押している番号がわかってしまう、などデザイン性と機能性がチグハグな部分が多かった。タッチ方式にするなら十分な反応速度と毎回番号が出る位置が変わるなどの配慮があればよかったかもしれない。

 一方でSwitchBotキーパッドタッチは物理ボタンなので当然押せていないなどのエラーはない。また、仮想パスワードという機能で開錠ができるのもよく考えられている。これは20桁までのダミーパスワードの中に、正しい数字の並びを含めることで開錠ができる機能で、隣に人がいる状態で暗証番号を押すような際も、実際の数字を隠すことができる。
実際は簡単な数列だとしても、あえて長く見せることができて覗き見対策になる。ハッキングでもほとんどが覗き見から行われることが多いのでこの機能は優秀

 さらに本体がハブミニとつながっている状態なら状態をメール通知やプッシュ通知してくれるのも凄い。例えばドアの前で緊急事態が発生した場合、緊急パスワードで家族や友人に知らせることができる。後をつけられた、など一人暮らしの女性などに嬉しい機能だろう。さらに本体が取り外されるなど異常を検知するとパスワードを入れるまで音がなり続けるとともにメールでも異常を通知してくれる。これによって小さい本体を盗まれる心配も軽減されるのではないだろうか。最後に心配なのは充電の持ちだが、1日1人3回、家族3人で運用しても2年間使用できるという。これで価格が7980円(セットならさらに安い)だというのだから、SwitchBotロック導入の際にはマストで同時購入するべきだろう。
 

鍵を持ち出さなくなった快適さ、ツインロックのここが改善されれば完璧

 リリース後のアップデートでツインロックにも対応し、ほぼ死角のないSwitchBotスマートロックシステム。あえてデメリットを挙げるとすれば、ツインロック設定中にスムーズに二つが同時解錠されてしまうこと。内側から開けるときに一つを操作するともう一つもほぼリアルタイムで開いてくれるのは良いが、外から開ける際も上だけ物理キーで開けると下も開いてしまうので、セキュリティとしては2ロックの意味が半減してしまう。外から動かされているのを感知してその場合のみ独立して動くようにするか、アプリで独立して動かす設定ができるようになるとなお良いだろう。
暗号化から状態検知、バッテリー、緊急時の対応までほぼ死角のないSwitchBotスマートロックシステム

 とはいえ全ての面で完成度の高いスマートロックシステムで、筆者の満足度は今のところ120%だ。長く使って不具合が出てきたらそれはそれでまた記事にしようとは思うが、今のところ開錠成功率は100%で、物理キーを持ち出さなくなった。記事内で触れていないが、電池が低下した際の対策も万全なので安心して出かけられている。快適すぎるのでお盆の帰省の際に実家にも取り付けようと画策中だ。履歴が見守りにもなるので読者も自宅と併せて検討してみてはどうだろうか。(ROSETTA・木村ヒデノリ)


■Profile

木村ヒデノリ 
ROSETTA株式会社CEO/Tech Director、スマートホームブランドbentoを展開。

普段からさまざまな最新機器やガジェットを買っては仕事や生活の効率化・自動化を模索する生粋のライフハッカー。2018年には築50年の団地をホームハックして家事をほとんど自動化した未来団地「bento」をリリースして大きな反響を呼ぶ。普段は勤務する妻のかわりに、自動化した家で娘の育児と家事を担当するワーパパでもある。

【新きむら家】
https://www.youtube.com/rekimuras
記事と連動した動画でより詳しい内容、動画でしかお伝えできない部分を紹介しています。(動画配信時期は記事掲載と前後する可能性があります)
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