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ドローンの免許制に備えて「DJI Camp」でライセンスを取得してきた! 知っておくべき制度改正前のあれこれを徹底解説(前編)

レビュー

2022/04/23 17:00

【木村ヒデノリのTech Magic #103】 ドローンの規制が欧米などと比べると厳しい日本。今回の記事ではこんな悩みを解決するための方法を解説していく。知っていればドローン撮影ができる場所は意外と多いことが分かるはずなので参考にしてほしい(※本記事は2022年4月時点で執筆されたもの。執筆にあたりしっかりと事前調査を行っているが、飛行に際してはその時点での規制等も併せて確認し、自己責任の上で可否判断をお願いしたい)。

DJI Campでドローンの免許を取得した実体験を2回に分けてお伝えする
(写真は取得を目指すきっかけになった「DJI Mavic 3」)

今回の取得を決めさせられるほど高画質で撮影ができるMavic3。こちらも追って記事化するのでお待ちいただきたい

そもそもライセンスは必要か? 免許制移行を踏まえて考える

 ドローンが「免許制」になるからライセンスを取っておこうと考える読者も多いだろうが、実は免許制移行後も免許無しで飛ばすことはできる。従来通り申請を行えば免許なしでの飛行は可能だし、そもそも申請が必要ない場所においては免許の必要もない。この点をまずは押さえてから現状で民間のライセンスが必要かどうか考えてみよう。

 現在民間のライセンスはそれぞれ取得に数万円から数十万円はかかる。できればライセンスを取得せずに自力で申請したいと考える方も多いだろう。しかし、結論から言うと免許制移行を考えてもライセンスは「取得しておくべき」だ。理由は下記の3点。

(1)10時間飛行の証明となり、申請のハードルを下げることができる
(2)法規や用語をしっかりと理解できるので、今後ルールを読み解くのが容易になる
(3)免許制に移行した際、一定の優遇措置を受けられる可能性がある

 逆に考えると上記の要素を持たない民間のライセンスに関してはよく検討した方が良いと言える。例えば、民間で格安のものの中には(3)の優遇措置が受けられなそうなものもある。さまざまな民間資格が乱立する中、最初の壁となるスクール選びだが、国交省が発行する資料をもとに「一番ポピュラーな団体」を選べば不確定要素を考慮しても間違いない。
 
ドローンメーカー最大手DJIが公式に認定する講座

 判断材料として挙げられるのはやはり国の動向ではないだろうか。以下は国交省が公式に発表している資料となる。

◆飛行許可を受ける際の申請書類の一部を省略することができる無人航空機
(https://www.mlit.go.jp/common/001356261.pdf)

◆飛行許可を受ける際の申請書類の一部を省略することができる講習団体等
無人航空機の講習団体一覧
(https://www.mlit.go.jp/common/001220070.pdf)
無人航空機の講習団体を管理する団体一覧
(https://www.mlit.go.jp/koku/content/001427976.pdf)

 2022年4月時点でのガイドラインは上記となっており、機体と講習団体それぞれですでに優遇措置があるものを見てみるとどちらもDJIが一番多い状況だ。ドローンの販売シェアから考えても当然かもしれないが、こうしたことから考えて「DJI製のドローンを選び、DJIが認定する民間資格を取っておけば国の動きに未定部分があっても何かしらの優遇措置は受けられるのではないか」と予測できる。筆者はこのように考えてDJI Campを選んだ。

 さらにライセンス取得が必要だと感じた大きな要素は(2)に挙げた法規や用語の理解だ。ドローンの許可について国交省が公式に出している下記の一文を読んでみてほしい。

・飛行経歴が10時間未満の者で許可・承認を行った例

事例1「飛行経歴2時間の者が、飛行させる者が管理する敷地内において第三者の立入が制限され、ジオ・フェンス機能を設定し飛行範囲の制限を行い、十分な飛行経験を有する者の監督の下で飛行させる。」

 どうだろう、「ジオ・フェンス」などの専門用語はさておき、「第三者」や「十分な飛行経験を有する者」など、一般用語もどこまでを指しているかわからない部分が多いのではないだろうか。ドローンのルールを調べていくと、こうした文言に出会うことが何度もある。DJI Campで講習を受けるとこれらをスラスラと読めるようになるのもかなりのメリットだ。

ルールについての正しい理解、DJI Campは1日で完了

 例えば「人または建物との距離が30m未満での飛行禁止」というルール。この「建物」に電柱や電線、鉄道車両も含まれることなどは実際に講習を受けてみないとわからない。DJI Campは2日の日程で、座学は初日にまとめて行われる。
 
座学は初日にまとめて行われるが、
実用も踏まえた指導はSEKIDO社ならではでわかりやすい

 筆者は国内で初めてDJI社と正規代理店契約を結び、販売や業務での運用実績も豊富なSEKIDO社が実施するものに参加した。狙い通り、インストラクターからはテキストに載っていることを実際の業務で起こった経験からわかりやすく解説してくれる。

 質問にも明快に答えてくれるので、文章だけではわかりづらかったニュアンスが把握できるのも良かった。1日みっちりのスケジュールではあるが、法規からDJI製品に特化した技術的知識も学べるのはDJI Campならでは。前述した通り、ドローンを選ぶ際にDJI以外の製品を選ぶのは稀だと思うので、技術仕様まで公式に勉強できるのは他のスクールにはない利点だろう。
 
当日講師をつとめた平井氏、
業務経験からさまざまなケースを解説してくれて使える知識が身についた

難易度は高めだが他スクールよりも価格が安くて実用的

 実際に受けてみた感想としては、座学実技ともに難易度は高めだ。受験要件にも「10時間の飛行経験」があり、これをアプリの飛行履歴などで証明しなければならない。一方で価格は他のスクールより安く、内容は実用的なものになっている。総合的に考えると難易度の高さはイコール受験後の自信へとつながるので、難しさもやりがいと捉えてチャレンジする価値があるのではないだろうか。
 
 
十数万かかるスクールが多い中、
SEKIDO社のDJI Campは通常価格でも6万円と手頃

 2日目の実技試験は難易度的にかなり高い部類に入る。しっかりと10時間飛ばした経験がないと受からないし、ただ飛ばすだけでは試験内容をクリアできない。しかし、10時間ホバリングさせた飛行経験で誤魔化してライセンスを取ってもその後技術的に飛行させることが難しいので、目標を持って10時間練習ができることには意味がある。試験内容である八の字飛行やセンターを向いたまま円を描いて飛ぶ飛行方式などを練習しながら10時間の飛行経験を積むと技術も上がって理想的だ。
 
試験ではGPSを切った状態、小さい台に着陸する必要があり最後まで緊張感が漂う

 ただ、試験時にはGPSをオフにした状態で飛ばさなければならない点には注意が必要。現状でGPSがオフにできるDJI製の機体はPhantomしかないので、それ以外ではGPSオフでの飛行は試験時のぶっつけ本番となる。(体育館など室内で飛行させる場合はGPSが受信できず自動でGPSなし飛行に切り替わる機体もある)トイドローンなどGPS非搭載モデルで練習する方法もあるが、重さが200g以上あるドローンでないと飛行経験に換算されないので、この場合は練習と飛行経験を分ける必要が出てくる。

 これらを考えると屋外での練習と体育館での練習を組み合わせるのが最も現実的だろう。経験的には7時間くらい屋外で練習しつつ飛ばしてみた後、体育館を借りて残りの3時間練習をするのが良いのではないだろうか。それでも試験の際は久々に感じる緊張感があったので、講習としては非常に優秀。筆記試験と実技試験をパスすると、講習前にはなかった飛行への自信が感じられた。そうした意味でもDJI Campはかなり実用度の高い講習だと言えるのではないだろうか。「ただライセンスを取得させる」講習ではないことが如実に感じられた。

極めて実用的な内容がDJI Campの魅力

 申請や受験に必要となる10時間の飛行経験の積み方については本記事のその2で解説したいと思う。興味のある方はぜひ読み進めていただきたい。DJI Campは他社でも運営されているが、筆者が参加したSEKIDO社によるものはさすがフライト練習場も運営する会社が行うだけあり講師のアドバイスも的確だった。

 試験後、今足りていない技術は何で、どんな練習をした方が良いという具体的なアドバイスがあった点も好感が持てた。こういった実際の体験もスクールや実施する会社を選ぶ基準になり得ると思うので共有しておきたい。(その2へ続く)(ROSETTA・木村ヒデノリ)


■Profile

木村ヒデノリ 
ROSETTA株式会社CEO/Art Director、スマートホームbento(ベントー)ブランドディレクター、IoTエバンジェリスト。

普段からさまざまな最新機器やガジェットを買っては仕事や生活の効率化・自動化を模索する生粋のライフハッカー。2018年には築50年の団地をホームハックして家事をほとんど自動化した未来団地「bento」をリリースして大きな反響を呼ぶ。普段は勤務する妻のかわりに、自動化した家で娘の育児と家事を担当するワーパパでもある。

【新きむら家】
https://www.youtube.com/rekimuras
記事と連動した動画でより詳しい内容、動画でしかお伝えできない部分を紹介しています。(動画配信時期は記事掲載と前後する可能性があります)

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