4Kドローンの決定版! 2021年の空撮デビューは「DJI Mini 2」で決まり!

レビュー

2021/01/16 18:00

【木村ヒデノリのTech Magic #039】 規制が年々厳しくなっているものの、気になっている人が多いであろうガジェットが“ドローン”だ。最近の機種は安価でも機能性がかなり向上しているが、今回紹介する「DJI Mini 2」はそのなかでも突出している。200gを下回ることで話題になった前モデルのMavic Mini(マヴィックミニ)から価格は3割ほど高くなったものの、カメラ4Kに対応し、伝送方法も上位モデルと同じになるなど大幅にスペックアップした。

 最大の特徴は4Kの撮影が可能になった点で、静止画もRAWに対応するなど、ビデオグラファーやVlogger、YouTuberに注目されている。さらに長く培われたDJIの技術によって操縦が簡素化されている。入門機としてもおすすめである本機の特徴を紹介していこう。
 
見た目は第一世代と変わっていないが、性能は大幅に向上。
第二世代からは“Mavic”という名前がなくなり「DJI Mini 2」となった
 
折り畳むとさらにコンパクトさが際立つ
 
羽やカメラはしっかりとカバーされるため収納時も安心だ
 
コネクタもmicroUSBからUSB-Cに変わり、運用しやすくなった

なんといってもまず飛ばすのが簡単という優位性

 ドローンと聞いて初心者がまず尻込みするのが「操縦できるのか不安」ということだろう。練習が先か、購入が先かと悩んだ末、結局購入を断念していたのは筆者も同じだ。そんな私が今回初めてDJI Mini 2を飛ばしてみた最初に持ったのが「思った以上に簡単!」という感想だった。

 まず離陸だが、画面上の離陸ボタンを長押しすることで地上から80cmほどのところでホバリング状態になる。Lのジョイスティックで上昇、下降、曲がりたい場合は左右操作で機体が回転する。Rのジョイスティックは前進、後退の操作ができるので、基本的にこれだけ覚えておけば、飛ばす分には問題ないだろう。

 しばらく飛ばしていると、バッテリーが30%にさしかかったあたりで画面に警告が表示され、自動的にホームに戻るモードになった。これがこの機体の優秀なところで、GPSさえつかまえていれば離陸した場所とほぼ変わらない位置に自動で戻ってくるのだ。戻ってきたあとは離陸と同じくらいの高さで停止しホバリング状態になるので、安全確認をした後に着陸ボタンを押せばいい。
 
離陸・着陸はアプリ左側にあるアイコンをタップし、長押しで承認するだけ
 
コントローラーが刷新され最大電装距離が向上。さらに安心して飛ばせる。
バッテリー容量も前モデルの2倍になった

 筆者はParrot(パロット)社の初代ドローンを使ったことがあるが、離陸も着陸も難しく挫折してしまった。ホバリングも安定せず、前後左右を補正しながら撮影するのは至難の技だった。DJI Mini 2はホバリングもピタッと止まってくれるし、着陸・離陸も自動だ。その上、離陸場所へ戻ってきてくれるとなれば、操縦を気にせずに誰でも気軽に空撮することができる。これは他社製のドローンよりもDJI Mini 2を選ぶ大きな理由になるだろう。

機体の小ささには航空法以外にも大きなメリットがあった

 199gというサイズはもちろん航空法を念頭に置いたものだ。200g 未満の機体であれば航空法の対象とならない「トイドローン」となるため運用しやすい。ただ今後は航空法の改正でこれらも対象になる動きがあり、だったらわざわざ小さいものを買うことはないと思っているユーザーも多いはずだ。しかし実際に使ってみると想像以上に購入の決め手になるのがこの「軽さ」だと感じた。

 まず、良かったのが飛行音の小ささだ。通常サイズのドローンだとプロペラ音がかなり大きいので、それだけで使わなくなる原因になり得る。大きな音が鳴ると、飛ばしていい場所であっても周りの目が気になるし、騒音のクレームとなってしまうことも多いからだ。その点DJI Mini 2はプロペラ音も小さいのでこれらの問題を回避できる。

 次に持ち運びのしやすさだ。屋外での撮影は空撮で完結しないことが多いので、通常の撮影機材に加えて大きなドローンを持っていくのが重労働だった。登山など自然の中で使う場合もわざわざ重く大きい4Kドローンを持っていく人は稀だろう。

 これに関しても200g未満のコンパクトさで4Kが撮れるDJI Mini2が解決してくれる。これまで4Kが撮れるコンパクトな製品がなかったわけではないが、DJI製品ほど安定して誰でも撮れるものは初めてだ。ジンバル付きで滑らかに撮れる動画は体験した人全てがまた撮りたくなる綺麗さだ。

入門者でもプロ並みの画が撮れる自動撮影機能も秀逸

 さらにDJI社のすごいところは自動撮影機能も付けているところだ。被写体を中心にして上昇していく映像や、遠ざかっていく映像なども自動操縦で簡単に撮れる。前モデルにも搭載されていたものだが、今回さらにブーメランという機能が加わった。
 
従来の自動撮影機能に、被写体を回りながら遠かった後また近づく「ブーメラン」が追加された

 写真に関してもJPEGに加えてRAWで撮影できるようになったため、撮影時に露出を間違えて失敗、という心配が減った。RAWであれば、ある程度暗めに撮っておいて後で明るくするといったことができるからだ。後から修正が効いて初心者でも扱いやすくなった。

簡単に飛ばせるが注意するポイントは押さえて欲しい

 ここまで入門者にも優しいと書いてきたが、当然どこでも飛ばしていいわけではないし、安全に飛ばすためには押さえておかなければいけない点もある。下記は200g未満の航空法適用外機体でも最低限押さえておきたい事項だ。可能であれば国交省のウェブサイトにあるドローンに適用される航空法も頭に入れておきたい。
 
 
18分飛ばせると記載があるが、天候によっては13分程度でバッテリー1本消費してしまうこともある。
予備が2本くらいあると余裕を持って撮影ができる
 
購入は断然Fly Moreコンボがおすすめ。交換用プロペラなど予備部品や専用バッグのほか、
バッテリー3本とチャージャーも付属
 
バッグには全てのパーツや機材がすっぽりとおさまる

 最後に難しいことを書いてしまったが、これらを加味してもこのDJI Mini 2は非常におすすめだ。上位機種と全く同じとは言わないが、ここまで綺麗な4K動画がこの手軽さで撮れるものは他にない。都内で飛ばすのはハードルが高いが、旅行時に持っていったり、アウトドアで活用したりすれば今までにない思い出や記録になること間違いなしだ。許可取りや飛ばせる場所も回数を重ねると慣れてくるので、食わず嫌いで敬遠せずにチャレンジしてみて欲しい。ちなみに筆者は今後の法改正に伴って免許も取得したいと意気込んでいる。(ROSETTA・木村ヒデノリ)

■Profile

木村ヒデノリ 
ROSETTA株式会社CEO/Art Director、スマートホームbento(ベントー)ブランドディレクター、IoTエバンジェリスト。

普段からさまざまな最新機器やガジェットを買っては仕事や生活の効率化・自動化を模索する生粋のライフハッカー。2018年には築50年の団地をホームハックして家事をほとんど自動化した未来団地「bento」をリリースして大きな反響を呼ぶ。普段は勤務する妻のかわりに、自動化した家で1歳半の娘の育児と家事を担当するワーパパでもある。

【新きむら家】
https://www.youtube.com/rekimuras
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