お盆に“神棚”をスマート化! LED灯籠を自動化した結果、意外な効用が

レビュー

2021/08/14 12:30

【木村ヒデノリのTech Magic #066】 ご自身や家族が商売をやっている方は家に神棚がある人も多いのではないだろうか。筆者は基本的に無宗教のスタンスだが、会社を作ったころから神棚を設けるようになった。そもそもの発端は初詣の際に商売繁盛祈願をしてもらい始めたこと。もらって帰る御札をお祀りする場所を作ろうかなと考えたのがきっかけだ。初めはシンプルなものを考えたが、凝り性な筆者の神棚プランは徐々にエスカレート。灯籠をスマート化するまでに至った。ご利益云々はさておき、神棚を設置した意外なメリットがあったので紹介したい。

今回スマート化したLED灯籠、通常はリモコンでオンオフする

意外と深い神棚の世界

 初めはシンプルなものを用意しようかと考えていたが、よくよく考えると神棚は一度用意したらずっと使うもの。きちんと情報を集めてから選ぼうと調べていると、意外と多くの選択肢があるのに気づき、驚いた。
 
筆者宅の神棚、場所が高い位置にあるので電源タイプだとオンオフや電源の取り回しがしづらい

 例えば、造り一つとっても一社、三社、モダンなどある。材質も木曽桧や美作桧などさまざまだ。屋根の形状すら種類があり、三つが別々の高さの「流れ屋根」や同じ高さの「通し屋根」などがある。知識がないとどうやって選んだらよいかわからないくらいの多さだ。ただ、選び方にルールはないので、自分が置きたいスペースや部屋の雰囲気に合わせて選べばいいようで安心した。
 
真ん中は一般的な流れ屋根の三社タイプ、右のように手入れが簡単な箱型の箱宮神棚もある

 現在はモダンタイプというものも存在するので、マンションなど和室がない場所でも雰囲気を壊すことなく設置できるというのも初めて知った。洋風な住居にも一社モダンタイプなら馴染むのでおすすめだ。
 
静岡木工ではGOOD DESIGN賞を取るようなモダンな神棚がラインアップされている。写真は丸太をかたどった一社タイプ「まるた」、お札を完全に収納してしまうのでどんな家にも合わせやすい

毎日オンオフする灯籠を自動化してみる

 神棚の神具として灯籠は必ずしも必要ではない。一般的にはお酒を入れる瓶子や米塩をそなえる皿、水を入れる水玉、榊立てや神鏡を揃えるだけでよい。ただ、かがり火や灯籠などを設置すると、より丁寧に祀ることになるらしい。せっかく灯籠を立てるなら点灯するものを、と探していて見つけたのが冒頭の写真の灯籠だ。

 こちらの灯籠は電池駆動で、付属のリモコンを使ってオンオフができる。電池交換の手間はあるが、他の有線電源式のものと比べ、圧倒的に使いやすい。というのも、神棚は概して高い場所にあるため、電源を取るのも一苦労。オンオフもいちいち踏み台を使うとなると、点灯消灯が億劫になってしまう可能性もある。一方、筆者が選んだものは3か月程度なら電池が持つので、普段はリモコンで操作するだけでよい。運用を考えると断然リモコン・電池式が便利だ。
 
単三電池2本で駆動する、電源コードがないので高い場所でも使いやすい

 ただ、使っていくうちにリモコン操作も自動化できないのかと思うようになった。赤外線を使用しているので、それに準じたハブを導入すればスケジュールを組んで自動点灯・消灯できるのでは、ということでスイッチボットハブを使って検証してみることにした。

 該当のリモコンをスイッチボットハブに学習させ、アプリでオンオフの操作をしてみる。問題なく動いたので、スイッチボット上でスケジュールを組むと難なく17時点灯、23時消灯のシステムが完成した。ハブと連携したことで音声コントロールもできるようになったので「アレクサ、お参りモードオン」で点灯できるか試してみたところ、こちらもスムーズに連携できた。
 
オンオフしかないシンプルなリモコン(左)だが、「照明」プリセットで簡単にスイッチボットハブ(右)に学習させられた

榊の生け替えも自動化、神棚の意外な効果も

 ここまでくるとお供え以外のものはなるべく自動化したくなってくる。左右にある榊は一般的に1日と15日の2回変えることになっているが、生花なので都度買いに行かなければならない。また、榊にはホンサカキとヒサカキがあり、ヒサカキ(葉がギザギザ)は比較的スーパーなどでも手に入れやすい。一方ホンサカキ(葉が楕円でしっかりと硬い)は周囲で売っておらず、手に入れるのも一苦労だ。

 こうした問題も解消できないかと調べると、「さかき市場」なるところでホンサカキの定期便が購入できるらしい。これを利用することで1日・15日に自動的に手元に榊が届く。毎日水換えをする手間はあるが、定期便にしたことである程度榊に関しても自動化できたと思っている。
 
よく神社で見かけるのは左の本榊、右は非榊という近縁種。寒い地方には本榊が育成しないため、
代用として非榊が使われてきた地域もある

 神棚を設けるというとスピリチュアルな印象を持たれる方が多いと思うが、筆者の実感としては別の効用がある。毎朝お供えをし、毎月1日15日には米や塩と榊を交換する、こういうことを続けると一定のルーティンが無意識に生まれるからだ。

 神棚がなかった時は周期的に何もしたくない時期が到来し、朝もだらだら、仕事も効率が悪いという状態だった。それが神棚を設置した後では、朝お供えをしないとなんとなく罪悪感がある、といった具合にある程度強制的なルーティンができるようになった。夕方17:00に点灯する灯籠も同様で、灯籠が点いたらお供えを下げて夕飯の支度を始める、といったようにそれまでダラダラと続けてしまっていた仕事を時間内に収めようとする力が働くようになった。

 そもそも神棚はそういうものではない、だとか、自動化するなんて怠慢だ、というお声はあるだろうが、個人的にはこうしたルーティンが生まれたこと自体が「ご利益」と感じている部分だ。どんなトピックでも突き詰めてみると新たな経験が生まれ、非常に有意義だと感じることができた一件だった。(ROSETTA・木村ヒデノリ)


■Profile

木村ヒデノリ 
ROSETTA株式会社CEO/Art Director、スマートホームbento(ベントー)ブランドディレクター、IoTエバンジェリスト。

普段からさまざまな最新機器やガジェットを買っては仕事や生活の効率化・自動化を模索する生粋のライフハッカー。2018年には築50年の団地をホームハックして家事をほとんど自動化した未来団地「bento」をリリースして大きな反響を呼ぶ。普段は勤務する妻のかわりに、自動化した家で娘の育児と家事を担当するワーパパでもある。

【新きむら家】
https://www.youtube.com/rekimuras
記事と連動した動画でより詳しい内容、動画でしかお伝えできない部分を紹介しています。(動画配信時期は記事掲載と前後する可能性があります)

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