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AirPods対抗の最有力候補! ソニーの完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM4」の実力を検証

 ソニーのワイヤレスヘッドホン・イヤホンのフラグシップである「1000X」シリーズに、左右独立型・完全ワイヤレスイヤホンの新モデル「WF-1000XM4」が加わった。アクティブノイズキャンセリング機能を搭載するハイレゾ対応ワイヤレスイヤホンの実力をレポートする。

 
発表直後から注目を集めるソニーワイヤレスイヤホン「WF-1000XM4」をレビュー

WF-1000XM4に注目すべき「3つのポイント」

 「WF-1000XM4」は6月9日の発表直後からソニーのオンラインストアなどで予約販売を開始。全国の家電量販店ECショップのPOSデータを集計する「BCNランキング」によると、6月7日~13日の完全ワイヤレスイヤホン販売台数ランキングで「AirPods with Charging Case」を抜き、2位にランクイン。2019年10月28日週以降、85週ぶりにアップルの独占を崩した。

 筆者は本機が注目される要素が大きく3つあると考えている。一つは「音質」への期待の高さだ。WF-1000XM4はソニーが開発した「LDAC(エルダック)」というBluetoothオーディオのコーデックに対応している。同じLDAC対応のスマホ、Bluetooth機能を搭載するオーディオ機器と組み合わせれば、ワイヤレス伝送時に圧縮を伴うものの最大96kHz/24bitの高品位なハイレゾ再生が楽しめる。
 
ソニー独自開発のBluetoothオーディオのコーデック「LDAC」に
1000Xシリーズとして初めて対応

 二つめは「アクティブノイズキャンセリング機能の完成度」。その性能は誰もが気になるところだろう。ソニーは本機のノイズキャンセリング性能について、“業界最高クラス”の実力であることを強くアピールしている。機能をオンにした状態で不要な環境ノイズがどれほど強力に抑えられるか、なおかつ音楽再生に違和感を与えないバランスに整っているのかなど、複数の視点から実力を評価する必要がありそうだ。

 そして最後に本機に搭載されたソニーらしい「ポータブルオーディオの最先端機能」。このなかに、便利で役に立つものがどれほどあるのか楽しみにしている方も多いと思う。

さすがのハイレゾ音質 iPhone再生もいい音で聴く方法

 はじめに音質をチェックした。LDACによるハイレゾ再生を試すためにはスマホもLDACによるBluetoothオーディオ伝送に対応していなければならない。筆者は手元にある「Google Pixel 5」で試した。
 
Google Pixel 5にペアリングして試聴

 LDACによるハイレゾ再生を楽しむための下準備には、ほかにもハイレゾ楽曲と専用アプリ「Sony | Headphones Connect」を用意することが必要となる。アプリではサウンド設定の「Bluetooth接続品質」を「音質優先」にセットしておく。今回はAmazon Music HDのハイレゾ楽曲を再生した。

 LDAC再生の環境を整えてからWF-1000XM4のサウンドを聴けば、おそらく誰でも本機が高音質なイヤホンであることに納得するはずだ。例えば、ボーカルやピアノは繊細なニュアンスの変化を的確に捉えるほど情報量に富み、解像度も非常に高い。アップテンポなロックやジャズの楽曲を聴くと、ふくよかでタイトな低音の躍動感が体の芯まで伝わってくる。耳だけでなく、体全体で音楽を味わっているような迫力だ。

 アップルのiPhoneはLDACによるBluetoothオーディオ再生に対応していないので、残念ながらWF-1000XM4によるハイレゾ再生ができないが、代わりにCDからリッピングしたファイルや、音楽・動画配信サービスのサウンドをハイレゾ相当の品質にアップコンバートする「DSEE Extreme」の機能を使うと、ハイレゾ再生に迫る高音質なサウンドが楽しめる。DSEE ExtremeはiPhoneに限らず、本機をAndroidスマホやPCにペアリングして楽しむ際もアプリから有効にできる。
 
アプリの設定にDSEE Extremeのオン・オフを選択できる項目がある

ノイキャンと外音取り込みがともに絶妙なバランス

 ノイズキャンセリング機能については、ソニーの独自開発によるIC制御チップ「V1」でコントロールする。遮音性能の高いイヤーチップ、一段とパワフルな低音を再生できる6mm口径のダイナミック型ドライバーを組み合わせて、その消音効果をブラッシュアップしている。

 WF-1000XM4にはノイズキャンセリング機能のほか、内蔵するマイクでリスニング環境周辺の音を取り込み、再生中の音楽とミックスしながら聞ける「アンビエントサウンド」の機能もある。ノイズキャンセリングと外音取り込みのバランスを専用アプリから細かく調節することも可能だ。
 
アプリから外音取り込みのレベルを細かく調整できる。
自動でノイズキャンセリングとのレベルを調整する
アダプティブサウンドコントロール機能も引き続き対応する

 ノイズキャンセリング機能をフルに効かせると、賑やかな場所にいても周囲の環境音がしっかりと消音される。前世代のWF-1000XM3とその効果を比べると、新しいWF-1000XM4は「人の声」の消音性能が高くなったと感じる。賑やかな商業施設の中やカフェで集中力を高めたいときに最適なイヤホンだと思う。地下鉄に乗って試してみても、低く響くエンジンや甲高いブレーキのノイズはさほど気にならなかった。音楽再生や動画鑑賞に深くのめり込める。飛行機にも乗って試せる機会が楽しみだ。

 アンビエントサウンド機能の効果も高い。最も外音を多く取り込むレベル「20」にアプリから設定すると、イヤホンが耳から外れてしまったのではないかと勘違いしてしまうほど周囲の環境音がクリアに聞こえる。街を歩きながら音楽を聴いたり、ハンズフリー通話のために本機を使う時に活用したい。

便利さが実感できる3つの機能

 WF-1000XM4には、数えれば切りがないほど数多くの便利機能が載っている。そのなかから筆者は次の3つの機能に注目した。雨や汗、湿気はワイヤレスイヤホンのような精密な機械の大敵だ。でもユーザーとしては雨の日にも屋外で音楽を聴いたり、ジムで汗を流しながらWF-1000XM4を使いたい。そこで、ソニーは1000Xシリーズの完全ワイヤレスイヤホンとして初めて、本機をIPX4相当の防滴対応とした。
 
IPX4相当の防滴対応。側面にタッチセンサーコントローラーを内蔵する

 ハンズフリー通話の音声品質も安定している。WF-1000XM4は本体に4基のマイクと、ユーザーが話し始めたことをすばやく検知する骨伝導センサーを内蔵している。それぞれを高精度に制御しながら、ハンズフリー通話時にマイクの集音指向性をユーザーの口元に向け、声をクリアにピックアップする。そのビームフォーミング技術の完成度はとても高く、周囲が騒がしい場所にいても、明瞭な通話音声を会話の相手に届けられる。在宅リモートワーク環境でも生活音を気にすることなく、大事なクライアントとのミーティングにのぞめそうだ。

 最後に、最新のAndroidスマホとすばやくペアリング設定ができるGoogle Fast Pairに対応したことにも注目したい。WF-1000XM4のケースを開けてから、画面ロックを解除したAndroidスマホに近づけると、初めてのペアリング設定時には画面にポップアップメニューが表示される。あとは画面に表示される指示に従うだけで、誰でも簡単にペアリング設定が完了する。WF-1000XM4ではNFCによるワンタッチペアリングが省略されたことは残念だが、代わりにAndroidスマホのペアリング設定を助けるこの機能を積極的に活用したい。
 
Android OSを搭載するスマホと簡単にペアリング設定ができる

 WF-1000XM4のソニーオンラインストアにおける価格は3万3000円。本機と近い価格帯のアクティブノイズキャンセリング機能を搭載する人気の完全ワイヤレスイヤホンには、ボーズの「QuietComfort Earbuds」やアップルの「AirPods Pro」がある。

 WF-1000XM4には「ハイレゾ対応」という強い個性と、音楽リスニングのバランスと丁寧に最適化を図った、完成度の高いノイズキャンセリングと外音取り込み機能が搭載されている。充実したさまざまな機能もユーザーの好奇心を刺激するだろう。今年後半のポータブルオーディオ市場を熱く盛り上げる製品の誕生を歓迎したい。(フリーライター・山本敦)
 

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