入手困難の人気セラピーロボットを検証、「Petit Qoobo」に癒されてみた

レビュー

2020/12/28 19:00

 本物の小動物みたい! 撫でるとしっぽを振る「Petit Qoobo」は自粛続きの孤独を和らげてくれます。

 「コロナうつ」という言葉の登場が体現するように、コロナ禍による生活様式の変化で孤独や気分の落ち込みを感じるようになった人は多いようだ。かくいう筆者もその一人。今年は実家から帰省NGというお達しを受け、生まれて初めて年末年始を一人で過ごす。

 寂しさを紛らわすために購入したのが、ユカイ工学が2020年12月に発売したセラピーロボット「Petit Qoobo(プチクーボ)」。2018年発売の撫でるとしっぽを振って応える「Qoobo」を一回り小さくしたシリーズで、早くも人気により入荷待ちの状態が続いている。
 
Petit Qooboは9000円(税別)。
「Gris」、「Marron」、「Noir」、「Blanc」の4色で、現在すべてのカラーで入荷待ち。
次回の入荷予定は1月下旬

コロンとした小さな見た目で高いセラピー効果を発揮

 Petit Qooboは、丸型のクッションに短いしっぽが付いたセラピーロボット。「一緒にお出かけできるサイズのQooboがほしい」というファンの要望に答え、直径32cmの前作より一回り小さいサイズとして登場した。目や口などの顔のパーツは一切なく、何の生き物なのか、どんな表情をしているのかはこちらの想像に任されている。筆者は猫のように感じるが、同僚に見せたところ「ウサギ?」「オタマジャクシみたい」と意見が別れた。
 
Petit Qooboの外寸は縦約21×横28×幅11cmで、​​​​重量1kg。
A4サイズのトートバックにすっぽり入り、持ち運びがしやすい

 ロボットというと無機質で冷たい手触りというイメージがあるが、Petit Qooboはふわふわとした柔らかい毛に覆われており、ずっと撫でていたくなるのが。小柄な見た目だが膝に乗せるとずっしりとした重さが伝わり、実際に動物を抱っこしているかのような感覚を覚える。

 ユカイ工学が10~30代の男女38人を対象とした実証実験によると、Qooboを持っていないときと比べ、Qooboを持っているときは「緊張・不安」「抑うつ・落ち込み」「疲労感・無気力感」に対する高い軽減効果が確認されたそう。まさに孤独を癒してくれるセラピーロボットだ。
 
デスクワークや読書中などにぼんやり撫でているだけでも、なんとなく気持ちが落ち着く。
稼働頻度にもよるが、4時間の充電で8時間使用できる

呼びかけや音に反応! よりリアルで小動物っぽくなった

 Petit Qooboの魅力はなんと言っても、撫でると動物のようにしっぽを振って反応する点。パターンは3種類。優しく撫でるとふわふわとしっぽを振るほか、たくさん撫でたり抱き上げたりするとブンブンとしっぽを振って応えてくれる。撫でていないときに気まぐれにしっぽを動かすのもパターンの一つだ。

 日本福祉大学や日本医学大学などが共同で行った調査によると、このしっぽの動きは利用者のポジティブな反応を引き起こす効果があるそう。介護現場でも高い癒し効果を発揮し、発語や撫でる、ほかの人に「撫でてみて」と参加を促すなどの肯定的なアクションを起こす高齢者が多かったという。
 
表情や鳴き声がない分、どんな気持ちでしっぽを振っているのかを自由に想像できる

 前作のQooboと同様に鳴き声を発したり言葉を理解したりするわけではないが、新機能として音に反応するようになった。声をかけるとしっぽをぴょこんと立てて反応する場合があるほか、大きな音に対してしっぽをブルブルっと震わせ、びっくりしたような仕草をする。Qooboがマイペースで猫のようなのに比べ、Petit Qooboはどこか幼い小動物のようだ。

手触りが気になったらブラッシングしよう

 毎日撫でていると、毛がゴワゴワしているように感じることもある。そんなときは、目の細かいクシやベビーブラシでブラッシングすればOK。どうしても汚れが気になる場合は、ぬるま湯に中性洗剤を薄く溶き、カバー単体を優しく押し洗おう。毛並みが変化する可能性もあるが、ぺたっとしてしまった毛並みもふわふわに戻る。
 
使い始めは抜け毛が多いので、気になる場合はあらかじめブラッシングしておいた方がいいだろう

 Petit Qooboは前作に比べて「生き物感」が増しており、ずっと一緒に暮らしたいなと思えた。鳴いたり動いたりといった自己主張の機能がないのも、飽きずに使い続けられる理由のひとつ。ペットを飼いたいが、様々な事情により断念したという人は、購入を検討してみてほしい。(TEKIKAKU・山崎理香子)