ダイソンが2年ぶりのLED照明、人工衛星の技術使って「光の質」を60年間キープ

新製品

2020/03/12 19:35

 ダイソンは3月12日、自然光を再現して1台で四つのシーンを演出するLED照明機器「Dyson Lightcycle Morph(ダイソン ライトサイクル モルフ)」ライトを発表した。2018年にデスクライトの「Dyson Lightcycle」から約2年ぶりのライトの新製品となる。

「Dyson Lightcycle Morph(ダイソン ライフサイクル モルフ)」ライト

 日本市場での品質部門を統括するカントリー クオリティ リード東京のジェームス・シェール氏は「人間はほかの霊長類と違って夜も人工照明で光を得るが、その光も太陽光や炎のような温かい色を好む。6つのLEDを暖色と寒色を半分ずつ使うことで色温度を2700ケルビンから6500ケルビンまで調節でき、自然光に近い光が再現できる」と語った。
 
ダイソンのカントリー クオリティ リード東京のジェームス・シェール氏

 光源近くのアームには電源ボタン以外に、バーが2本あり、指でなぞるタッチスライド操作だけで光の強弱(輝度)を100~850ルーメンまで調整したり、色温度を暖色の2700ケルビンから寒色の6500ケルビンまで直感的に調節できる。その時のシーンや時間帯、自分の気分によって自在に光を調整することができる。
 
輝度と色温度を直感的に調整して自分の好きな光に変えることができる

 利用シーンは次の四つを想定。仕事や趣味の細かい作業をするときの「タスクライト」や、壁や天井などに光を当てて空間を広く感じさせる間接照明の「インダイレクトライト」、オブジェなどアート作品を浮かび上がらせるように光を当てる「スポットライト」、マグネット式のオプティカルヘッドを支柱にドッキングさせることで支柱からオレンジ色などの温かみのある色を放つ「アビエントライト」である。
 
「タスクライト」での利用シーン
 
マグネットでドッキングして支柱内部を光らせる「アビエントライト」

 しかし、これだけ細かく調光できるようにすることで気になるのが製品寿命なのだが、Lightcycle Morphは光の質を最長60年間キープできるというから驚きだ。

 LEDの劣化や変色を避けるには放熱処理がカギになる。ダイソンはLEDを冷却する「ヒートパイプテクノロジー」を採用している。これは人工衛星で使われている技術で、真空の銅管を使って放熱する。管内にある一滴の水がLEDの熱で気化すると、銅管の全体に伝わった熱が放出される。

 放熱して銅管が冷えると再び凝縮して液体に戻る。コンプレッサーなどのエネルギを使うことなく、この毛細管現象を繰り返す冷却サイクルによって、LEDの熱によるダメージを抑えて光の質が最長60年間保たれるという。

 Dyson Lightcycle Morphは3月2日からダイソンの直営店や直販サイト、家電量販店などで販売。価格はオープンで、支柱が短いデスクライトは税別の実勢価格6万6000円前後、支柱の長いフロアライトは8万9000円前後。色はホワイトとブラックの2色。(BCN・細田 立圭志)