
組込みシステムでの技術教育・人材育成をテーマとしたETロボコン(「ET=Embedded Technology」ETソフトウェアデザインロボットコンテスト)は組込みシステム技術協会(JASA)が主催。2002年に始まり今年で18回目を数える。
デベロッパー部門は、ETロボコンの目玉で教育用レゴ・マインドストーム EV3を「走行体」として使い、あらかじめ組み込んだプログラムに従って一定のコースを走行。課題をクリアしながら合計タイムを競う。比較的やさしいプライマリークラスと難易度の高いアドバンストクラスに分かれ、熱戦を繰り広げた。

ETロボコンの特徴は、デベロッパー部門でモデル審査があること。ソフトウェアの設計図とも言うべきモデルは、ソフトウェアを見える化するために欠かせないドキュメント。アドバンストクラスで総合優勝を勝ち取るためには、走行時間の速さに加え、モデルの完成度の高さも求められる。
今回、デベロッパー部門アドバンストクラスで総合優勝したチーム、デンソルジャーは、競技で4位に終わったものの、モデル審査で最高位の「Excellent Model」を獲得するなど品質の高さを認められ、見事頂点に上り詰めた。
表彰式で感想を求められたデンソルジャーのメンバーは、「競技自体は4位で差が開いていたので、総合優勝できるとは思っていなかった。ただ、モデル評価が高かったので、トップ3には入れるのではと期待はしていた。今年の大会は、どのチームもとてもレベルが高く日本の未来は明るいと思った」と話した。

閉会式でETロボコン本部実行委員会の星光行実行委員長は、「特にアドバンストクラスのコースは難しく、2分間という限られた時間で完走できるか懸念していたが、多くのチームが完全に課題を解くのを見て驚いた。みなさんすごい。来年以降も果敢に挑戦して上位を目指して欲しい」と話し、締めくくった。(BCN・道越一郎)

ETロボコン本部実行委員会の星光行 実行委員長