「BCN AWARD 2018/BCN ITジュニア賞 2018」表彰式開催、トップ企業と若者の力の融合目指す

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2018/01/26 18:13

 BCNは1月26日、東京・港区のTKPガーデンシティ品川で、ジャンル別にIT・デジタル家電の年間販売数量No.1メーカーを表彰する「BCN AWARD 2018」の表彰式と、ITの分野ですぐれた技術をもつ生徒・学生を表彰する「BCN ITジュニア賞 2018」の表彰式を開催した。


「BCN AWARD 2018/BCN ITジュニア賞 2018」の表彰式

 BCN AWARDは、全国の家電量販店、パソコン販売店、ネットショップから収集した実売データ「BCNランキング」にもとづいて、部門(ジャンル)ごとに年間の累計販売数量が最も多かった企業を表彰する賞。19回目となる今回の対象期間は2017年1月1日~12月31日で、ハードウェア85部門、ソフトウェア32部門の計117部門・56社が受賞した。
 

「BCN AWARD」「BCN ITジュニア賞」のロゴ

 表彰式の冒頭で挨拶した道越一郎実行委員長は、スクリーンに「A&Iでイノベーションを目指せ GOAL2025」というメッセージを投影した。A&Iとは、AWARDの「A」とITジュニアの「I」をとったもの。このメッセージには、日本のトップ企業と、IT業界の未来を背負って立つことを期待された優秀な若者の才能を融合させることで、25年を目標に新たな価値を生み出したいという意味が込められている。

 また、道越実行委員長はスピーチの中で、今回から「ITジュニアの卵」となる16歳以下を表彰する「BCN ITジュニア U-16賞」を新たに創設したことを紹介。北海道・旭川で始まり、全国に広がりつつある「U-16プログラミングコンテスト」を通じて、地元の高校・高専生が小中学生にプログラミングを教えるという文化が広がっているといい、先のGOAL2025を実現するためにも、このような動きを支援していく方針を強調した。
 

道越一郎実行委員長

販売店からメーカーへトロフィーが手渡される

 BCN AWARD 2018の表彰式では56社の受賞企業が、年間販売数No.1の証となる“栄光のトロフィー”を受け取った。プレゼンターは、BCNランキングにPOSデータを提供する販売店と主催のBCNが務めた。会場中央のレッドカーペットを進み、ステージに上がった受賞企業の代表者は、プレゼンターの販売店幹部と固い握手を交わし、笑顔で記念撮影に応じていた。
 

レッドカーペットを進む受賞企業の代表者
 

プレゼンターからトロフィーを受け取り、握手を交わす

 授賞式の合間には、初受賞となる4社(ドライブレコーダー部門のコムテック、ユーティリティソフト部門のAHS、デジタルフォトフレーム部門の恵安、SIMフリースマートフォン部門のファーウェイ・ジャパン)に、道越実行委員長がインタビューし、各社の代表者が喜びを語った。
 

ファーウェイ・ジャパン デバイス事業の呉波プレジデント(左)は「受賞できて私としても感無量」と語った

4チームと個人4人を表彰、U-16プロコンの優勝者も登壇

 BCN ITジュニア賞 2018では、6チームと個人4人の計27人に賞状とトロフィーが授与された。表彰式は昨年に引き続き、受賞者所属校の生徒が司会を担当。「第17回高校生ものづくりコンテスト全国大会」の電子回路組立部門で優勝した石田有希人さんと同じ、愛媛県立松山工業高校の河野ひよりさんと大地楓さんが進行役を務めた。
 

司会を務めた愛媛県立松山工業高校の河野ひよりさんと大地楓さん

 受賞者を代表して挨拶に立った、東京都立小石川中等教育学校の小川広水さんは「今回受賞したプログラミング言語の開発中に重ねてきた努力が、報われた思い」と喜びを表すとともに、「これまで自分の技術的な興味関心でプログラミングを楽しんできたが、これからは多くの人の役に立つもの、そしていずれ人の心を動かせるものをつくれるようになりたい」と述べ、より高い目標に向かって技術を磨いていく意気込みを語った。
 

東京都立小石川中等教育学校の小川広水さん

 新設の「BCN ITジュニアU-16賞 2018」は、U-16プログラミングコンテストの北海道大会、三重大会、松山大会でそれぞれ優秀な成績を収めた、北海道旭川市立愛宕中学校の成瀬有翔さん、三重県津市立南立誠小学校の田丸皓大さん、愛媛県伊予市立港南中学校の井上晶さんの3名が受賞。賞状の授与に先立って、「若者が子どもたちにプログラミングのイロハを教え、コンテスト出場へ導く」という旭川で生まれたモデルが、北海道内、そして愛媛や三重にも伝播した動きも紹介された。
 

「BCN ITジュニアU-16賞 2018」を受賞した成瀬有翔さん(右)、井上晶さん(中)、田丸皓大さん(左)

 また「BCN ITジュニア賞」では、中国・四川省で開催されるモバイルアプリケーションの企画・開発コンテスト「Galboa(ガルボア)杯」で優秀な成績を収めた若者に「特別賞」を授与している。今年は、「商品化の可能性が高い」と評価を受けた作品を制作した、成都ソフトウェア学院の厳鵬さん、宋欣蔓さんが表彰式に招かれ、トロフィーを受け取った。
 

「BCN ITジュニア特別賞」を受賞した成都ソフトウェア学院の厳鵬さん(中央)、宋欣蔓さん(左)

 「BCN AWARD」は次回で20回目を迎える。BCNの奥田喜久男会長兼社長は、ITジュニア賞の受賞者に向けて「少し遠いかもしれないが、皆さんにも必ず20年後がやってくる」と呼びかけ、ITジュニアたちが将来のIT業界で、日本を代表するような活躍を見せることを期待した。また、北海道・愛媛・三重以外の県でもU-16プログラミングコンテストの開催に向けた動きがあることから「来年はさらに新しい“ITジュニアの卵”をこの会場にお連れすることができると思う」と話し、BCN AWARD/ITジュニアの表彰式を通じて、IT業界の発展に資する支援にさらに力を入れていく考えを示した。


■お知らせ
 BCN AWARD特設ページでは、1999年の年間データにもとづく「BCN AWARD 2000」以降の年度別受賞企業や、部門別受賞企業を紹介しています。販売台数1位の受賞企業を含め、部門ごとにシェアトップ3メーカーとその販売台数シェアを公開していますので、ぜひご覧ください。