「おいで、アイボ!」―― 平井一夫代表執行役社長兼CEOのかけ声で登場したのは、見た目も動きも愛らしいイヌ型ロボット。11月1日に開催したソニーの発表会で、約12年ぶりに「aibo(アイボ)」が復活した。12年間のブランクはaiboをどう変えたのか。新生aiboの特徴をまとめた。

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外見も中身も新たに生まれ変わったイヌ型ロボット「aibo」

 発表日は11月1日、予約開始時間は同日の午後11時1分、発売日は戌年の2018年1月11日と、まさにワンワン尽くし。平井社長は「AIにロボティクス、センシング技術を組み合わせることで、自社の強みを発揮できると考えており、複数のプロジェクトが走っている」と、現在のソニーの事業状況を説明した。

 1年半をかけて開発したペットロボットは、以前とは別物といえるほどの進化を遂げたが、名称はかつての「アイボ」を継承した。「ペットロボットを開発するなら、また『アイボ』からリスタートしたい」という思いがあった。アルファベット表記を大文字から小文字に変更することで、新旧を区分した。
 
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平井一夫代表執行役社長兼CEO

愛くるしいルックスでラストワンインチを体現

 新生aiboは「デザイン」「知的認識力」「表現力」「学習・育成能力」の4点が特徴として挙げられている。

 まずは、デザイン。2006年まで販売されていた旧AIBOのルックスは、いかにもロボットという印象が強かった。シルバーやブラックのメタリックカラーのボディが、どこかぎこちなさそうに駆動していたのを記憶している人も多いだろう。
 
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2006年まで発売されていた歴代のAIBO

 しかし、新生aiboは丸みのあるフォルムにくりくりした瞳、カーブを描く尻尾と耳、そして思わず触りたくなる肉球まで備え、可能な限り実物の“犬”に近づけたことがうかがえる。かつては単に「ペットロボット」という名称だったカテゴリも「イヌ型ペットロボット」に変更している。

 ソニーはかねてから、メーカーとユーザーの接点を重視する「ラストワンインチ」を唱えているが、aiboはまさにその考えを体現する。プロダクト責任者である川西泉AIロボティクスビジネスグループ長は「aiboはソニーで唯一自律的に人に近づき、人に寄り添うプロダクト」と語った。
 
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ソニーが提唱する「ラストワンインチ」を体現

多数のカメラ・センサで状況把握 全身で感情を表現

 知的認識力には、ソニーが長年培ってきたセンシング技術が大きく貢献している。鼻先には画像認識用の前方カメラ、尻尾の付け根にSLAMカメラ、胸元には人感センサ、頭部とアゴと背中にタッチセンサ、さらに本体に6軸(3軸ジャイロ・3軸加速度)検出センサを搭載。周囲の状況を把握し、次の行動にフィードバックする賢さを備えている。
 
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センシング技術を各パーツに搭載。前方のカメラでは人物をしっかり認識する

 反応精度と呼応して、高められているのが表現力だ。瞳には有機ELを採用し、多彩な感情を映し出せるように設計。全身にはモーションを生み出すための駆動装置として、計22軸のアクチュエーターを備え、躍動感のある動きを実現。うなづいたり、首をかしげたり、仕草のバリエーションが格段に増えている。
 
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瞳には有機EL、全身には計22軸のアクチュエーターを搭載

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