パワー倍増! ヒップ&ウエスト特化のEMS運動器「もてケア」発表会レポート

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2017/08/03 22:00

 日立マクセルは7月26日、東京・代々木上原の「restaurant NINE STORIES」でEMS運動器「もてケア」と、コードレス低周波治療器「もみケア」の新モデル体験会を開催した。


女性をターゲットにしたEMS運動器「もてケア」の新モデル

女性の悩みに注目 独自の形状とモードを搭載

 2016年11月に筋肉を刺激する電極が2極/4極の2タイプの製品をリリースした。「SIXPAD」シリーズを中心にブームになっているEMS運動器で、「もてケア」は1万円台前半の“お手頃価格”を実現。トレーニングの質を追求した“多彩なメニュー”で独自色を出し、人気を博している。

 ライフソリューション事業本部 事業企画本部 商品企画部 企画課の沢辺祐二課長によると、13年は2億円程度だった一体型(コードレス)EMS運動器の市場規模が16年には60億円まで成長。17年は新規参入メーカーの増加で100億円まで膨らむ可能性があるという。
 

ライフソリューション事業本部 事業企画本部 商品企画部 企画課の沢辺祐二課長

 新モデル開発の方向性の根拠になったのが、20~60代・女性300人に対して実施した「健康美容機器を使ってシェイプアップしたい身体の部位は?」という調査だ。「下腹部」「太もも」「二の腕」「ふくらはぎ」などは現行モデルでカバーできているが、「ウエスト」「ヒップ」といったエリアはフォローしきれていなかった。「要望の多い二つの部位を集中的にトレーニングするモデルは他社でもほとんどない。新モデルの登場で、『もてケア』は女性の悩みの80%をカバーできるようになる」と、沢辺氏は説明する。
 

「健康美容機器を使ってシェイプアップしたい身体の部位」に関するアンケートの結果

 六つの巨大電極を搭載する「MXES-H600YG」は、中央のインターフェースから4方向に長く足が伸びたデザインが特徴だ。サイズと角度を、体型データをもとに調整し、下半身をやさしく包みこむ形状にしたという。
 

7月28日に発売した「もてケア MXES-H600YG」(左)と、従来の2極モデルと4極モデル(右)

 機能も効果を重視して独自にアレンジした。鍛えたい部位を集中的に刺激するよう「3wayトレーニングモード」を搭載。6極すべてが機能してウエストとヒップを刺激するAモード、上部の4極が機能してウエストのみ刺激するBモード、下部の2極が機能してヒップのみを刺激するCモード。三つのモードを選択して使用可能だ。
 

新たに搭載した「3wayトレーニングモード」

 既存の2極・4極モデル同様、20分間のオートトレーニング内に15ステップの異なるパターンを取り入れた。EMS機器は継続的に使用すると電気刺激に筋肉が慣れてしまうが、「MXES-H600YG」は複数の周波数を使い分けることで慣れを防ぎ、常に最大限の効果を引き出せる。
 

15ステップのトレーニングメニュー

 強度調整も2極・4極モデルと同じ15段階だが、出力強度は2倍に高められている。「お尻周りは腹部より筋肉が大きい。効果的に電気を伝えるためにはより強い刺激が必要」(沢辺氏)とのこと。出力倍増に伴い、バッテリのリチウムイオン電池は60mAhから200mAhに大型化している。

 価格はオープンで、税別の実勢価格は本体とゲルパッド1セット(6枚入り)をセットにした「MXES-H600YG」が1万6800円前後、交換用ゲルパッド1セット「MXES-600GEL1P」が2980円前後、交換用ゲルパッド2セット(12枚入り)「MXES-600GEL2P」が5480円前後。

低周波治療器はより使いやすく進化

 EMS運動機器と合わせて、低周波治療器「もみケア」の新モデル「MXTS-MR200」も紹介。仕組み自体はEMS運動機器と変わらないが、トレーニング用途のEMS運動機器とは異なり、こちらは微弱な電流で筋肉をほぐし血行を促進することを目的とする。医療認可が必要である、ということも大きな違いだろう。

 「MXTS-MR200」では、従来モデルのユーザーから集めた要望を反映している。例えば、モードは従来の部位専用モードに加えて、どの部位にも最適なおまかせモードや通常15分のコースを7分に短縮したクイックモードを搭載。また、これまでカバーしていなかった足裏や腰にフィットする専用ゲルシートも用意した。
 

もみケア MXTS-MR200

 操作部も刷新した。本体の強度を調整するボタンも手の感触で分かるように、ボタンに凹凸をつけてノールックでも操作できるように変更。また、本体のリモコンでは手の届かない部位の操作がしにくいという意見を受けて、別売で、手元で操作可能にする接続ケーブルを用意した。
 

凹凸がついているボタン部(左)と別売の接続ケーブル

 発売日は8月31日。税別の実勢価格は、本体1セットが5000円前後、本体2セットが8500円前後、交換用ゲルシート(2枚入り)が2000円前後、専用ゲルシートのワイドタイプが2700円前後、スポットタイプが2000円前後、接続ケーブルは1600円前後の見込み。

「もてケア」の使用感を女性目線でレポート 男性にもおすすめ

 発表会では、健康運動指導士の田中咲百合さんとモデルの井咲アキさんが新しい「もてケア」の使用感を女性目線でレポート。田中さんは「ヒップの筋肉は鍛えやすいが元に戻りやすい」と健康運動指導士としての見解を述べ、「出かける前に使用するだけでも効果あり」とアドバイスした。
 

健康運動指導士の田中咲百合さんとモデルの井咲アキさん

 女性にターゲットを絞った製品だが、男性にもおすすめだという。下っ腹のぽっこりは脂肪ではなく内臓が落ちてくることに起因するが、「もてケア」ならその引き上げ効果が期待できる。また、背筋と腹筋のバランスを整えることで、腰痛予防にも効果があるのではないかとコメントした。

 市場に火がつき始めたのは昨年から。17年にはスマートフォン連携や女性向けに特化したEMS機器が登場し、製品のバリエーションに幅が出てきた。新規参入の余地も大きく、まだまだ成長の伸びしろはありそうだ。(BCN・大蔵 大輔)