オフラインでも地図がみられる、カシオのスマートアウトドアウオッチ

レビュー

2017/07/22 12:00

 日ごろからスマートフォンの地図に頼っていると、電波の圏外では活動しづらくなってしまう。しかし、アウトドアの名所には電波の届かない場所もある。そんな場所でも現在地を確認できるのが、カシオのスマートウオッチ「PRO TREK Smart WSD-F20」だ。今回は、4月に発売した通常モデルをベースに、高品位な外装を施した限定モデル「WSD-F20S」を使う機会を得たので、性能を試してみた。


スマートアウトドアウオッチ「WSD-F20」の限定モデル(左)と通常モデル

現在地がわかるオフライン地図を搭載、軌跡を残して思い出を振り返る

 「WSD-F20」は、防水性と耐環境性能を備えたアウトドア向けのリストデバイス「Smart Outdoor Watch」の第2弾。OSには、Android Wear 2.0を採用している。最も特徴的なのは、オフライン環境でも地図で現在地がわかる点だ。事前に行先の地図をダウンロードしておくと、スマートフォンの電波が届かない環境でも、内蔵のGPSと組み合わせて自分の位置を知ることができる。地図は、世界中の地図を提供するMapboxの地図データを使用する。
 

事前にダウンロードしておけば、スマホと接続しなくても地図で現在地を確認できる

 装着者の通った軌跡を地図に表示する新アプリ「ロケーションメモリー」は、道中で見つけた絶景ポイントや思い出を、マークで残せる。オンライン状態のスマホに接続していれば、音声入力でメモを残すこともできる。なお、スマホと接続している間は、Googleマップも表示可能だ。

 「ロケーションメモリー」は、以前使用した地図の履歴を、日付別に振り返ることもできる。さらに、「また来たい」マークを使ってメモを記録すると、事前にペアリングしたAndroidスマホが再びその地点に近づいた時、通知を受け取ったり、その地点へのナビを表示したりする機能もある。
 

実家の田植えの手伝いに行ったので、田んぼ(茶色いマーク)と車(紫色のマーク)の位置をマークしてみた

 事前にダウンロードした地図をみれば、リュックサックやバッグから紙の地図やスマホを取り出す手間が省ける。土などで多少汚れた手でも、本体側面のアプリボタンを押せば地図が確認できるので、ディスプレイを汚すこともなく非常に便利だ。モノクロの時刻表示に切り替わったときのディスプレイは明るく、太陽の下でも見やすかった。

基本性能も充実 厳しいアウトドア環境でも存分に使える

 右上にあるツールボタンからは、コンパス、高度・気圧、日の出・日の入り時刻、タイドグラフ、活動グラフなどが利用できる。真ん中の大きなホームボタンは、アプリとホーム画面の行き来に使う。右下のアプリボタンは、使用頻度の高いアプリを登録して、すぐに起動できるショートカットボタン。デフォルトでは「ロケーションメモリー」が割り当てられている。スマホと接続していれば、スマホへの通知も時計の画面で確認できる。
 

自然環境の変化や活動量をリアルタイムで表示する

 ディスプレイは1.32インチで、地図表示や計測機能、アプリを表示するカラーTFT液晶と、時刻を表示するモノクロ液晶を切り替えながら使える2層液晶などを備える。省電力に役立つ独自の仕様だ。静電容量式のタッチパネルには防汚コーティングを施している。また、ウオッチフェイスやその他のAndroid Wear用アプリはウオッチ内のGoogle Playストアから追加できる。
 

多数のウオッチフェイスを取りそろえる

 保護ベゼルやボタンガード、防水マイク、5気圧防水構造、MIL-STD-810G準拠といった、多少厳しい環境にあっても、十分に能力を発揮できる耐環境性能を持つ。重さは「WSD-F20」が約92g、「WSD-F20S」が105gと、付け心地は見た目よりも軽い印象だ。
 

通常モデル「WSD-F20」のカラーはオレンジとブラックの2色(写真はブラック)

 GPS使用時のバッテリの持ち時間は、毎秒測位とカラー常時表示をオンにして、さらに精度優先モードで使うと、6~8時間。6分間隔測位モードにしてオートカラー表示をオフにすれば、2日間使い続けられる。税別の実勢価格は、通常モデルの「WSD-F20」(ブラック、オレンジ)が5万円前後、限定モデル「WSD-F20S」が8万円前後。限定モデルは、全世界で限定500個を販売するが、すでに品薄状態だという。