大企業からSOHOまでが使う電話帳データベース 電話番号から住所を自動入力

レビュー

2014/02/28 17:36

 電話番号の10桁の数字を入れると、県名や市町村名を自動入力する自動住所入力システム。インターネットを利用した通信販売やウェブアンケートなどの住所入力の際に使ったことがある方は多いだろう。この自動住所入力システムを、より使いやすくして提供しているのが、日本ソフト販売だ。

 便利な自動住所入力システムだが、恩恵を受けるのはインターネットで住所を入力する人だけではない。例えば、カーナビゲーション。初めて訪ねる友人の家、おいしいと評判の飲食店などの電話番号を入力すると所在地を表示し、ルートを案内する。ここにも電話番号から住所を導き出す自動住所入力システムが使われている。

 郵便番号から住所の一部を導き出す入力システムは数多くあるが、電話番号から住所を導き出す日本ソフト販売のシステムは使い勝手がよく、カーナビゲーションに加えて顧客管理システム、通信販売の受注センター、マップソフトなど、さまざまな検索システムが採用している。

 日本ソフト販売は、自動住所入力システムのもととなる電話番号や住所などのデータを、公開情報の電話帳から抽出している。いわば電話帳のデジタル版だ。電話帳はエリアごとに発行しているうえ、発行時期もまちまちだが、日本ソフト販売は、新しい電話帳が出るたびに情報を更新しているので、常に最新の情報を利用できる。

手間や経費の節約に 自動住所入力システムの意外な使い方



 日本ソフト販売は、この電話帳のデータベースを使ったソリューションを展開している。いくつかあるソリューション・製品のなかの中核が、「Bellemax(ベルマクス)」。全国2400万件の個人・法人の電話帳データを利用できるデータベースだ。

「Bellemax」

「Bellemax」のロゴ

 これは、さまざまなシステムにデータベースを組み込むサービス。例えば物流センターの場合、伝票発行システムに組み込んで、配送先の電話番号を入力すると、住所・名前が自動で入力される。オペレータの入力負荷を軽減するだけではなく、入力ミスによるトラブル軽減にも貢献する。また、局番辞書、郵便番号辞書、住所辞書、氏名辞書を収録しているので、情報源となる電話帳に掲載されていない場合でも、局番や郵便番号から近しい住所や氏名、電話番号などを表示。これで入力がスムーズになる。

電話番号から住所、氏名などを表示する(イメージ)

電話番号から住所、氏名などを表示する(イメージ)

 ユーザーに近いところでは、コールセンターがある。受注受付システムに「Bellemax」を入れると、顧客からの着信と同時に、画面に電話番号・名前・住所などの情報を表示。顧客情報を確認しながら受け答えができる。

 通信販売業者の事例では、手動で入力していた頃は顧客情報の重複登録で、ダイレクトメールを二重に発送してしまうことがあったが、現在は「Bellemax」によって重複登録を防いでいる。すでに登録した顧客情報の重複もチェックできるので、さらに発送費を削減できた。

 データベースだけでなく、CTI(電話とコンピュータシステムを統合する技術)やデジタル地図、GPSなどの最新技術と連携したソリューションを提供。もちろん、小売店向けの低価格サービスも提供している。

電話番号からデジタル地図を表示(イメージ)

電話番号からデジタル地図を表示(イメージ)

 最近は、地元の特産物をインターネットで販売する農家や、ネットショップを開業する小売店・個人が、自動住所入力システムなどを入れる例が多いという。少ないスタッフで円滑に発送業務を進めたいとき、強い味方になってくれそうだ。(BCN・山下彰子)