iPodが週次首位を奪還、新製品で58%のシェア獲得しウォークマンを突き放す

特集

2009/09/15 11:41

 アップルの携帯オーディオプレーヤー「iPod」が、3週ぶりにソニーのウォークマンを抜き、1週間の販売台数シェアでトップの座に返り咲いた。9月第1週(9月7日-13日)の「BCNランキング」で集計したところ、アップルが58.0%、ソニーが32.1%と、実に25.9ポイントの大差をつけて首位を奪還した。

 09年8月第4週(8月24日-30日)の週次シェアでは、ソニーの43.0%に対しアップルは42.1%と、新製品発売直前ということもあり242週ぶりに首位を逃した。さらに翌週(8月31日-9月6日)は、ソニーが47.4%、アップルが37.1%と10.3ポイントと両社の差は拡大していた。しかしソニーの首位はここまで。アップルが9月10日(米時間の9日)、ビデオカメラ搭載したiPod nanoを始めとするiPodシリーズの新製品を発売すると、両社のシェアは再び逆転した。


 今回アップルが発売した新しいiPod nanoは、ビデオ撮影機能に加え、FMラジオ、歩数計、ボイスレコーダーなどを新たに搭載し、機能を強化。iPod shuffleはカラーバリエーションを増やした。iPod touchは64GBの大容量モデルを追加、32GBモデルとともに高速化。シリーズ唯一のHDDタイプのiPod classicは容量を160GBに拡大し、いずれのモデルも価格を引き下げた。

アップルが9月10日に発売した新製品。
iPod nano(左上)、iPod shuffle(右上)、iPod touch(左下)、iPod classic(右下)

 こうした新製品効果は大きく、9月第1週でカラーバリエーションを合算したシリーズ別販売台数シェアでは、新iPodが携帯オーディオ全体の32.9%を占める人気ぶり。1位も新しいiPod nanoの16GBモデルが獲得、15.5%のシェアを記録した。アップルジャパンでは「新製品は高機能でありながら使いやすくお手頃な価格なのが特徴。初日から出足は好調で、売れ筋のiPod nano の16GBモデルは一部の店舗で品切れになるほど。シルバーウィークの売り上げも期待できる」(広報)としている。

 一方、ソニーも近く年末商戦に向けた新製品を発表するものと見られており、同社では「音質やデザインにさらにこだわった製品や新しい音楽の楽しみ方を提案する」(広報)としている。両社のシェア争いはさらに過熱しそうだ。(BCN・道越一郎)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで125品目を対象としています。