ライブドア、「livedoor Blog」を企業向けにASP化、導入第1号は「Pixiv」

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2009/04/21 12:19

 ライブドアは4月20日、都内で事業説明会を開催し、新規事業としてブログシステムネットワーク「Blogger Aliance」の提供を開始すると発表した。

ライブドアの出澤剛社長

 会見の冒頭には出澤剛社長が登壇し、経営状況や中期計画を報告。07年4月の分社化後、08年9月期の連結売上高は86億7600万円、営業利益7億2600万円で黒字化を達成、今期(08年10月-09年9月)は分社化当時に目標としていた年間売上高100億円を達成できる見込みだという。出澤社長は、「基礎体力作りの2年間だった」と振り返るとともに、今後の展開について、「守りから攻める体制にシフトし、3年後には売上高150億円を目指す」と意気込みを語った。


 新規事業として発表した「Blogger Aliance」は、同社ブログサービス「livedoor Blog」をASP化し、ブログ運営事業社向けに共通のプラットフォームを有償提供する「livedoor Blog ASP」と、ブログのネットワークを活用したクチコミ広告のノウハウを提供する「BR Media Partner」の2つのサービスを合わせた総称。

「livedoor Blog ASP」の概要

 「livedoor Blog ASP」は、運営事業者が「livedoor Blog」というブログの名称を表に出さずに「livedoor Blog」と同等の機能を持つサービスを展開できることが特徴。各社独自のドメインやIDがそのまま利用でき、デザインのカスタマイズなども可能。ブログポータル同士での相互リンクなど、共通プラットフォームを利用した横断的な連携も期待できる。

 また、サーバーやスパムフィルターなどインフラ面は、ライブドアのネットワーク中枢機能を一括で利用できるため、インフラコストを独自に負担することなく低価格での運営が可能。ブログ上の広告収入は運営事業者とライブドアで分配する。導入料金は1ブログ月額50円からで、別途初期費用が必要。なお、大規模な導入には月額40万円からの固定プランなども用意する。

 会見では、「livedoor Blog ASP」の導入事例として、ピクシブが運営するイラストSNS「Pixiv」で展開予定のブログサービス「Pixiv blog」を紹介。ピクシブの片桐孝憲社長は、導入理由について、「ブログのような成熟したサービスをゼロから自社開発するのはコストやリソース面でも難しいと判断した」とし、「ほぼすべてのブログサービスを全部使ってみて、『livedoor Blog』の管理画面が最も使いやすく軽かったから」と説明した。

ピクシブの片桐社長、「Pixiv blog」は4月23日スタート

 一方、「BR Media Partner」は、異業種メディアとの新たな提携事業として、ブログを核としてたクロスメディア広告商品を販売し、その収益をシェアするもの。各メディアは、自社媒体の広告に連動したモニターブロガーの募集やブロガー限定の体験イベント招待などを「Blogger Aliance」内のブログサービスで展開することが可能。ネットワーク化された複数のブログサービスが対象となるため、広範囲からの書き込みやトラックバックなどのクチコミ波及効果が期待できる。

 提携事例として、小学館の男性向け情報誌「DIME」を紹介。「DIME」は、クチコミ効果を活用したクロスメディア広告「マガブロ」を展開する。4月21日発行号の誌面では、日本HPのタッチパネルを搭載したノートPCを使用するシーンの提案を行うほか、ブログを通じて同製品の使用シーンなどの提案を行うモニターを募集する。

 また、ブログで紹介された利用シーンを集約して、誌面やウェブサイトで紹介するなどのメディアミックスを展開するという。「マガブロ」について「DIME」の宮澤明洋副編集長は、「誌面だけでの広告展開では限界がきている。ブログと雑誌が連動することで新しい広告展開が期待できる」とコメントした。

「DIME」の宮澤副編集長と展開事例

 ライブドアの佐々木大輔メディア事業部ブログビジネスユニット長は、新規事業について、「ブログ市場が拡大を続けている一方、小規模なサービスはコスト・売上のスケールメリットを追求できず苦戦している」と指摘し、同事業を活用することで、「スケールメリットの恩恵を受けることができ、ユーザーの活性化に繋がる」と説明した。また、同事業の目標について、「2011年中に100社のパートナーと20億円の売り上げを目指す」と語った。

ライブドアの佐々木大輔氏