手のひらに乗るほどの小さなプロジェクター、ここ最近でラインアップが豊富になってきた。連載「ミニプロジェクターって一体何者? レビューで見る画質と使い勝手」第1回では、主要メーカー5モデルのスペックと使用感を比較した。今回は、この中で充電式バッテリーを搭載する3モデルを試し、画質と操作性をチェックしよう。

【連載】ミニプロジェクターって一体何者? レビューで見る画質と使い勝手
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 今回使用したのは、アドテックの「MP15Aシリーズ」、オーエスの「PK101」、住友スリーエム(住友3M)の「MPro110」。いずれも画面サイズはA3でiPod touchに保存した風景写真を出力。なお、画面の写真はF値とシャッタースピード、ISOを統一し、ホワイトバランスはオートで撮影した。


スマートな縦型ボディ、カラーは2色――アドテック「MP15Aシリーズ」



 現在、ミニプロジェクターの多くが横型のデザインを採用しているが、アドテックの「MP15Aシリーズ」のボディは縦型。ちょうどタバコの箱と同じくらいのサイズだ。角が曲線でカジュアルな印象を受ける。ただ、縦型なので、そのまま置くとちょっとした振動で倒れてしまいそう。付属する三脚を使って確実に本体を固定しよう。


 電源スイッチや電源端子、AV端子、イヤホン端子、焦点調節ダイヤルは右側面にまとめて配置し、左側面にはバッテリーを搭載する。このほか、前面と背面には内部の熱を逃がすための格子、背面にはスピーカーを備える。底面は三脚穴を装備し、滑り止めにゴム製の足が2つ付いている。カラーはブラックとホワイトの2色。

 電源はバッテリーとACアダプタ両方に対応する。パッケージ内容は、プロジェクター本体のほか、バッテリー、ACアダプタ、AVケーブル、PCケーブル、携帯用のケース、三脚など。


 スクリーンに投影すると、他のモデルと比べて画面がやや青っぽく映し出された。焦点調節ダイヤルは、ピントが細かく調節できて使いやすい。駆動音は耳を本体に近づけたら少々するものの、使用中は気にならなかった。


つややかな漆黒の塗装が美しい――オーエス「PK101」



 高級感あるブラックのボディが目を引くのは、オーエスの「PK101」。09年1月に米・ラスベガスで開催された家電見本市「2009 International CES」において、優れたデザインと技術をもつ製品を表彰する「2009 Innovations Awards」のVideo Displays部門で賞を獲得。デザイン性の高さにはうなずける。サイズは携帯電話よりも少し大きいくらい。


 右側面にはAV端子と焦点調節ダイヤル、スピーカー、左側面には電源スイッチとUSB端子、底面にはバッテリーと三脚穴に加え、滑り止めにゴム製の足を3つ備える。放熱のための格子はなく、すっきりして見える。

 給電はPCのUSBポートとACアダプタに対応する。パッケージ内容は、プロジェクター本体、バッテリー2個、USBケーブル、AVケーブル、ACアダプタ、三脚アダプタなど。バッテリーが2つ付属するのはモバイル端末として便利。


 スクリーンに投影した画面は、レビューしたモデルの中で、もっとも色鮮やかにくっきりと表示された。アスペクト比は他のモデルと同様4対3だが、ややワイドに表示されるので広がりがあってよい。また、駆動音はまったく気にならなかった。難点としては、焦点調節ダイヤルがゆるくて操作しにくかったことが挙げられる。


ツートンカラーがメカニックさを演出――住友3M「MPro110」



 住友3Mの「MPro110」はシルバーとブラックのツートンカラー。宇宙船を想起させるようなメカニックな外観は、他のモデルと比べるともっともプロジェクターらしいデザインといえる。サイズは携帯電話をひとまわり大きくした程度だ。


 上面の前方に焦点調節ダイヤル、右側面に電源端子、左側面に電源スイッチ、背面にはビデオ端子とVGA端子を装備。底面にはバッテリーと三脚穴を備えるほか、レンズのある前面がやや高くなるよう足が2つ付いている。内部の放熱については、上面と底面、側面に格子を設けてある。なお、スピーカーは非搭載のため、動画は見られるものの音声は出力できない。

 給電はACアダプタ。パッケージ内容は、プロジェクター本体、バッテリー、ACアダプタ、ビデオケーブル、VGAケーブル、両側がメスのRCAアダプタなど。


 スクリーンに投影したところ、他のモデルと比べてもっとも明るく画面が表示された。使いにくかったのは、こちらも焦点調節ダイヤル。レンズの上部にダイヤルがあり、操作すると手でレンズから投射される光を遮ってしまい、画面が確認しづらい。また、電源スイッチがあまり出っ張っていないので、「カチッ」というオンとオフの感覚がつかみにくかった。


焦点調節ダイヤルの使い勝手とバッテリーの持ち時間の向上が鍵



 このように、3モデルを使ってみて感じたのは、焦点調節ダイヤルの使いやすさが重要だということ。せっかくの大画面映像も、ピントがきちんと合わせられなくては静止画や動画を楽しめなくなってしまう。

 また、モバイル端末としては駆動時間が長いとありがたい。アドテックの「MP15Aシリーズ」は40分、オーエスの「PK101」は2時間、住友3Mの「MPro110」は1時間。外出先で充電できないことを考慮すると、せめて1時間以上は駆動してほしい。

 もちろん、いずれのモデルもさらなる画質の向上を期待したい。次回、連載の最終回は、ミニプロジェクターのバッテリー非搭載の2モデルをレビューする。(BCN・井上真希子)