日通システム、PCやサーバーでも使える格安「電波時計」、受信部分離で実現

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2008/05/22 17:30

 日通システム(加村稔代表取締役)は5月22日、PCやサーバーで利用する電波時計受信装置「勤次郎JustTime」を5月30日に発売すると発表した。時刻信号を受信する部分と、PCなどに接続する部分を分離したのが特徴。両ユニットをワイヤレスで接続するため、時刻信号が届きにくい、窓から離れた場所や奥まったサーバールームなどでも「電波時計」を使った正確な時刻合わせができる。価格はオープンで、実勢価格は1セット2万6040円前後の見込み。同様の大規模システム向け製品は数百万円と高額だったが、大幅にコストダウン。年間1万セットの販売をめざす。

 時刻信号を受信するユニット「KJT?100」は単4電池2個で約3年間動作。国内の2局から送信されている時刻信号を自動受信する。1時間間隔の受信モードと強制受信モードが選択でき、受信の完了をLEDも備える。一方、PCやサーバーと接続するユニット「KJT?10」は、USBインターフェースでPCやサーバーにサーバーなどに接続。電源もUSB経由で取得する。

 両ユニットは特定省電力無線を利用してワイヤレス接続し、最大100m離れて使用可能。時刻信号を受信するユニット1台から複数の「KJT?10」に時刻信号を送ることもできる。「KJT?10」のみの実勢価格は1台1万2390円の見込み。アンテナ部を除く大きさは、両ユニットともそれぞれ高さ85×幅60×厚さ27mm。

 付属する「電波時計受信アプリケーション」を使って定期的に時刻電波を受信しPCやサーバーの時刻合わせを行うほか、受信結果をテキストファイルで保存することもできる。対応OSは、Microsoft WindowsのVista/XP Professional(SP2)/2000 Professional(SP2)/Server 2003(SP1)/2000 Server(SP2)。Linuxについても対応予定。なお、ユニット間の通信プロトコルを公開しているため、OSやハードウェアを問わず自社開発ツールにも応用できる。

 近年のコンピュータシステムでは、特に入退出管理や労務管理などで正確な時刻での運用が求められている。そのため通常は、時間補正のために、インターネットを通じてNTP(network time protocol)サーバーにアクセスするのが一般的だ。しかし、ネットワークが混雑すると誤差が大きくなったり、ファイアウォールを使用しているとNTPサーバーにアクセスできない、といった問題点があった。一方、腕時計や掛け時計などで多く利用されている「電波時計」は、正確な時刻補正ができる反面、時報局からの電波が届く窓際などの場所でしか利用できないという欠点があった。