ソフトバンクと米ニューズ・コーポレーショングループは11月7日、現在1億2500万人の会員を持つ世界最大手のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)「マイスペース」の日本語版サービスを開始すると発表。同日からベータサービスを開始した。

 ソフトバンクと米ニューズ・コーポレーショングループは11月7日、現在1億2500万人の会員を持つ世界最大手のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)「マイスペース」の日本語版サービスを開始すると発表。同日からベータサービスを開始した。


 「マイスペース」は、既存会員から招待がなくても会員登録できる自由登録制。ユーザーのページは自由にレイアウトすることが可能で、文字や画像、動画などを貼り付けることもできる。

 最大の特徴は、全世界で300万人のアーティストが登録している音楽コンテンツの充実。マドンナやU2などの人気アーティストが自ら会員となり、自分の楽曲やコンサート情報などを掲載している。アーティストが許可すれば、ユーザーが「友だち」になることもできる。

 マイスペースは、04年1月に米国でサービスを開始。現在は、米国をはじめ、英国など6か国でサービスを展開しており、今後は日本を皮切りに、アジア地域でもサービスを展開していく方針。米国などではアーティストと友だちになれる仕組みが人気となり、会員数を拡大した。

 日本語版は、ソフトバンクとニューズ・コーポレーションが折半で出資する「マイスペースジャパン」が運営する。資本金は準備金を含め約11億円。今月中旬にも正式に設立し、社長にはソフトバンクグループの香山誠氏が就任する。企業などからの広告を主な収入源とし、広告獲得策として企業の商品ページなども立ち上げる。

 また、日本語版の展開にあたっては、目玉の音楽コンテンツで人気歌手の中島美嘉さんなど、複数のアーティストが参加する見通し。なお、ユーザーが会員ページに貼り付けることができる音楽などの著作権については、「関連団体などと協議を進め、早期にユーザーが自由に利用できるようにする」(マイスペースジャパンの社長に就任する香山誠氏)としている。

 SNSでは国内で会員数が700万人前後のミクシイの独り勝ち状態が続いているが、ソフトバンクの孫正義社長は、「テキストや写真中心だったこれまでのSNSと違い、『マイスペース』は音楽や動画を自由に貼り付けることができるのが魅力。(マイスペースで)日本のSNSでナンバーワンになりたい」と国内最大手のミクシイを追撃する姿勢を示し、抱負を述べた。



 記者会見には、ニューズ・コーポレーションのルパート・マードック会長兼CEOも登場。「日本はインターネットビジネスで最も大きな市場。ソフトバンクは(ヤフーといった)グローバルなサービスをローカライズできる技術を持っており、期待している」と、日本でのサービスとソフトバンクに期待感を示した。

 今後は、SNSも手がけるグループのヤフーとの競合や携帯電話での展開が注目されるが、この点について孫社長はヤフーは広告、オークション、ショッピングなど「総合デパート」、マイスペースはSNSだけの「専門店」と説明した上で、「まだ具体的には決まっていないが、協力してお互いがWIN-WINでいけるような仕組みを考えていきたい」と述べた。また、「グーグルやその他とも協力する可能性は大いにある」と付け加えた。

 携帯電話向けサービスについては「携帯電話を問わずサービスを展開する。ただ、以前からソフトバンクの携帯用にSNSシステムを開発していた経緯があるため、ソフトバンクモバイル用のサービスが一番早くなる可能性はある」と述べた。

●著作権処理と安全策を早急にクリアできるかが今後の焦点

 「世界最大のSNS」をうたい文句に日本でのSNS参入を果たしたマイスペースだが、一方で会見では課題も見受けられた。


 他のSNSにはない特徴の一つ「ユーザーが自由の音楽をページに貼り付けられる」(孫社長)点について、サービス展開にあたっては著作権をどのようにクリアし管理していくかがポイントとなる。しかし、両社はベータ版サービスで、一部に著作権処理が行われていないと見られる楽曲が掲載されているとの指摘に対して、「問題のあるものは削除していく」(香山氏)と述べるにとどまり、具体的な著作権管理の仕組みや方法についての説明は行われなかった。

 また、SNSを利用した犯罪の防止や、子どもなどが有害なページを見ないようにする利用規制について、米国のマイスペースが14歳以下の登録を禁止し、18歳以下は検索できないようにしているのに対し、日本語版サービスでは「安全な場を提供する対策を行う」(香山氏)と述べる程度で、具体的な対策は示されなかった。会見では、子どもが大人になりすまして登録することを防止する対策についても質問が出たが、こちらも「技術を使ってできる限りのコントロールする」(孫正義・ソフトバンク社長)と述べるに留めた。

 若者世代を中心に急速に浸透しつつあるSNSだが、著作権処理や安全策の実施が早期に行わなければ、ユーザーからそっぽを向かれる可能性もある。この2点をどうクリアしていくかが、日本でのサービス開始当初の焦点となっていきそうだ。