HDD-DVDレコーダーは、内閣府の調査で世帯普及率がすでに4割を記録。普及期から買い替え期へとシフトしつつあるようだ。その一方で、「BCNランキング」3月のデータでは、地上デジタル放送(地デジ)チューナー搭載モデルが販売台数の約半数を占め、地デジ化が急速に進んでいる。そこで、特需も期待できるサッカーワールドカップを6月に控えた現在の、HDD-DVDレコーダーの売れ筋と新しい流れをまとめてみた。

 HDD-DVDレコーダーは、内閣府の調査で世帯普及率がすでに4割を記録。普及期から買い替え期へとシフトしつつあるようだ。その一方で、「BCNランキング」3月のデータでは、地上デジタル放送(地デジ)チューナー搭載モデルが販売台数の約半数を占め、地デジ化が急速に進んでいる。そこで、特需も期待できるサッカーワールドカップを6月に控えた現在の、HDD-DVDレコーダーの売れ筋と新しい流れをまとめてみた。

●もう主流? 地デジモデル

 「録って観て消すためにHDDを使い、そのなかで一部残しておきたいものだけをDVDに保存する」という利用スタイルは、DVDレコーダーの利用法としてほぼ定着してきたようだ。そのため、現在の主流はHDDを搭載したタイプ。販売台数シェアでも8割を超えている。

 そして、このところもう1つの流れが見え始めた。地デジチューナー搭載モデルだ。HDD-DVDレコーダーの販売台数ランキング上位20位中、すでに12機種が地デジ対応。販売台数シェアでもHDD-DVDレコーダー全体の47.9%と、ほぼ半数は地デジモデルになっている。


 価格も下がってきた。地デジ搭載機の平均価格は05年3月に比べて2万円以上値下がりし、10万円を切ってきた。HDD容量は160GBながら5万円台の機種も登場するなど、地デジチューナー搭載モデルは「高額」商品から「お手ごろ」な商品に変わってきた。アナログチューナー搭載モデルの平均価格が4万円台前半ということを考えると、1-2万円上乗せすれば地上デジがついてくるとなれば、ちょっと買ってみよう、という気にもなるのもうなずける。

●ランキングトップもやはり地デジモデル

 では実際の売れ筋モデルを「BCNランキング」3月の月次データで見てみよう。なお今回は、HDDを搭載したモデルのみを集計対象とした。


 販売台数シェア7.1%で1位に輝いたのは地デジチューナー搭載の東芝「RD-XD71」。2か月連続の1位となった。「RD-XD71」の一番の特徴は「W録」機能。デジタル×アナログ、アナログ×アナログなどの組み合わせでHDDに同時録画が可能で、見たい番組が重なってしまっても録り逃しを防げる。ハイビジョン映像の録画時間は最大約25時間。

 番組表機能も充実しており、アナログ放送、デジタル放送、スカパー!、CATVなどを1つの番組表画面で表示できる。数が多くてわかりにくい場合は、よく見るチャンネルだけに絞り込んで表示することも可能。このほか登録したキーワードに合う番組を自動的に録画する「お気に入り予約」や登録番組名と同一シリーズと思われる番組を再放送と重なることなく録画する「シリーズ予約」など多彩な機能を備える。

 2位はシェア5.9%で松下の「DMR-EH73V-S」がランクインした。地デジモデルではないが、VHSを搭載した3in1タイプ。VHSからDVDへ、HDDからVHSへなどダビングがワンタッチなのが特徴だ。SDカードスロットも搭載し、デジカメやデジタルビデオカメラで撮った静止画、動画を再生、録画することもできる。

 また、リモコンの番組表示ボタンを押すと、電源オフの状態からでもわずか1秒で番組表を表示できる「1秒番組表表示」機能も搭載。朝、遅刻しそうな時でも、観たい番組の録画予約がすばやくできる。さらに「野球延長機能」や「番組追従機能」を搭載し、野球中継が延長したり、最終回などのスペシャル版などで放送時間が拡大したりしても目当ての番組をしっかり最後まで録画できる。

 シェア4.8%で3位となったのは、松下の地デジモデル「DMR-EX100-S」。PEAKSプロセッサとディーガエンジンIIを搭載し、DVDに録画したデジタル放送の番組や市販DVDソフトをハイビジョンに迫る画質で再生することができる。

 デジタル機器に弱い人でも安心な「かんたん音声設置ガイド」を搭載。デジタル放送を受信・録画する際のわかりにくいチャンネル設定やB-CASテストなどの各種初期設定を、音声と画面でわかりやすく案内する。テレビ番組ガイドはなじみの深い新聞のテレビ欄風。DVDレコーダー初心者でも違和感なく番組検索や録画予約ができる。


●やっと出てきたHDD増設対応モデル、他社は追随するか?

 シェア3.3%で11位の東芝「RD-XD91」は、1位の「RD-XD71」の上位機種。基本的な機能は「RD-XD71」と同じだがHDD容量が400GBと倍。ハイビジョン番組でも最大約52時間録画できる。05年11月の発売だが、このところ値段もだいぶこなれてきたようだ。


 16位はパイオニアの「DVR-DT70」で、シェアは2.4%。地デジチューナー搭載モデルで、HDDに録画したハイビジョン放送を2層DVD-Rに高画質モードでダビングできる。また、デジタル放送とアナログ放送を同時に録画しながらHDDに録画した番組やDVDを再生できるのも特徴。

 キーワードからの自動録画機能も搭載するが、約22万語の関連語辞書を持ち、キーワードを入力するとキーワードの関連語、同義語、連想語を検索して、関連する番組を自動で録画することもできる。

 発売前だったため3月のランキングには登場しなかったが、4月発売の注目モデルがある。パイオニアの「HDDが増設できるDVDレコーダー」だ。3モデル発売したが、06年4月第3週(4月17日-23日)の週次データでは、そのうち「DVR-540H」が台数シェア1.2%で27位という立ち上がりだ。

 「DVR-540H」はHDD容量160GBのHDD-DVDレコーダーで、アナログチューナー搭載モデル。6月に発売する増設用HDD「HDD-S250」(実勢価格は2万7000円前後の見込み)を接続するとHDD容量が250GB増える。内蔵HDDから増設HDDに番組を移し替えることはもちろん、増設HDDに直接番組を録画することも可能。

 パイオニアでは、「番組をDVDに移し替えて残すユーザーもいるが、HDDに録れるだけ録って、HDDが足りなくなったら消してしまうというユーザーも多い。増設用HDDは何台でも増やすことができるので、もうHDDの残り容量を気にすることなく録画できる」とアピールする。

 「もう少しHDDの容量があれば……」HDD-DVDレコーダーのユーザーなら必ずといっていいほどこんな場面に遭遇するはずだ。「大容量のレコーダーに買い替えるほどではない。しかし容量はもっと欲しい」そんなニーズは確かにあるだろう。こうした増設HDDの流れが定着するかどうかは、大いに気になるところだ。

●ハイビジョン画質にこだわるなら「待ち」、今地デジ楽しむなら「買い」

 デジタルチューナー搭載モデルの最大の魅力は、やはり美しいハイビジョン放送がそのままの画質で録画できること。しかし、気をつけなければならないのはHDDの容量。250GBクラスだと、ハイビジョン番組の録画時間はざっと30時間程度。ハイビジョン放送をそのままの画質でどんどん録画しているとあっという間にHDDは満杯になってしまうだろう。

 さらに困るのはハイビジョン画質のまま普通のDVDには保存できないということ。画質を落として保存することはできるが、本来の美しさは損なわれてしまう。映像の美しさを重視して、ハイビジョン画質のまま残しておきたいなら、ブルーレイディスクやHD DVDといった「次世代DVD」のレコーダーを使うしかない。しかし市場はまだまだこれから。あくまでも高画質にこだわるなら、まだ「待ち」だろう。しかし、地デジをとりあえず楽しみたいなら、現行機種で十分。値段もこなれてきた今、地デジモデルはそろそろ買いどきに突入、というタイミングではないだろうか?


*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など18社・約2200の店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで115品目を対象としています。