NTTなど5社、ハリポタ新作など劇場にネット配信へ、デジタルシネマ実験で

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2005/10/12 12:00



 Warner Bros. Entertainment Inc.(WBEI、バリー・マイヤー代表取締役社長)など5社は、次世代の映画上映方式である「デジタルシネマ」の共同トライアル「4K Pure Cinema」を、10月22日から06年8月31日までの間、実施すると発表した。配給から興行までのサービスモデルの確立や技術検証を目的としたもの。

 参加するのは、WBEIに加え、ワーナー エンターテイメント ジャパン(WEJ、ウィリアム・アイアトン代表取締役会長)、日本電信電話(NTT、和田紀夫代表取締役社長)、西日本電信電話(NTT西日本、森下俊三代表取締役社長)、東宝(高井英幸代表取締役社長)の5社。

 DCI仕様準拠のデジタルシネマを複数の商業用映画館にネットワーク配信し、継続的に常態上映するのは「世界初」。最新作品をハリウッドからネットワーク配信し、革新的な最高品質の映像を世界に先駆けて公開する。上映予定の作品は、第1弾の「ティム・バートンのコープス・ブライド」が05年10月22日から、第2弾の「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」が05年11月19日に先行上映の後、全国公開は26日から。

 DCI仕様とは、映画のデジタル化のために7大メジャースタジオが設立した業界団体であるDCI(Digital Cinema Initiatives)が、05年7月に発表したデジタルシネマの技術仕様。事実上の国際標準として本格的に普及すると予想されている。

 今回実施する共同トライアルの主な目的は、DCI仕様デジタルシネマの配給から興行までのプロセスについての総合的な評価。このため、DCI仕様で最高水準の4K規格(4,096×2,160画素、800万画素クラス)と、その4分の1の画素数の2K規格(2,048×1,080画素、200万画素クラス)の両方での上映を予定している。映像品質、運用体制、セキュリティ、ネットワーク配信や劇場運営のコスト等について、映画鑑賞者による評価も交えながら、技術や運用などの観点から幅広く実用性を検証する。

 また、日米間を高速光ファイバー実験回線でつなぎ、米カリフォルニア州ロサンゼルスにあるワーナーブラザーズから、最終的には上映場所の「VIRGIN TOHO CINEMAS 六本木ヒルズ」「シネマ メディアージュ」「TOHOシネマズ高槻」の3劇場までを結んでコンテンツ配信を行う。