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マイナンバーカードを健康保険証として利用する方法(マイナ保険証)を解説 紐づけ方法や注意点を詳しく紹介

コラム

2025/10/05 16:00

 マイナンバーカードを健康保険証として利用できる「マイナ保険証」。病院や薬局の受付でカードをかざすだけで保険資格を確認でき、転職や引っ越しの直後でもスムーズに受診できる便利な仕組みです。2025年12月には従来の紙の保険証が廃止される予定であり、今後はマイナ保険証が医療現場での標準になると見込まれています。

 とはいえ、「マイナ保険証って何?何ができるの?」「マイナ保険証に登録する方法は?」といった悩みを抱えている方も多いでしょう。
 

 そこで本記事では、マイナ保険証の概要や登録方法、実際の使い方や利用するうえでの注意点までをわかりやすく解説します。紙の保険証からマイナ保険証へスムーズに切り替えるためにも、ぜひ最後まで参考にしてください。

マイナンバーカードとは?


 マイナンバーカードとは、日本に住民登録をしているすべての人に交付される顔写真付きのICカードで、行政の効率化や生活の利便性を高めるために導入されました。

 表面には氏名や住所、生年月日、性別などの基本情報が記載され、裏面には12桁のマイナンバーが記載されており、運転免許証やパスポートと同じように公的な身分証明書として利用可能です。

 また、現在では医療分野においてもマイナンバーカードを「マイナ保険証」として活用する仕組みが始まっています。事前に利用登録を行うことで、医療機関や薬局の受付でカードをかざすだけで保険資格の確認ができ、紙の保険証を持ち歩く必要はありません。

 こうした仕組みによって、転職や引っ越しで保険証の切り替え中であっても受診がスムーズに行えるようになり、利便性と安心感が高まっています。
 

マイナ保険証の概要


 マイナ保険証とは、マイナンバーカードを健康保険証として利用できる仕組みのこと。従来の紙の保険証に代わる新しい制度であり、政府が推進する「デジタル化による医療の効率化」の柱のひとつです。

 マイナ保険証を利用すると、医療機関や薬局に設置された専用端末にカードをかざすだけで本人確認と保険資格の確認を同時に行うことができます。

 現在は全国の多くの医療機関で導入が進んでおり、将来的にはほぼすべての医療機関で利用できる体制が整う予定です。
 

メリット

 マイナ保険証を利用することで、以下のようなメリットがあります。

転職や引っ越し時も安心
 保険証の切り替え手続き中でも、マイナ保険証なら最新の資格情報を自動で確認できるため、受診がスムーズに行えます。

診療の質が向上
 医師や薬剤師が、過去の特定健診情報や薬の処方履歴を確認できるため、薬の飲み合わせチェックや重複投薬の防止につながります。

高額医療費の手続きが簡単
 事前申請をしなくても、窓口での支払い額が高額療養費制度を適用した後の自己負担分に自動的に調整されます。

手続きの効率化
 本人確認などが自動化されるため、窓口業務の負担が減り、患者にとっても待ち時間の短縮が期待できます。

 このように、マイナ保険証は利便性だけでなく、安全で効率的な医療の提供にもつながる仕組みといえます。
 

紙の保険証は最大25年12月まで

 従来の紙の健康保険証は、2025年12月をもって原則廃止される予定です。つまり、今後はマイナ保険証の利用が基本となります。

 ただし、マイナ保険証を持っていない方がすぐに受診できなくなるわけではありません。代替手段として「資格確認書」が発行され、これを提示すれば従来通り医療機関を受診できます。そのため「マイナ保険証がなくて病院に行けない」といった事態にはなりません。

 また、移行期間中は医療機関側の準備状況によってマイナ保険証が使えないケースもあります。その場合は紙の保険証や資格確認書で対応することが可能です。利用者は自分の状況に応じて、マイナ保険証と資格確認書を使い分けながら安心して医療サービスを受けることができます。
 

マイナンバーカードの保険証利用登録


 ここでは、すでにマイナンバーカードを取得している人に向けて、マイナ保険証の登録方法を紹介します。

 登録方法は下記の3通りです。

1.顔認証付きカードリーダーからの登録
2.マイナポータルからの登録
3.セブン銀行ATMからの登録


 それぞれの方法について、以下で詳しく見ていきましょう。
 

1.顔認証付きカードリーダーからの登録

 最も簡単な登録方法が、「顔認証付きカードリーダーからの申請」です。

 顔認証付きカードリーダーとは、全国の医療機関や薬局に置いてある機器のことで、マイナンバーカードで受け付けする際に使用します。

 カードリーダーを使ってマイナ保険証を登録する手順は以下のとおりです。

1.カードリーダーにマイナンバーカードを置く
2.画面の指示に従って顔認証などの本人確認を行う
3.「マイナンバーカードを保険証として登録」画面で「登録する」を選択


 カードリーダーでの登録は、医療機関などに行った際に気軽にできるので、次に病院に行くタイミングで利用してみるとよいでしょう。
 

2.マイナポータルからの登録

 持っているスマートフォンがNFC読み取りに対応している機種の場合、マイナポータルのアプリやブラウザからマイナ保険証を登録することもできます。

 マイナポータルでの登録手順は、以下のとおりです。

1.スマートフォンとマイナンバーカード、カード作成時に設定した4桁の暗証番号を用意
2.マイナポータルのアプリをダウンロードし、アプリを開いてログインする
3.トップページの「健康保険証」をタップ
4.「登録」をタップして完了


 マイナポータルでの登録は自宅にいながらでも簡単に行えるので、時間があるときに登録しておくとよいでしょう。
 

3.セブン銀行ATMからの登録

 最後に、セブン銀行ATMでの登録方法を説明します。スマホがカードの読み取りに対応していなかったり、アプリの利用に慣れていなかったりする場合は、セブン銀行ATMからの登録がおすすめです。

 セブン銀行ATMでは、以下の流れでマイナ保険証を登録することができます。

1.ATM画面から「各種お手続き」を選択
2.次の画面で「マイナンバーカードの健康保険証利用の申し込み」を選択
3.利用規約を確認し、マイナンバーカードを挿入する
4.利用者証明の暗証番号(4桁)を入力する
5.マイナンバーカードが返却されて登録完了


 なお、セブン銀行ATMでは、原則24時間登録を受け付けています。仕事帰りや病院に行く前など、思い立ったときに手続きをしておくとよいでしょう。
 

マイナ保険証の使い方


 マイナ保険証は、医療機関や薬局の受付でマイナンバーカードを専用端末にかざすだけで利用できます。

 ここでは実際の受付の流れや、本人確認の仕組み、情報提供に同意した際のメリット・デメリットを詳しく解説します。
 

受付での基本的な流れ

 マイナ保険証を使った医療機関での受付の流れは以下のとおりです。


1.マイナンバーカードを準備
 窓口や受付にある「顔認証付きカードリーダー」にマイナンバーカードをかざします。

2.本人確認
 端末が顔写真と照合し、自動で本人確認を行います。顔認証がうまくいかない場合は、4桁の暗証番号(利用者証明用電子証明書の暗証番号)を入力して確認できます。

3.資格確認
 オンラインで最新の保険資格情報が読み込まれ、保険証の有効性が即座にチェックされます。紙の保険証のように「更新が遅れて使えない」といった心配はありません。

4.情報提供の同意
 必要に応じて、薬剤情報や特定健診の結果を医師に提供するかどうかを選択します。画面上で「同意する・同意しない」を選べるので、その場で判断できます。
 

マイナ保険証の暗証番号とは?

 マイナ保険証を利用する際に入力する暗証番号は、マイナンバーカード作成時に設定した4桁の番号と同じです。正式名称は「利用者証明用電子証明書の暗証番号」と呼ばれます。

 受付の際は顔認証でうまく認識されれば入力不要ですが、顔認証が難しい場合は暗証番号が必要になるため、備えて控えておくと安心です。

 なお、暗証番号を3回間違えるとロックがかかり、市区町村窓口で再設定が必要になるため注意しましょう。
 

情報提供に同意するメリットとデメリット

 医療機関でマイナ保険証を利用する際、薬剤情報や特定健診の結果などの情報提供について同意する・同意しないを選択することができます。

 ここでは、情報提供に同意するメリットとデメリットについて、見ていきましょう。

【メリット】
・医師が過去の処方薬や特定健診の情報を把握できるため、薬の飲み合わせチェックや重複投薬防止に役立つ。
・健診結果をもとに生活習慣病の早期発見・予防につながる可能性がある。
・自分が説明しきれない健康情報を医師が参照できるため、診療の効率や精度が上がる。

【デメリット】
・個人の健康情報が医療機関に共有されるため、プライバシーに不安を感じる人もいる。

 なお、同意しない場合でも診療自体は受けられるので安心してください。
 

まとめ

 マイナンバーカードを健康保険証として利用できる「マイナ保険証」は、医療の効率化や利便性を高める大きな仕組みです。

 専用端末にカードをかざすだけで保険資格の確認ができるため、転職や引っ越し直後でも安心して受診でき、過去の処方薬や健診結果を医師と共有することで診療の質向上にもつながります。

 今後はマイナ保険証が標準となるため、事前に利用登録を済ませ、自分に合った使い方を理解しておくことが大切です。

 正しい知識を持って備えておけば、安心してスムーズに活用できるようになるでしょう。