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今さら聞けない!? マイナンバーカードの基礎知識【電子証明書の更新編】

特集

2025/10/15 17:30

 マイナンバーカードの「2025年問題」がニュースでも取り上げられるようになってきましたが、いざ自分の身に降りかかるまで意識する機会は少ないもの。筆者も春に第一子を出産し、免許証更新や子どものマイナンバーカード申請などが続いた中、この夏は「電子証明書の更新通知」が到着。マイナンバーカードは持っているのに、証明書って一体?と戸惑いつつ体験した、電子証明書更新の実際をレポートします。

意外と知られていない「マイナンバーカード」2025年問題

今年から来年にかけて「電子証明書」の更新ラッシュ!

 マイナンバーカードの「2025年問題」という言葉を、最近ニュースや新聞などのメディアを通じて耳にすることが増えてきました。これは、マイナンバーカードが普及し始めた5年ほど前にカードの交付を受けた人たちの電子証明書の有効期限が一斉に切れることを指しています。

 実は筆者の家にも、この波がやってきました。今年7月、ポストに届いた1枚のハガキ。それが「電子証明書更新の案内」でした。ちょうど第一子の娘の手続き関係がひと段落し、残すは自分の運転免許証の更新だけだ!と思っていた時期。正直「え、また手続き!?」と頭を抱えました。

 さらに驚いたのは、そのタイミングにTVCMで「電子証明書更新のお知らせ」を目にしたこと。まさか自分が先に体験するとは思っておらず、完全に寝耳に水の出来事でした。
 
TVCMでも有効期限到達前に
「電子証明書の更新」「マイナンバーカードの更新」を呼び掛けている

そもそも「マイナンバーカードの電子証明書」とは?


 マイナンバーカードはすでに持っているのに、「電子証明書の更新」と言われてもピンと来ませんよね。筆者も同じでした。

 通知を受け取り、自分のマイナンバーカードを確認すると、「電子証明書有効期限」と手書きで書かれた日付があるのを発見。「あれ、こんなのあったっけ?」と、改めてじっくり調べてみることに。

 電子証明書は、マイナンバーカードの“本体機能”ともいえる存在で、大きく2種類あることがわかりました。

・署名用電子証明書(英数字6~16文字の暗証番号)
……行政手続きやオンライン契約で本人確認を行う際に必要。e-Taxなどで使うのがこちら

・利用者証明用電子証明書(数字4桁の暗証番号)
……「マイナポータル」へのログインやコンビニ交付サービスを利用する際に使用

 つまり、カードそのものはただの“入れ物”で、実際にデジタルで「本人ですよ」と証明する役割は、この電子証明書が担っているのだそう。ここが切れると、カード自体は身分証として使えても、肝心のオンライン手続きに使えなくなってしまうのです。
 
「マイナ保険証」を利用していると、保険証としてマイナンバーカードを
利用した際にも、電子証明書の有効期限が迫っていると通知してくれる

電子証明書なのに「更新は役所へ」!?

 電子証明書という名前からして、更新はスマートフォンやPCからできるものだと思いませんか? 筆者もそう期待していました。ですが実際には、更新手続きはオンライン不可。役所の窓口へ足を運ぶ必要があります。

 ここでもまた、小さな子どもを抱えて外出する羽目に。ベビーカーを押しながら役場に向かう途中、「なんでデジタル証明書なのに、手続きは窓口なんだ」とぼやきつつも到着。番号札を取って待つことしばし、窓口でのやりとりが始まりました。

 まず確認されるのは2種類の暗証番号。ところが、これをすっかり忘れていました。いや、正直に言うと「設定した記憶すらない…」。すると窓口の担当者から「おそらく未設定だった可能性がありますね」とのこと。結局、その場で再設定という流れに。マイナンバーカードの心臓部である電子証明書の存在を知らないのだから、それに必要な暗証番号があることもまったくわかっておらず、窓口にきてその存在を知ったほどです。

 署名用は英数字6~16文字で設定が必要です。正直、使用頻度はまだ低いため、窓口で再設定する際、覚えやすさと安全性のバランスを取るのに地味に悩みました。一方、利用者証明用は4桁の数字でOKなのであまり迷いませんでした。ただし、自身や家族の誕生日や電話番号など安易な組み合わせは避けるようにアドバイスを受けました。

 更新手続き自体は10分ほどで完了。想像よりはスムーズでしたが、「事前にきちんと知ってから対応すべきだった」というのが、個人的な反省となりました。
 

2025年、電子証明書更新ラッシュの年に

 マイナンバーカードは「カード自体の有効期限」と「電子証明書の有効期限」が別に設定されています。特に電子証明書は発行から5年が基本のため、普及初期にカードを受け取った人たちが2025年に一斉に更新時期を迎えるのです。
 
マイナンバーカード保有状況(総務省作成)

 期限の2か月から3か月前を目途に送付される「有効期限通知書」が届けば、有効期限切れになる前に更新できますが、届くタイミングは地域差があるそう。自分のカード裏面に書かれている期限を一度確認しておくことを強くおすすめします。

 またマイナンバーカードは、健康保険証との一体化に続き、今年3月から運転免許証とも一体化できるようになりました(マイナンバーカードへの運転免許証の紐づけは任意)。確定申告をはじめ、各種オンライン申請・手続き時にもマイナンバーカードは必須。マイナンバーカードの電子証明書(署名用電子証明書・利用者証明用電子証明書)は、便利に暮らすうえで、ますます欠かせない存在になっていきます。カード本体や電子証明書の更新を怠ると「いざ必要なときに使えない」という事態に直結するため、早めの準備が安心です。
 

自分だけで安心しないで!家族分もまとめてチェックを

 今回、筆者は自分の通知で初めて電子証明書の存在を“体感”しましたが、冷静に考えると子どものカードや夫のカードも同じ問題を抱えています。家族分まとめて有効期限を確認しておくことで、後々慌てることが少なくなるはず。

 2025年は電子証明書更新のピーク。まだ手元に有効期限通知書が届いていない人も、「他人事」ではありません。

 マイナンバーカードを手に取り、裏面を見てみてください。「いつの間にか切れていた!」ということにならないよう、事前にチェックしておきたいですね。


■Profile
武田千冬
 美容誌や女性ライフスタイル誌、コスメのクチコミメディアで10年以上の編集・ディレクター経験を経て、現在は美容やライフスタイル領域をメインに活動するフリーライターに。2025年春に第一子を出産し、妊娠・出産・子育てなど女性のライフステージに関連するカテゴリでも実体験をベースにコラムなどを執筆。
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