金沢から大阪・旧川口居留地へ。移築された名喫茶とは?

グルメ

2024/01/23 07:00

明治元年の大阪港開港と同時に設けられた、川口居留地。その跡地に建つ、洋風アパートの1階にその喫茶店はある。ガラスのトビラを開けると、もう何十年も前からここに存在していたかのような喫茶空間が広がる。

建物の雰囲気にマッチするガラスのトビラ、ステンドグラス、さらにカウンター後ろの青いタイルは、なんと金沢の名喫茶「禁煙室」から移築したものだ。刺繍の施された布張りのソファやテーブルももちろん、「禁煙室」から譲り受けた。それゆえの懐かしさが店全体に漂う。

喫茶店文化を後世に残す活動をする店主・山口修平さん。「禁煙室」は元々山口さんが好きだった喫茶店。その閉店を聞きつけてすぐに金沢へ飛び、家具や店内装飾などを継ぐこととなった。
 
エントランスのトビラも、「禁煙室」のものをはめ込んだ。
「禁煙室」の文字がうっすらと残っている。

コーヒーも食事も、スイーツも

ステンドグラスの光が映るテーブル席は時間を忘れて寛げる。

コーヒーは山口さんによる自家焙煎。「水鯨ブレンド」はグァテマラとブラジルをブレンド。苦みや香ばしさがありつつ、後口はすっきり。プリンやホットケーキなどのスイーツとも好相性だ。「禁煙室」で使っていたものを再現したグラスでいただくクリームソーダも是非。

モーニングに始まり、ナポリタンやオムライス、カレーなどの食事も揃い、スイーツも。朝から閉店まで、時間を選ばずに楽しめる喫茶店だ。
 
「禁煙室」と同じようにステンドグラスの光が
テーブルに映るようにしたのは山口さんのこだわり。

「水鯨」
住所/大阪府大阪市西区川口1-4-19

※こちらの記事は、関西の食のwebマガジン「あまから手帖Online」がお届けしています。
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