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ゴキブリ対策にミントとスパイス! 古民家暮らしを快適にする「おすすめ虫対策」

暮らし

2023/08/28 18:00

【拝啓、徳島より10】 四国の小さな港町に移住して早5年。新しい土地での生活に驚くこともたくさんありましたが、暮らしを重ねるうちに段々と、いろんなことが“当たり前”に感じられるようになってきました。しかし中には、どうしても慣れないものもいくつかあります。その一つが虫との遭遇。田舎は古い家屋が多く、外からの訪問者が多いのが悩みどころ。今回は、古民家暮らしの実情と、私が実際に取り入れている虫対策について紹介します。

虫対策で植えているミント

古民家は虫に弱い

 私が住む家は1970年に建てられた平家で、築年数は53年。水回りはリノベーションされているので、年季は感じますが住んでいて不便さを感じたことは一切ありません。

 特に不満はない我が家ですが、やはり築50年以上経過した建物なので、網戸の立て付けが悪かったり、勝手口に隙間があったり、小さな綻びがあるのは事実。気がつくと家の中をカメムシや小さな蛾が飛んでいるのは日常茶飯事です。

 我が家よりさらに築年数が古い家は、壁と屋根の間に隙間があったり、玄関の扉がぴったり閉まらなかったり、だいぶ通気性がいい場合も。昔の家には断熱材や緩衝材なんて使われていないので、壁や床に穴が開いたらダイレクトに外です。もちろん虫もたくさん入ってきます。古民家は趣があって憧れる人も多いですが、虫対策は必須なのです。

 例えば、山に近い友人宅ではよくムカデが出ます。ベッドの中に潜り込んでいたり、クッションの間に隠れていたり、思いがけない場所で遭遇するケースが多いらしく、家主は家中の穴という穴にティッシュを詰めて対策していました。

 海の目の前に住んでる別の友人宅には、たまにフナムシが現れます。動きはゴキブリそのものなので一瞬ギョッとしますが、見慣れると足の動きなどが案外かわいく感じます。叩き潰すこともなく、そっと外に逃してやるのが一般的です。
 
害虫だけでなく、セミやカブトムシも近くにたくさんいます

我慢ならないGにはミントで対抗!

 小さなカメムシや羽虫程度なら“田舎暮らしあるある”として大目に見れるのですが、やっぱり耐えられないのはゴキブリ。畑で育つ栄養たっぷりの野菜を食べているからか、まるまると肥えたお姿で堂々と家の中を闊歩する姿に、毎度肝を冷やします。

 家の隙間やエアコンの穴、風呂の排水溝などから、易々と侵入してくる彼ら。どんなに頑張っても、塞ぎきれない隙間や穴が多いのが古い一軒家暮らしの辛いところです。

 そこで始めてみたのがハーブを使った虫対策です。特にゴキブリはミントの匂いを嫌がるので、植木鉢に植えて庭に並べたり、玄関口や勝手口に置いておいたり、家の周りをミントでガードする手法です。ハッカの匂いも防虫効果があるとのことだったので、アロマにハッカの精油を垂らしてみたり、試行錯誤中です。
 
我が家のハーブたち。ミントの他、
ハッカやレモンバームも虫対策に効果的

 出現率をゼロにするのは難しいのですが、遭遇率は格段に減りました。ハーブ自体に殺虫作用はないので、あくまで予防策として活用しています。窓を開けると、心なしが爽やかな空気が入ってくる気がするのも嬉しいポイントです。

 注意点としては、ミントはとても繁殖力が強いので、絶対にプランターで育てることです。「ミントテロ」なんて言葉もあるくらい、地植えすると瞬く間に広がってしまいます。また、他の草木と一緒の鉢で育てるのもNG。他の植物がミントに駆逐されてしまうので、単体で育てることをおすすめします。
 
ハーブと一緒にいろんなものを育てていますが、
繁殖力の強いミントだけは個別の鉢植えで!

排水溝周りにはスパイス袋!

 もう一つ、私の採り入れている虫対策がスパイスの活用です。ゴキブリが嫌いな匂いと言われているクローブやクミンを、茶袋に詰めて手製のスパイス巾着を作成。キッチンの戸棚や排水溝周りに置いておきます。

 クローブやクミンシードは、市販のものをネットで注文しています。購入から2年以上経ちますが、変わらず香りを漂わせているので、中身は交換せずに置きっぱなしで使っています。ミントやハッカの方が虫除け効果は高いらしいのですが、ハーブ類とのダブルパンチでなんとかゴキブリとの遭遇を防げないかなと期待しています。

 スパイス全般が虫除けに効果があるわけではなく、逆に虫を寄せ付けてしまうスパイスもあるので注意が必要です。例えば粉状のミックススパイスやコリアンダー、カレーパウダーなどは虫が湧きやすいスパイスの代表格です。また山椒はゴキブリの大好物なので、保管の際は密閉した容器に入れて匂いが漏れないようにすることが必要なんだとか。
 
スパイス巾着。
市販のクミンシードを詰めるだけ!

寛大な心とちょっとの工夫で田舎暮らしをより楽しく!

 ちなみに、ゴキブリやムカデよりもクモが嫌いと言う人もいますが、我が家では大切な同居人としてクモは絶対に殺さないというルールを設けています。ちょこまかと壁を走る家グモや脚長クモが、家の中や外壁に張り付いているのを毎日見ますが、お互い干渉せずに暮らしています。

 以前、開いた手のひらぐらいのガッチリとしたアシダカグモが天井の隅にくっついているのを見つけて、流石に心臓が止まるかと思いました。彼らはゴキブリを食べてくれる益虫で、「軍曹」「ゴキブリハンター」の異名を持つクモとのことだったので、いつもありがとう!とお礼を言ってそのままにしていたら、いつのまにかどこかに行ってしまいました。

 古民家での生活は大変なことやびっくりすることも多々ありますが、「まぁ、こんなもんか」と寛大な心でやり過ごすことが大切です。もちろん嫌な虫とはできれば遭遇したくないので、楽しみながらできる工夫を採り入れながら、四国のエキサイティングな暮らしを引き続きエンジョイしていきたいと思います。(フリーライター・甲斐りかこ)


■Profile
甲斐りかこ
徳島在住のライター、イラストレーター。千葉県出身。オーストラリア、中南米、インド・ネパールなどの旅を経て、2018年に四国の小さな港町へ移住。地域活性化支援企業にて、行政と協力した地方創生プロジェクトの広報PR業務に従事。21年よりフリーランスとなり、全国各地の素敵なヒト・モノ・コトを取材しています。
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