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ヤマダホールディングスの2024年3月期第1四半期連結決算 家電需要の減少や住宅の完工遅れが影響し減収減益に

経営戦略

2023/08/07 19:00

 ヤマダホールディングス(以下、ヤマダHD)の2024年3月期第1四半期(以下、1Q)連結決算の売上高は3637億900万円(前年同期比3.2%減)で減収。利益面では営業利益が110億7200万円(同9.7%減)、経常利益は130億1100万円(同9.9%減)で、親会社株主に帰属する当期純利益は104億9100万円(同28.5%減)と減益だった。

ヤマダホールディングスの
2024年3月期1Qは減収減益キャプション

デンキは減収だが、住建と金融は増収に

 ヤマダHDの事業はデンキ、住建、金融、環境、その他の五つのセグメントからなる。1Qの期間はコロナ禍の反動から消費がレジャーやサービスなどに向かう傾向が強く、室内で使用する家電商品にとってはマイナスの市場環境だった。また、住宅関連ではウッドショックの影響で住宅の完成引き渡し遅れもみられた。

 外部顧客への売上高とセグメント間での内部売上や振替高を含む各セグメントの売上高を見ると、デンキは3036億1800万円で前年同期比3.7%減。住建は545億4200万円で同3.4%減、金融は9億7100万円で同58.1%増と伸長した、環境は82億3300万円で同5.7%増となり、その他は同9.1%減の63億4900万円。デンキや住建、その他は減収だったが、金融と環境は増収となった。
 
セグメント損益は連結決算での
営業利益をセグメント別に分けたもの

 連結売上高は前年同期比3.2%減の減収だったが、売上原価は売上高の減少率を上回る同3.8%減と低減。粗利益の減少は同1.9%にとどまり、粗利益率は前年の30.2%から30.6%へとアップしている。

 経費コントロールによって販管費は前年同期比1.0%減と圧縮したが、粗利益の減少が影響して営業利益は同9.7%減と減益になり、経常利益も同9.9%減とダウンした。

税引前当期純利益は2桁増だが、最終益は減益

 固定資産の売却益や退職給付制度の改定益で特別利益は大幅に増加し、特別損失は逆に減少。税金等調整前の当期純利益は前年同期より10.8%増となった。しかし、前年はグループ通算制度適用による繰延税金資産の計上や子会社グループ再編に伴う法人税等の減少があり、その影響で今期は法人税等が大幅に増加し、税金等調整後の当期純利益は同28.5%減となった。

 1Qの業績を経営指標で見ると、粗利益率は前述のとおり前年同期から0.4ポイント増の30.6%。販管費率は逆に0.6ポイント増の27.5%となった。

 営業利益率は0.2ポイントダウンの3.0%で、経常利益率は0.3ポイントダウンの3.6%。当期純利益率は1.0ポイントダウンして2.9%である。
 
販管費そのものは圧縮したが、
減収により販管費率はアップした

 第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比5.2%増の8147億円で、営業利益は同20.9%増の239億円、経常利益は同13.3%増の265億円と増収増益を予想する。しかし、当期純利益は156億円で同11.5%減と最終益は減益予想である。
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