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パナソニック、顧客と流通で次世代製品を開発する新マーケ手法「先行体験プログラム」とは

経営戦略

2022/11/16 07:00

 パナソニックは11月15日、顧客ニーズと家電量販店など流通とのプロモーション施策を次世代製品の開発に反映させる製販一体型の先行体験プログラム「Future Star Program」の概要を発表した。同プログラムの第一弾となる、無洗米と水を自動計量してスマホ操作の遠隔で炊飯できる「自動計量IH炊飯器 SR-AX1-FS」の先行体験の応募受付を開始した。体験価格は送料込みで4万6000円。

Panasonic Store Plusの「先行体験応募サイト」
 

顧客と流通を巻き込んだ製品開発

 先行体験プログラム「Future Star Program(FSP)」のプログラム品は「自動計量IH炊飯器 SR-AX1-FS」で200台限定。Panasonic Store Plusの先行体験応募サイトから申し込む。体験受付期間は11月15日~12月25日で、製品は2023年2月下旬に届く予定だ。
先行体験プログラム「Future Star Program(FSP)」の概要

 同プログラムは、発表前の製品を顧客と流通に体験してもらってマーケティングの精度を高める狙い。希望する先行体験者を約200人募り、プログラム品を試してもらい、体験前後の魅力度の変化などを検証する。またFSP通信配信で使い慣れた頃にデプスインタビューを実施し、発売時期やマーケティングの方向性を確立する。

 量産化して発売するステージに入ったら、価値に賛同する流通企業と協働する形で売り場やプロモーションを展開し、顧客に訴求していく。もっとも、FSPの対象になるプログラム品は必ずしも発売が確約されるわけではないという。
 

先行して体験できるメリットは?

 ポイントは、応募時や使用前、使用後、使い慣れた頃の各段階における複数の調査結果やサイトアクセス、応募状況からプログラム品の魅力度の変化を分析する点にあるといえる。顧客の属性別の訴求反応や調査、フリーアンサーから深掘りすることで、次世代製品に反映させるべく新しいニーズを読み解くというのだ。
各段階でプラグラム品の魅力度の変化を把握する

 先行体験者は送料込みで4万6000円を支払うわけだが、体験者が受けるメリットはなんだろうか。パナソニックでは、(1)メーカーの新たな生活提案を製品の開発段階で体験できる、(2)FSP通信で使用中の困りごとや不安を払拭できる、(3)例えば炊飯器ではアンケート後の限定品のしゃもじや無洗米など、プレゼント品の進呈がある――の三つを挙げる。
先行体験者のメリット

 もちろん、FSPはすべての新製品を対象に実施されるものではない。新規の生活体験ができたり、まったく新しいカテゴリの製品が対象になる。既存製品のマイナーチェンジ程度の体験ではないということだ。
 

新規カテゴリ創出の課題に挑戦

 第一弾となる「自動計量IH炊飯器 SR-AX1-FS」は、本体の米タンクに無洗米2kgと、水タンクに水600mlを入れることができる。米と水を自動で計量しながらスマホのアプリ「キッチンポケット」による遠隔操作で炊飯できるのは、業界初の機能となる。炊飯量は茶碗一杯の0.5合から2合まで選べるので、食べきれる分だけを炊ける。
FSP第一弾の「自動計量IH炊飯器 SR-AX1-FS」

 これまでパナソニックの炊飯器のスマホ連携機能では、予約の取り消しはできたが、米や水を計量して入れる作業が自動化されていなかったため外出先からの予約や炊飯スタートはできなかった。今回、計量を自動化することで、自分や家族の都合に合わせて、炊き上がりのタイミングを変更できる。なお、内釜は「おひつ」型のデザインを採用しているので、本体から外してそのまま食卓に運べる。
本体の「おひつ」はそのまま食卓に運べる
 
無洗米は2kg入る
 
無洗米と水を入れておけば外出先からいつでも炊飯できる

 プログラムの導入にあたっては、無洗米の種類が増え、おいしくなっているという社会的なタイミングも重要だったようだ。無洗米を少量でおいしく炊くための技術や知見も備わっていた。

 家電流通市場は白物家電の買い替えによって需要が支えられており、かつてのテレビやVHS、CDのような新規カテゴリの創出が課題となっている。パナソニックによるFSPの取り組みは、顧客と流通をも巻き込んだ新規カテゴリの創出につながるのか注目したい。(BCN・細田 立圭志)
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