• ホーム
  • トレンド
  • 電力危機で考える公共インフラからの脱却――EcoFlowパワーシステムが示唆するエネルギーを個人で生み出す未来

電力危機で考える公共インフラからの脱却――EcoFlowパワーシステムが示唆するエネルギーを個人で生み出す未来

オピニオン

2022/07/19 12:00

【木村ヒデノリのTech Magic #120】 ニーズの高まりから公共インフラの安定運用が難しくなってきている。民間サービスではあるが、KDDIの大規模な通信障害も起きたばかりだ。国土の小さい日本では均一なサービスが提供され、安定しているのが当たりまえだったが、今後そうはいかなくなるかもしれない。

 通信も大切だが、何かの際に一番困るのは電力だ。ガスや水は買いだめをして備えることが可能だが、電力は止まってしまうと多くの家庭で手立てがない。こうした現状に新たな可能性を提示するのがEcoFlowパワーシステムだ。太陽光で発電して蓄電しておく、というシステムは珍しくないが、EcoFlowパワーシステムはその完成度や実用性、高効率、コストパフォーマンスといった面で他製品を凌ぐ。EcoFlowパワーシステムはインフラに頼らない電力供給・管理を可能にするかもしれない。
 
オフグリッドでも電気のある生活を可能にするEcoFlowパワーシステム
 
従来よりも圧倒的にシンプルかつ安価なセットアップで電源システムを追加できる
 
それぞれのキットはバッテリーの個数でもバリエーションがある。最小構成の価格は57万2000円、最大構成でも220万円と他社と比較してかなり安価。コンプリートキットには最大容量のバッテリーのほか、スマート分電盤やタッチ式コントロールパネル、スマート発電機なども付属する

公共インフラに頼らない自宅が普及する可能性

 前段にも書いたように、昨今インフラのトラブルが増えている。電気に関して言えば原発や火力発電所の停止、電力自由化の弊害なども原因だが、台風など自然災害で起きることも多い。年に1、2回のことだが、復旧までに時間がかかると冷蔵庫のものが傷んだり、季節によっては室温調整ができず困ったりするだろう。さらに電気代も高騰しているとなると、いよいよ自家発電の有用性に目がいくのではないだろうか。
 
50代以上の車の買い替えでは災害を見越して
キャンピングカーが選ばれることも増えている

 これまで太陽光発電を蓄電して使うシステムは多くあったが、夜間電力を使って充電したり、電力をオフグリッドに丸ごと切り替えたりするシステムは非常に高額だった。また設置においては複雑な配線工事が必要となり、後から設置するのはかなり煩雑。発電も基本的には太陽光パネルに限られていたので災害時に電力が不足するなど、いくつかの懸念点があった。
 
省スペースでシンプルな配線が可能なデザイン、
アプリを使って直感的に使うこともできる

 これらに課題を感じたEcoFlowは今回のシステムでかなりシンプル化された接続方法と複数の充電方式を提案。これによってすでに持っているキャンピングカーなどには非常に簡単に後付けができ、バッテリーが空になってしまう心配もほぼ無くなった。自宅や山奥のコテージなどにインストールする場合も、通常のシステムに比べてかなり安価に大容量のものが導入でき、最大で11~14時間もの間電力を供給できるという。
 
48Vを採用した結果、入力・出力ともに高効率化を図ることができた

 さらにEcoFlowスマートホームパネル(リレーモジュールセット 19万8000円)と組み合わせれば停電時に20ms(0.02秒)で通常電源からオフグリッド電源に切り替わるため、照明の点滅もなく停電したことに気づかないような運用もできる。ここまで聞くだけで住宅への導入もかなり現実的だということが分かるだろう。

 普段はソーラーパネルで充電しておいて、足りなくなった時だけ電力会社の送電網から夜間に充電、災害時にはソーラーパネルと発電機から充電しつつ数日間運用、ということが可能になるわけだ。こうなると既存とインフラからいつ切り離されても問題なくなるので、大きな潮流に悩まされることが少なくなる。これからはこうした独立して電力をマネジメントできる自宅が増えていくのではないだろうか。

開発力の差が歴然、今EcoFlow製品を選ぶべき理由

 一見するとよくある電力システムに見えるが、なぜシャープオムロンパナソニックのような大手よりもEcoFlowの製品を選ぶべきなのか。それは開発に特化した社内体制とその技術力の高さが今後のさらなる成長を予感させるからだ。
 
こみいった質問にも軽快に答えてくれる
EcoFlow Tecnology Japan株式会社 代表取締役 Ben Cui氏

 そもそも2017年設立というかなり新しい会社が、長年の技術蓄積のある大手よりも優れた製品をリリースできていること自体、技術力がある証拠だ。これはEcoFlowが研究開発に力を入れ、全体のなんと40%が研究開発スタッフだという組織構成にも起因している。こういった体制は新製品をタイムリーにリリースするのに非常に重要なポイントで、まず一朝一夕で他社が真似することはできない。

 研究開発スタッフが多いとプロジェクトを同時並行して走らせることができる。当然、開発している過程で他社が先行してしまいボツになるプロジェクトもあるので、先進的な製品を常に世に出していくためにはこうした体制が不可欠なのだ。また、製品設計を全て自社内でおこなっているのも画期的な製品開発につながっている。
 
新しい企業だからこそ、バッテリーという分野に特化した組織体制が作れている

 バッテリーメーカーの多くは市販されている部品を組み合わせてオリジナルの筐体に入れて製品化していることが多く、無駄が多い仕様になっている。EcoFlowでは部品ひとつからアプリに至るまで自社内で設計しているため、課題の大部分を社内で解決できるようになっている。アップルがハードウェア、ソフトウェアの両面からの開発を行うことで優位性を保っているが、EcoFlowの体制はまさに「バッテリー界のApple」と言って差し支えないだろう。
 
急速充電と多様な充電方式が使えるのも実用性を高めているポイント。
EcoFlowの開発力があってこそなせる業だ

 こうした背景から、EcoFlowパワーシステムではソーラーパネルだけで最大4800Wの入力に対応、15kWhという約11~14時間住宅を稼働できるバッテリーをなんと3時間でフル充電できる。さらにこれらはアプリを使って細かくスケジューリング、消費ログの確認が可能なので、どういったユースケースでも最適な電力運用が可能になる。

 非常時に使えるガソリンタイプのスマート発電機も遠隔スタートすることが可能なので、実用性十分な電力管理が可能で、これらは短期間のうちにさらなる発展が期待できる。新製品や新技術だ出た際もEcoFlowパワーシステムのモジュール式構造は有効で、後から追加したり交換したりといった作業が個人でも手軽に行える。このように拡張性、発展性を考えると住宅のバッテリーシステムはEcoFlowで統一していくというのが正解なのではないだろうか。
 
ガソリンで発電できるスマート発電機では4Lのガソリンで5400Whもの電力が発電できる。
ガソリンは家庭で40Lまで制限なく保管ができるので万が一の備えとしては十分だ

エネルギーは各々で生み出して使っていく未来

 こうした機能性、価格帯の製品がでてくれば、これから住宅を建てるユーザーは十分検討の余地がある。これまで蓄電容量5.6kWhの他社製同等システムは約230万円と、EcoFlowの最大スペックシステムと同じくらいの価格だ。同価格で約3倍の蓄電容量を持ち、かつ太陽光でも短時間でフル充電が可能なこのシステムは非常に魅力的だ。供給される電力価格に翻弄されず、ある程度自己完結する住宅が建ち並ぶ未来が垣間見えた。(ROSETTA・木村ヒデノリ)


■Profile

木村ヒデノリ 
ROSETTA株式会社CEO/Art Director、スマートホームbento(ベントー)ブランドディレクター、IoTエバンジェリスト。

普段からさまざまな最新機器やガジェットを買っては仕事や生活の効率化・自動化を模索する生粋のライフハッカー。2018年には築50年の団地をホームハックして家事をほとんど自動化した未来団地「bento」をリリースして大きな反響を呼ぶ。普段は勤務する妻のかわりに、自動化した家で娘の育児と家事を担当するワーパパでもある。

【新きむら家】
https://www.youtube.com/rekimuras
記事と連動した動画でより詳しい内容、動画でしかお伝えできない部分を紹介しています。(動画配信時期は記事掲載と前後する可能性があります)

オススメの記事