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2022年上半期に売れたデジタル家電が正確に分かる! 「BCNランキング」って何?

【2022年上半期No.1発表・直前特集 #01】 ここ数年でデジタル家電業界はテレワークや巣ごもり需要で大きくトレンドが変化した。人によってはこれまで買ったことのないカテゴリーの製品を多く買い揃えたかもしれない。そんなときに気になるのが「いま売れているもの」だ。SNSで話題になったから、TVで取り上げていたからなど、さまざまな指標があるが、もっとも信頼できるのは「実際に販売された数」だ。

デジタル家電の2022年上半期No.1を7月11日に発表! 連載形式で見所を紹介していく

 「BCNランキング」は全国の家電量販店やECサイトから日次で収集したPOSデータをもとに作成されるデータベース。「実際に販売された数と金額」が正確に分かり、「売れている」の信憑性が高い。対象は約150品目にのぼり、それぞれのカテゴリーで人気のメーカーや製品を正しく知ることができる。新聞や雑誌、テレビなどのメディアでもしばしば引用されている。
 
「BCNランキング」の仕組み

 同サービスのデータ提供会社は2022年5月時点で、アマゾン ジャパン・エクスプライス、エディオン、NTTレゾナント、玉光堂、ケーズホールディングス、コジマ、サードウェーブ、サンキュー、上新電機、ストリーム、ソフマップ、ZOA、ナニワ商会、ビックカメラ、ピーシーデポコーポレーション、三星カメラ、ムラウチドットコム、ユニットコム・ラオックス、楽天グループ、綿半ドットコムの22社。実店舗とオンラインの双方で全国の幅広い販路をカバーしている。
 

 特にBCNランキングが注目を集める時期が1月と7月。カテゴリー別に上半期販売台数No.1と年間販売台数No.1のメーカー(BCN AWARD)が発表されるタイミングだ。2022年上半期にそれぞれのカテゴリー(部門)でもっとも売れたメーカーはどこなのか。今年は7月11日に112部門のNo.1が発表される予定だ。本連載では、発表直前特集として「BCNランキング」と「BCN AWARD」の歴史、2022年上半期のデジタル家電市場の見所を紹介していく。

意外と長い「BCNランキング」「BCN AWARD」の歴史

 第1回では「BCNランキング」の歴史を紹介していきたい。同サービスの開始は1998年と意外と歴史が長い。2000年にはBCNランキングをもとにデジタル家電の各部門で年間販売台数No.1メーカーを讃える「BCN AWARD」を開始。店頭や製品パッケージなどで「金のロゴ」を目にしたことのある人もいるかもしれないが、これは「前年にそのカテゴリーでもっとも売れた」という「BCN AWARD=No.1」の証だ。
 
前年で対象カテゴリーでもっとも売れたメーカーだけが「金のロゴ」を使用できる

 BCN AWARDの開始年である2000年には55部門が対象だったが、デジタル家電市場の変化に合わせて変更・分割・追加などが行われ、「BCN AWARD 2022」では110部門にまで拡大。来年1月に発表される「BCN AWARD 2023」では新たに2部門が加わることが決定している。7月11日に発表される2022年上半期No.1も、「BCN AWARD 2023」の前哨戦ということで112部門でもっとも売れたメーカーが決まることになっている。

 部門の変遷を追っていくと、デジタル家電市場のトレンドが分かるのもBCN AWARDのおもしろさだ。たとえば、デジタルカメラは2006年に「レンズ一体型部門」「レンズ交換型部門」の2部門に分離、2011年に「ミラーレス一眼部門」を追加、2012年に現在の「レンズ一体型部門」「一眼レフ部門」「ミラーレス一眼部門」の3部門になった。ノートPCでは2010年~2011年に「ネットブック」、2013年~2014年に「Ultrabook」が新設されたが、結局は2015年に元の「ノートPC部門」に集約された。カテゴリーや呼称が定着せずに短期的なトレンドで終わるのも、また歴史の1ページだ。

 近年では2015年に「液晶テレビ(4K以上)」、2016年に「アクションカメラ」「SIMフリースマートフォン」、2017年に「ドライブレコーダー」、2018年に「VR・ARゴーグル」「有機ELテレビ」などが新設部門として登場している。連載第2回では2022年上半期No.1から新たに追加される2部門、市場の変化に伴い名称が変更される1部門について深堀りしていく。(BCN・大蔵大輔)