デジタルとアナログをつなぐスマート文具が売れている

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2021/10/24 18:30

 スマートフォン(スマホ)と連携させて便利に使える文具がある。名付けてスマート文具。メモ帳やルーズリーフなど紙製品が多い。特殊な印刷を施した紙を使うものが主流だ。手書きでスケジュールなどを書き込み、スマホで撮影してデジタル化する。あらかじめ印刷された記号などを頼りに画像のゆがみを補正することができたり、情報を補足して、データとして整理しやすくしたりすることができる。システム手帳の用紙(ルーズリーフ、リフィル)や一般的な手帳、紙の書類を保管するファイル、メモやノート、専用のペンなどといった製品バリエーションがある。

このスマート文具、販売前年比では、コロナ禍もあってここしばらく前年割れベースで推移していた。しかし、コロナ禍の終息を見越してか、この8月は販売数の前年比で159.7%、販売金額で166.6%。9月は販売数で138.4%、金額で180.1%と大幅に売り上げが伸びている。9月から3月までは、手帳需要でスケジュール帳用のリフィルの売り上げが伸びるが、今年は立ち上がりが順調だ。
 

 メーカー別の販売数シェアを見ると、手帳需要に伴う季節変動が大きい。この9月、40.1%でトップのレイメイ藤井は、システム手帳「DAVINCI」のリフィルで販売を伸ばした。スマホアプリ「Refill Stocker」と連携し、スケジュール帳などに書いた内容をスマホで撮影することで、過去のリフィルを持ち歩ける。リフィルに印刷したコードでリフィルの種類や日付を認識。閲覧や検索の助けになる。
 

 販売数シェア24.3%で2位のキングジム。主力商品は「SHOT DOCS」だ。中でも売れ筋は、クリアファイル型の名刺フォルダー。同名の専用アプリを使って名刺を撮影すると撮影時のゆがみを補正して画像化。Evernoteと連携させて文字を認識し検索に利用することもできる。名刺以外にもA4の書類をファイルする製品もラインアップしている。

 シェア20.7%のぺんてるは、また一味違ったスマート文具「スマ単」シリーズを展開する。デジタル単語帳ともいえる製品だ。6行タイプと12行タイプがある。単語帳的な使い方なら、まず1行ごとに左ページに英単語、右ページに訳を書き入れる。専用アプリを使ってスマホで撮影すると、自動的に単語と訳のセットに切り離し、デジタル単語帳として利用することができる。

 手書きのメモは、どこにでも持ち運べ、すぐに書けるという機動性にあふれたシステムだ。さっと書きとめ、あとからデジタル化というのは、とてもいいアイディア。いくらでもバリエーションは広げられそうだ。アナログとデジタルを融合させた利便性をさらに追及する製品の登場を期待したい。(BCN・道越一郎)