【記者のひとこと】ついに亀の歩みを脱却?

コラム

2021/05/26 10:00

 2013年から6年ほど、ERPをはじめとする基幹系業務アプリケーション市場の取材を担当しました。取材し始めて間もなく、「今年は基幹系のクラウド化元年になる」という指摘をあちこちで聞くようになったことを覚えています。しかし実際は、“元年”がなかなか来なかった印象です。関係者が考えていたほどクラウド化は進まず、「今年こそはクラウド化元年にしたい」という願望?を毎年聞かされる結果になってしまっていたわけです。

 ただ、歩みは亀のように遅くとも基幹系システムのクラウド化は着実に広がっています。ユーザーにメリットが理解されるようになるとともに、ITベンダー側の準備や環境整備も進み、今や正真正銘「当たり前の選択肢」になったと言えるでしょう。

 新型コロナ禍の影響もあり、DXやハイブリッドワークのための基盤を改めて整備すべく、ITインフラの在り方を抜本的に見直す動きは活発化しています。これに伴い、クラウド化の流れも従来以上に加速していると言えるでしょう。基幹系システムの領域でも、クラウドが当たり前の選択肢の域を超えて多数派になる。そんな未来はもう遠くないかもしれません。(本多和幸)

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