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「#がんばれカメラ」! BCNランキングで見る2020年のカメラ販売動向

 3月3日に多く見かけた、ハッシュタグ「#頑張れNikon」「#がんばれニコン」「#Nikon頑張れ」がついたTwitterの各ツイートには、老舗カメラメーカー・ニコンへの熱い思いがうかがえた。

 このハッシュタグは、3月2日掲載のウェブ記事を受けたもので、記事内容を誤読し、ニコンが事業譲渡を検討していると解釈したツイートも散見された。現在、そうした決定事項はなく、3月9日には、フルサイズミラーレス一眼のフラッグシップモデル「ニコン Z 9」も発表された。8K動画撮影をはじめ、多彩な動画機能を備えたニコン Z 9は年内の発売を目指す。そこで今回、誤解を解くべく、家電量販店・オンラインショップの実売データを集計する「BCNランキング」から、デジタルカメラの販売動向をまとめた。

デジカメの年間販売台数 2020年はさらに落ち込む

 BCNランキングの2020年の年間データによると、ニコンは「デジタルカメラ(一眼レフ)」ではシェア44.8%で2位を獲得した。しかし、レンズ交換型デジタルカメラの7割弱を占めるミラーレス一眼に限るとシェア4.6%で6位にとどまり、いわゆる「コンパクトデジタルカメラ」を指す「デジタルカメラ(レンズ一体型)」では、前年の2位から4位にダウンした。

 コンパクトデジカメのニコンの販売台数シェアは前年の22.9%から10.5%に急落したが、エントリー製品の販売終了が影響しており、グループ全体の構造改革の一環として発表した、高付加価値モデルへのシフトが完了した格好だ。カテゴリーごとの20年の年間メーカー別販売台数1位は、デジタル一眼レフとコンパクトデジカメがキヤノン、ミラーレス一眼はソニーとなっている。
 
2020年のデジタルカメラの販売動向

 ニコンといえば、カメラメーカーというイメージが強いが、ニコンのIRサイトでは、精機事業(半導体露光装置・FPD露光装置)が売上収益の約4割を占めると紹介されている。新型コロナウイルス感染症拡大を受けた渡航制限などの影響により、これらは納入先への据付作業が進まず直近の21年3月期第3四半期は減収減益だったものの、事業環境を左右する取引企業の設備投資は堅調に推移すると見込んでいる。
 
ニコンの事業別売上収益(2016年3月期~20年3月期予想)

 オリンパスはカメラ事業を含む映像事業を投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)に譲渡し、今年1月1日、「OMデジタルソリューションズ」として新たなスタートを切った。「OM-D」「PEN」「ZUIKO」などのブランド名に変更はなく、各ブランドのサポートや製品開発を継続する。

 BCNランキングによると、20年のデジタルカメラ全体(レンズ交換型+レンズ一体型)の年間販売台数は前年比59.6%と大幅に落ち込んだ。メーカーごとにみると、主要メーカーのうち、ニコン、キヤノン、オリンパス(現OMデジタルソリューションズ)、ソニーの順で落ち込み幅が大きい。外出自粛・イベント中止などの影響を受けていずれも低調だった。
 

 ニコンの場合、精機事業と映像事業が二大柱のため、投資ファンドや他社への映像事業の譲渡は考えにくい。まさに「#がんばれニコン」、そしてカメラメーカー各社に「#がんばれカメラ」とエールを送りたい。(BCN・嵯峨野 芙美)

 *「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。

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