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課題の多いマイナンバーカード機能のスマホ搭載 「PCファースト」で方針転換を

 総務省は、11月に開始した「マイナンバーカードの機能のスマートフォン搭載等に関する検討会」について、第1回・第2回会合の配布資料一式をウェブサイトで公開している。マイナンバーカード機能とは、マイナンバーカードの内蔵ICチップをスマートフォン(スマホ)で読み取る際に必要な公的個人認証サービスを指すが、用語の理解不足から多くの誤解を招いている。

 現状のマイナンバーカードをスマホで読み取るステップをなくし、スマホのみでオンライン手続きが完結することを目指し、国際標準に準拠した「FeliCa-SEチップ」への「スマホ証明書」の搭載を検討。第2回資料には、機種変更時など、考えられる懸念点がほぼ網羅されていた。
 
マイナンバーカード機能のスマホへの搭載の前提条件

 これまでの検討過程で、今後普及が見込まれるFeliCa-SE(FeliCa-SEは、正確には、「FeliCaアプレットを搭載可能なGlobalPlatform準拠のSE」)を利用する実装方法のみ、公的個人認証サービスのスマホへの搭載が可能だと判断したと説明しているが、マイナンバーカード機能をスマホに搭載すると、機種変更が面倒になり、スマホの販売に悪影響が出ると考える。今まで一般的だった2年おきではなく、マイナンバーカードの電子証明書の有効期限と一致する「5年おき」の機種変更が最適なサイクルになるからだ。
 
想定しているユーザ操作イメージ
(マイナンバーカード機能をスマホに搭載する初期設定・サービス利用)

スマホ2台持ち前提で実装方法の再検討を

 国内における世帯普及率、個人利用率は、PCよりスマホのほうが高い。しかし、文字入力はPCの物理キーボードが最も効率が良く、「行政手続きのオンライン化」にあたり、真っ先にサポートすべきデバイスはPCだろう。現状のマイナンバーカード関連の手順の分かりにくさは「スマホファースト」のコンセプトにあり、マイナンバーカード機能(公的個人認証サービス)のスマホへの搭載もその延長のアイデア。行政手続きの利用頻度が高まる30代、40代に向けて、「PCファースト」への方針転換を求めたい。
 
主な情報通信機器の世帯普及率
(「令和元年通信利用調査」より)

 現状でも、対応ICカードリーダでマイナンバーカードを読み取り、PCのブラウザーでマイナポータルの利用や電子申請は可能だが、スマホ以上に面倒だ。タブレット端末も動作対象外となっている。ただし、確定申告のe-TAX送信は、21年1月から、専用アプリ「マイナポータルAP」対応スマホのみに加え、マイナポータルAP対応スマホとタブレット端末の組み合わせでも可能になる。

 スマホへの公的個人認証サービスの搭載はそもそも不要、PCとスマホ、タブレットとスマホ、スマホとスマホといった2台持ちを前提に、本人にしかアクセスできない別端末で認証する仕組みをマイナポータルに導入すれば、本人認証は十分ではないだろうか。
 
iPhone 12シリーズからサポートする「MagSafe」対応カードレザーウォレットや
フリップケースにマイナンバーカードを入れて携帯すれば十分なのでは?

 プラスチック製のポイントカードとポイントカードアプリを併用していると、急いでいる時、通信状況が悪い時など、利用シーンによっては、スマホアプリより、財布やカード入れからさっと出せる「カード」のほうが使いやすいと感じる。21年3月から、事前に申し込むと、医療機関に設置される顔認証付きカードリーダーで読み取り、健康保険証としても利用可能になるマイナンバーカードも同じはずだ。もともとカードにこだわって設計した以上、無理にデジタル化せず、当面は物理カードが適切だと考える。(BCN・嵯峨野 芙美)

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