今年は、喫煙者にとって変化の多い一年だ。4月に施行された「改正健康増進法」によって屋内の喫煙が原則禁止になり、長引く外出自粛によって気軽に公衆の喫煙所にも立ち寄りづらくなった。そして、10月にはたばこ税増税に伴う値上げも予定されている。

 こうした動向は、喫煙者のスタイルにも影響を及ぼしている。特に顕著なのが、加熱式たばこへの乗り換えだ。以前は吸いごたえが物足りないなどの声もあったが、最近はあらゆる点で洗練されており、満足度の高い仕上がりになっている。3大メーカーの最新モデルを試して、それぞれの特徴をあげてみた。
 
最新の加熱式たばこの特徴は? 3大メーカーの製品を試した

 今回、取り上げるのはフィリップモリスの「IQOS 3 DUO」、JTの「プルーム・エス・2.0」、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)の「glo hyper(グローハイパー)」だ。まずは、2019年9月に発売された「IQOS 3 DUO」からみていこう。

吸いごたえたっぷりの「IQOS 3 DUO」 使い勝手も改善

 日本で16年4月から本格的に発売となったIQOSシリーズは数回のモデルチェンジを経て、現在の「IQOS 3 DUO」がメインストリームになっている。税込み価格は9980円と、競合2社と比べると割高。ただ、定期的に開催しているキャンペーンを利用すれば、数千円安く購入することができる。
 
2019年9月に発売となった「IQOS 3 DUO」

 IQOS 3 DUOの充電時間は、本体が約120分、ホルダーが約1分50秒。従来と比較してホルダーの充電時間が半分になり、1回の充電で2本分のチャージができるのが最大の特徴だ(2本分充電する場合は倍の時間がかかる)。喫煙時間は約6分(14パフ)。IQOSシリーズは、チャージャーとホルダーが分離しており、充電時間に気を配らなければならないことが弱点だったが、最新モデルによってだいぶ改善された。
 
1回の充電で2回分のチャージができるなど、
不満のあったバッテリ周りが改善された

 吸い心地はフレーバーにもよるが、ずっしりと肺を満たす満足感がある。さらに吸いごたえを求めるユーザーには、最適解になるかもしれない。煙は紙巻きたばこよりも少ないが、独特のにおいが気になる人もいるかもしれない。今後のモデルでは、ぜひ吸い心地をキープしながら、においの低減を実現してほしいところだ。

加熱式たばこの長所を突き詰めた「プルーム・エス・2.0」

 JTのPloomシリーズは、18年6月に全国で販売を開始した。当初のラインアップは低温加熱式のみだったが、現在は高温加熱式を展開しており、「プルーム・エス」シリーズがこれにあたる。今回、紹介する「プルーム・エス・2.0」は、今年7月に発売されたばかりの新モデルだ。
 
今年7月に発売された「プルーム・エス・2.0」

 価格は税込み3980円。一体型になっているので使い勝手が良く、60分充電で20本分、90分充電で22本分のたばこを吸うことができる。スティックを差し込んで吸い始めることができるまでの時間は30秒。1回当たり約4分30秒の喫煙(14パフ)が可能だ。

 見た目はほとんど変わらないものの、従来機種と比べると吸えるたばこの本数が2倍、1回当たりの喫煙時間が1分伸びており、中身は大きくアップデートされている。また、プルーム・エス・2.0から搭載された独自機能「テイスト・アクセル」も魅力的。これは、急速にスティックを加熱することによって吸いごたえを強化する機能で、特にメンソールで効果を発揮する。
 
メンソール派に特に勧めたいテイスト・アクセル機能。
本体上部のライトがグリーンに点灯する

 吸い心地もしっかりしており、紙巻きたばこから移行したユーザーも満足できるはずだ。最大の長所は、競合と比べても煙やにおいが圧倒的に少ないということだ。吸っているときはもちろん、取り出した吸い殻から出る煙も最小限に抑えられており、処理しやすい。加熱式たばことしてのメリットを最大限に享受したいなら、一番の候補にあげられるだろう。

ユーザーの使い勝手にこだわった「glo hyper」

 BATのgloシリーズは、17年10月に全国で販売を開始。細いスティックを採用しているのが特徴だったが、20年4月に発売した「glo hyper」は太めのスティックに変更。紙巻きたばこユーザーであれば、より吸い慣れた感覚を楽しめる。価格は税込み3980円で、一体型になっているという点で「プルーム・エス・2.0」と同じだ。
 
今年4月に発売された「glo hyper」

 glo hyperが優れているのは、ユーザーインターフェースだ。本体デザインはスリムで手にフィットするし、充電の状況などを表面のランプで確認することができる。また、通常は約20秒加熱して約4分吸えるが、ブーストモードに切り替えると約15秒で約3分間が吸えるようになり、吸いごたえもアップする。
 
本体のランプで充電の状況などを確認できる

 実際に吸ってみると、ブーストモードはもちろん、通常モードでも満足感が十分に得られる。太いスティックになったことで吸いやすさも格段に上がった。煙やにおいも抑えられており、気になる人にはありがたい。ただ、スティックの種類を変更した都合で、専用スティックがまだ6種類と少ない。これからの拡充に期待したい。

吸いごたえはどれも一級品! 差別化ポイントをチェック

 改めて、3種類の加熱式たばこを吸ってみて実感したのは、どれも吸いごたえが一級品ということだ。加熱温度や方式の違いで細かい違いはあるものの、明らかに物足りないということはないはずだ。従って、決め手になるのは各社が磨き上げている差別化ポイントだ。

 ずっしりとした吸いごたえを重視するならIQOS 3 DUO、室内での喫煙など環境に配慮して煙やニオイの少なさやシンプルなメンソール感を重視するならプルーム・エス・2.0、デバイスとしての使いやすさやデザイン性を重視するならglo hyperといったように、自分のスタイルに合わせて選ぶといいだろう。(BCN・大蔵大輔)