4月1日に全面施行された「改正健康増進法」によって喫煙者を取り巻く環境が一変している。これまでたばこが吸えていた飲食店やパチンコ店など、従来は喫煙が許可されていた施設が一斉に原則全面禁煙になり、たばこを吸う場所を求めてさまよう喫煙難民が大量発生している。

4月1日に施行した「改正健康増進法」で喫煙環境が一変。
喫煙者の居場所はもうない?

 そもそも「改正健康増進法」とは何か。同法令は「受動喫煙の防止」を目的としたもので、多数の利用者がいる施設や旅客運送事業船舶・鉄道、飲食店などの施設で屋内の喫煙を原則禁止するものだ。小規模の飲食店(資本金が5000万円以下、客席面積が100平方メートル以下)は除くなど、一部例外もあるが、飲食店では全国で約45%が影響を受けることになる。
 
これまで喫煙が許されていた飲食店の多くも禁煙になる

 東京都に限定すると同時に「受動喫煙防止条例」も施行されているため、さらに大きな影響がある。小規模の飲食店の基準が「家族経営や従業員がいない店舗(子どもが出入りする場合は不可)」と厳しくなり、都内の飲食店は「84%」が法令の対象となる。

 まさに喫煙者に居場所なしの状況なのだが、実は最後の逃げ場として利用傾向が高まっているのが「家の中」だ。調査会社ネオマーケティングが喫煙者878人に「どこで喫煙するのが好きか」と質問したところ、トップは「喫煙できる居酒屋や飲食店(38.6%)」。そして、2位に「家庭内(換気扇付近以外のスペース)(38.0%)」がランクインしている。
 
これまで喫煙が許されていた飲食店の多くも禁煙になる

 「家庭内」の喫煙のハードルが高いのは言うまでもない。賃貸であれば壁紙にヤニがついてしまうし、家具や洋服ににおいがついてしまうという問題もある。非喫煙者の家族がいれば、部屋の中でたばこを吸われることには抵抗があるという人が大多数だろう。ベランダで喫煙するいわゆる「ホタル族」もここ最近は肩身が狭い。ご近所トラブルになるケースも珍しくないからだ。

 では、なぜ「家の中」の喫煙が増えているのか。理由はパートナーや家族の中で加熱式たばこに対する「においが少ない」というイメージが広く浸透してきたことにあるようだ。実はたばこが非喫煙者から嫌がられる原因は、副流煙や吸い殻の処理などより「におい」が大きなウエイトを占めている。裏返せば、においさえ許容されれば、室内喫煙のハードルが下がるということだ。
 
加熱式たばこは紙巻きに比べてにおいが圧倒的に少ない
(写真は低温加熱式たばこ「プルーム・テック・プラス」)

 最近では加熱式たばこの中でも特ににおいが少ない「低温加熱式」が人気を集めている。例えば、JTは高温加熱式を採用した「プルーム・エス」のほか、「プルーム・テック・プラス」「プルーム・テック」などの低温加熱式を展開している。ニオイが少ない、灰が出ない、健康懸念物質も少ない、となれば自宅での喫煙ハードルは紙巻きよりもだいぶ低い。今一度家庭での喫煙ルールを加熱式たばこを通じて見直してみてもいいかもしれない。
 
JTのプルームシリーズは高温加熱式で1モデル、低温加熱式で2モデルを展開。
ユーザーの細かいニーズに応える選択肢を用意している

 「加熱式は吸いごたえが弱い」という声もあるだろう。そうした場合は紙巻たばこあるいは高温加熱式と低温加熱式を使い分けるスタイルもありだ。外にある喫煙所で紙巻たばこを愉しみ、家の中ではにおいの少ない低温加熱式を使う。周囲の人への配慮をしつつ、満足いくたばこライフを送るなら、こうした工夫も必要になってくるだろう。

 4月以降の新しい環境は喫煙者にとって決して快適とはいえないが、適応していくよりほかにない。法令で定められているということ以上に重要なのが、非喫煙者への配慮だ。マナーを順守できなければ、喫煙者の置かれる状況はどんどん苦しいものになるということを、喫煙者である記者自身への自戒をこめて言っておきたい。(BCN・大蔵大輔)