居住用住宅の3LDKや4LDKといった表示の「LDK」は、リビング・ダイニング・キッチンを指す。今は、部屋として独立したキッチンが珍しく、リビング・ダイニング・キッチンが緩やかにつながり、食事の準備・後片付けの最中も家族の様子を見守れる対面キッチンが主流といえよう。

 新築マンションの参考プランや中古物件の間取り図を見ると、その対面キッチンの正面にバルコニーまたはテラスがあり、リビング・ダイニングが縦方向に長い「縦長リビング」タイプが多い。特に、2008年以降に竣工した7~14階建ての新築マンションは、この間取りか、「横長リビング」タイプと呼ばれる、窓のない4.5畳程度の和室または洋室のある間取りのどちらかが多い。
 
定番の「縦長リビング」の3LDKの間取り(概略図)

 より人気があるとされる、縦長リビングの場合、テレビは通常、採光面であるバルコニー・テラスに対し、直角の位置に配置し、その前にソファーと、ローテーブル(センターテーブル)を置いてくつろぐ。従来は、このテレビとソファーのあるリビングで勉強する家庭が多いといわれていたが、休校・休園に伴い、平日の日中も常に家にいるようになった子どもと一緒に、大人も在宅勤務で仕事をするとなると、最適なポジションとはいい難いだろう。
 
縦長リビングの典型的なリビング中心の配置

 ネットワーク・Wi-Fiに対応する薄型テレビ(液晶テレビ・有機ELテレビ)の場合、ケーブル直結やiOSのAirPlay、AndroidのGoogle Cast機能を利用すると、スマートフォンやタブレット端末、PCの画面をテレビに映し出せる。

 今後、在宅勤務が定着するなら、高さの低いローテーブル(センターテーブル)ではなく、ダイニングテーブルで仕事や勉強を行い、その変更にあわせて、より大きな大画面の薄型テレビをダイニングテーブルの前に設置してディスプレイ代わりに使うパターンが増えると予想する。テレビ台の買い替えや壁掛け設置工事が必要となるが、長時間のデスクワークや勉強はしやすくなる。
 
ダイニング中心の配置​​​​​​​

 思い切ってソファーを撤去し、リビングとダイニングの区切りをなくすケースも増えるのではないか。どちらにしても、動画配信やビデオの鑑賞、テレビ会議、オンライン授業に適した、49/55インチ、65インチといった大画面テレビのシェアが高まるといえよう。
 
壁寄せ可能な「WALL インテリア テレビスタンド」を展開するEQUALSの新製品「S1」は最大80型の大画面テレビに対応。ロータイプはより低く、ハイタイプはより高く、高さを調節して利用できる

 テレビを買い替えるにあたって、32型から43型、43型から60型など、サイズアップする家庭が増えていると以前からいわれていた。家電量販店・主要オンラインショップのPOSデータを集計した「BCNランキング」によれば、液晶テレビの画面サイズ帯別構成比は、昨年夏のボーナス商戦を含む19年6月で大画面40インチ以上が全体の半数以上を占め、49/55インチ(48~56インチ未満)が29.6%、40/43/45/47インチ(40~48インチ未満)が25.0%、32型(32~40インチ未満)が21.5%と、程よく大きな49/55インチが人気を集めていた。

 直近の20年4月は、49/55インチが23.2%、40/43/45/47インチが25.5%、32インチが23.2%となり、49/55インチの構成比がやや低下した。しかし、32型や32型未満の中小型サイズの液晶テレビの一部は、1人でこもって仕事ができる書斎(専用ワークスペース)を自宅に確保した層が、品薄の続く液晶ディスプレイ代わりに買い求めているとみられ、全体的な傾向としてサイズアップのニーズが高いままと考えられる。

 在宅勤務・在宅学習を効率化するためのアイデアとして、ノートPCや教科書・ドリルなどを食事の最中もそのまま置きっぱなしにできる大きめサイズのダイニングテーブルへの買い替えを提案したい。間取り自体は変えられないが、人気のカフェやスタートアップのオシャレなオフィスを参考にするなど、家具・家電の配置と家具サイズの見直しが必要ではないだろうか。(BCN・嵯峨野 芙美)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などのPOSデータを毎日収集・集計しているPOSデータベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。