スマートフォン(スマホ)決済サービス別に家電量販店の対応状況のまとめた短期連載の最終回は、非接触型電子マネーの「iD」と「QUICPay」、今年5月に参入したばかりの「ゆうちょPay」を取り上げる。それ以外の対応状況は、過去の記事を参考にしてほしい。

・PayPay、LINE Pay、メルペイ編(2019年10月24日掲載)
https://www.bcnretail.com/market/detail/20191024_142790.html
・楽天ペイ、Origami Pay編(2019年10月30日掲載)
https://www.bcnretail.com/market/detail/20191030_142928.html
・au PAY、d払い編(2019年11月3日掲載)
https://www.bcnretail.com/market/detail/20191103_143620.html

iDのキャンペーンは不運がトラウマに?


 レジ店員がコード決済するために、ユーザーがスマホ画面にバーコードやQRコードを表示させたり、逆にユーザーが店側のQRコードを読み込むためにカメラでスキャンするなどの手間がないのが、「iD」や「QUICPay」などの非接触型電子決済サービスの最大のメリットといっていいだろう。

 スマホを専用読み取り機にかざすだけで支払いが完結する使い勝手の良さから、支持するユーザーは多い。しかし、家電量販の対応状況を調べてみると、意外に対応店舗が少ないことが分かる。

 11月1日現在、iDに対応する家電量販店は、ビックカメラ、コジマ、ソフマップ、上新電機、エディオン、ヨドバシカメラ、ドスパラの7ブランドだ。
 
iD対応の家電量販店

 最近ではiDと家電量販がタイアップするキャンペーンは少なく、肉フェスやラーメン女子博、餃子フェスなど、食べ物系のイベントや、フジロックフェスティバルやサマーソニックなどのライブイベントなどで実施するケースが増えている。

 だた、過去に2018年11月16日~19年1月14日でビックカメラグループ限定の「電子マネーでお買いものキャンペーン」を実施している。
過去にはビックカメラ限定キャンペーンを実施

 電子マネーで3000円以上を決済した人から抽選で5100人に、総額1000万円分のビックカメラ、コジマ、ソフマップのポイントを付与するという内容だった。特定の家電量販だけを取り上げて実施するキャンペーンは、スマホ決済サービスの中で珍しい。ちなみに、後述するQUICPayもこのキャンペーンに参加していた。

 しかし、このキャンペーンには不運な出来事があった。18年12月に実施したPayPayの「100億円あげちゃうキャンペーン」が話題をかっさらったからだ。しかも、ビックカメラは、そのキャンペーンのまさに渦中にあった。

 ここはトラウマにならず、再び家電量販系のキャンペーンを待ち望む声は決して小さくないだろう。
 

QUICPayは12月15日まで20%還元のチャンス



 QUICPayに対応する家電量販は、エディオン、100満ボルト、ビックカメラ、コジマ、ソフマップ、ヨドバシカメラ、上新電機、PCデポの8ブランドだ。
 
QUICPay対応の家電量販店

 QUICPayの種類には、カードタイプ、モバイルタイプ、その他コイン型の3タイプがある。このうち、スマホ決済対応のモバイルタイプは、「おサイフケータイ」対応のスマホでQUICPayモバイルとGoogle Pay、Apple Payに連携している。

 ここでGoogle PayとApple Payに対応していることで、12月15日までJCBが実施している大型キャンペーン「JCBでスマホ決済!全員に20%キャッシュバックキャンペーン!」が使える。
 

 スマホにApple PayまたはGoogle Payを設定し、キャンペーンの参加登録を行った後に、QUICPay加盟店で、JCBカードを設定したApple PayやGoogle Payを利用すると、カード1枚当たり、キャンペーン期間中の利用合計金額の20%(最大1万円)をもれなくキャッシュバックするという内容だ。

 ほかにも、セゾンカード・UCカードでは、12月31日までApple Payに設定したQUICPayを初めて使った場合、エントリー不要で5%のキャッシュバック(1人当たり月1000円まで)が受けられる。

 また同じ期間でセゾンカード・UDカードのApple Payで5000円以上の買い物をすると、バルミューダのザ・トーストなど豪華アイテムが抽選でプレゼントされるキャンペーンも実施中だ。
 
セゾンカードと連携したQUICPayのキャンペーン

 最後に5月からスタートしたゆうちょPayに対応する家電量販は、ヤマダ電機、マツヤデンキ、ツクモ、ベスト電器、エディオン、100満ボルト、ケーズデンキ、上新電機、ドスパラ、ベイシア電器の10ブランドになる。
 
ゆうちょPay対応の家電量販店

 ゆうちょPayは、多くのユーザーに身近な郵便局を運営する日本郵政グループのスマホ決済サービスということもあり、都市部だけでなく郊外での利用も増えそうだ。ただ、かんぽ生命の契約不正問題で年配層などのユーザーからの信頼を損ねるなど厳しい局面にもあり、グループとして信頼回復のための地道な努力が必要になるだろう。

 ゆうちょPayは、新しいサービスということもあり、特定の家電量販を対象にしたキャンペーンを今のところ実施していない。新規登録会員獲得のためのキャンペーンに注力している。

 これまで見てきたように、家電量販のスマホ決済対応は着実に進んでいる。最近では、ポイント還元の上限金額が低く抑えられていることから、高額な家電製品よりもコンビニやスーパーなど食品や日用品の購入で使われるケースが増えているなどといわれる。

 ただ、数年に一度の買い替えで高い買い物が多い家電製品だからこそ、家電量販の独自ポイント還元や現金値引きなどに加えて、スマホ決済サービスのキャンペーンをうまく活用したい。

 また、家電量販店では、酒類や日用品、おもちゃ、スポーツ用品、アウトドア用品、書籍など家電以外の商品を幅広く扱う店舗が増えているので、そうした買い物でスマホ決済を活用するシーンも増えてくるだろう。(BCN・細田 立圭志)