街のお米屋さんに学ぶ、ご飯の「こだわり消費」

売るヒント

2017/09/13 11:00

 「先日は話題のバルミューダの炊飯器を購入したお客様が、その炊飯器に合うお米を探しに来店した」。厳選した各地の美味しいお米を地域の人に毎日精米して届けるのを売りにする東京・大田区の「三木善米店」の店主は、炊飯器に合わせて米を選ぶ消費者がいることを語る。

「米」で地域ならではの特徴を出す

 美味しいご飯を食べるために、高級IHジャー炊飯器を購入するのか、高級な炊飯器を購入したから、美味しいお米を探すのかは、まさに卵が先かのような話だが、この店では米はコーヒーのような嗜好品のように扱われていることは間違いない。

 ある郊外型の家電量販店の売り場でも、地元で収穫した米を、炊飯器購入時のポイントで得られるなど工夫している様子が見られる。地域ならではの特徴や地元から愛される店舗を演出するのに「米」は最適なアイテムなのかもしれない。
 

東京・大田区の「三木善米店」

 「すでに沖縄では新米が取れて、8月2週目にもなれば九州から新米シーズンに入っていく」と語る店主。家電量販店の秋商戦よりも早く、すでに街の米屋では商戦期に突入してるようだ。

 「有名なレストランで使われている玄米をテレビ番組で知って、同じ品種を購入しに来るお客様もいる」など、日本人のお米離れが叫ばれる一方で、お米を楽しむ顧客は着実にいる。
 

玄米をその場で精米してくれる。希望すればヌカもサービスでもらえる

 今年の炊飯器の秋商戦では、こうした多種多様なブランド米を最適に炊くことができる「炊き分け」機能が争点のひとつになっている。

 家電量販店で高級炊飯器を販売する際、ワクワクするような玄米の展示の仕方や、その場で精米してくれるイベント性など、街の米屋に学ぶべき点は多い。