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地デジ化の必須アイテム、地デジアンテナは電界強度で選ぶ!

特集

2011/07/15 20:53

 7月24日、岩手・宮城・福島の3県を除く日本全国で、地上アナログ放送が終了する。地上デジタルチューナーを搭載したテレビやレコーダー、PCなどの準備も重要だが、まずは地デジの電波を受信するアンテナを準備しなくてはならない。自宅のアンテナが地上デジタル放送に対応しているかどうかを確認しながら、まだ間に合うアンテナの選び方を紹介しよう。

Dpaや総務省はアンテナの交換を強く訴えている

地デジ化にはUHFアンテナが必須 テレビで受信可能か確認しよう



 まず、アンテナが地デジに対応しているかどうかを調べるには、地デジ対応のテレビやチューナーを接続して確認しよう。テレビリモコンの「デジタル」ボタンを押しても画面が映らない、または画面に「アナログ」マークが表示されているなら、アンテナが地デジに対応していない証拠だ。

 そもそも、地デジはUHF帯という300M~3GHzの周波数帯の電波で送信している。一方、アナログ放送はVHF帯という30MHz~300MHzの周波数帯の電波だ。地デジとアナログ放送では周波数帯が異なるので、地デジを受信するには、UHF帯の電波をキャッチすることができるUHFアンテナが必要となる。

 また、ローカル番組を受信するために、VHFアンテナに加えて一部の周波数帯だけを受信するUHFアンテナを備え付けているケースがある。UHFアンテナがあれば地デジを受信できるが、受信可能な周波数帯が限定されていると、地デジの全チャンネルを受信できない場合がある。地デジを受信することができても、全チャンネルが視聴可能かどうか、確認したほうがいい。

どこに設置するかで違ってくるアンテナの種類



 家電量販店の店頭には、さまざまな形状のアンテナが並んでいて、どれを選ぶか悩みどころだ。設置する場所でアンテナの形状は異なるので、お店に行く前にアンテナをどこに設置するかを決めておこう。

 「アンテナ」といわれて最初に思い描くのは、屋根に設置する大型の針金のようなアンテナだろう。これは八木型アンテナといって、ワイヤーなどを使って屋根に固定するタイプのアンテナだ。高性能モデルが多く、複数台のテレビに電波を分配したい人向けだ。

上から八木型アンテナ、フラット型アンテナ、卓上アンテナ

 ただし、八木型アンテナは大型で、受信角度の調整、屋根への取り付けなどには、専門的な知識がないと設置できない。また、屋根の上に登るのは危険が伴うので、素人は絶対に設置してはいけない。自ずと専門業者に頼むことになるのだが、アナログ放送の終了が目前に迫った今、設置工事が集中して着工までに時間がかかるケースがある。

 簡単に設置できるアンテナとしては、八木型アンテナに比べ小さく、軽く、薄いフラット型アンテナがある。ベランダの柵や、壁にひっかけるようにして設置することができる。また、「マスト」と呼ばれる棒を庭などに立て、その先端に取り付けるアンテナもある。

 また、机の上やテレビの横に置ける小型の卓上アンテナもある。ただ、受信感度が弱いため、卓上アンテナで電波を受信できるエリアは限られる。

アンテナ選びの極意 届く電波の強さから選ぼう



 アンテナを設置する場所が決まったら、自宅に届く電波の強さから最適な受信感度のアンテナを選ぼう。電波は、どのエリアにも一定の強さで届くわけではない。電波を送信する送信局から離れれば離れるほど、届く電波は弱くなる。送信局から遠く離れているのに受信感度の弱いアンテナを選んでしまうと、地デジを受信することができない。まずは、自宅に届く電波の強さを知ろう。

 電波の強さの目安は、「Dpa」のホームページ「放送エリアのめやす」で確認できる。日本地図から自分が住んでいるエリアを選択すると、最寄りの送信局が表示される。この送信局に近ければ、届く電波が強い「強電界エリア」、色が塗られているエリアに入っていれば「中電界エリア」だ。色が塗られているエリアの外側、もしくは外側に近いエリアは、届く電波が弱い「弱電界エリア」なので、受信感度の高いアンテナが必要になる。

社団法人 デジタル放送推進協会「Dpa」の「放送エリアのめやす」

 電界強度別にオススメのアンテナを紹介しよう。送信局近くの強電界エリアは、室内に設置する小型アンテナでも受信できる。東芝の平面アンテナ「DUA-300」は、重さ130gの小型・軽量モデル。スタンドとクリップ付きで、テレビ前への設置やノートPCの液晶部分に固定することもできる。受信感度を示すアンテナの利得は05~2.0dBと弱いので、強電界エリアでも窓際など電波をキャッチしやすい場所に設置するといい。

強電界エリア用の東芝の「DUA-300」(左)とDXアンテナの「US100A」

 DXアンテナの「US100A」は、インテリアにこだわりたい人向きのアンテナだ。メタリックボディで高級感あるデザインに仕上がっている。ブースターを内蔵し、利得は10~19dBほど。また、FMラジオを受信することもできる。

 中電界エリアでは、卓上タイプよりも大きいフラット型や、小型の八木アンテナを用意しよう。日本アンテナの「UDF80」は、室内・室外どちらでも設置することができるフラット型アンテナ。カラーはホワイトとブラックの2色で、インテリアに合わせて選択できる。利得は6.0~8.0dB。

中電界エリア用のフラット型アンテナ、日本アンテナの「UDF80」(左)とマスプロ電工の「SKY WALLIE U2SWLV」

 屋外用のマスプロ電工「SKY WALLIE U2SWLV」は、付属の取付け金具で壁面やマストなどに設置することができる。ホワイト、ブラウン、ベージュの3色から選ぶことができる。利得は5.5~8.5dB。

 届く電波が弱い弱電界エリアでは、受信感度の高い高性能モデルが必要だ。日本アンテナの「UDF100」は、厚さ6.8cmと弱電界用アンテナとして最も薄い製品。耐候性樹脂カバーを採用し、強風や大雪に強く、アンテナに雪が積もっても受信能力が低下しにくい。利得は8.0~9.3dB。

弱電界エリア用の日本アンテナ「UDF100」(左)と八木型アンテナのサン電子「SU-DA24SW」(右)

 弱い電波を受信するには、八木型アンテナも検討しよう。サン電子の「SU-DA24SW」は、デジタルだけでなくアナログも受信ができるオールチャンネル型アンテナ。素子数は20素子で、利得は7~13.5dBと感度が高い。

 フラット型や卓上型は、電波を遮るものがない、見晴らしのいい場所に設置しよう。また、電波を増幅するブースターを付けると、より安定して受信できる。受信環境をしっかり整えて、一日も早く地デジ生活を始めよう。(BCN・山下彰子)