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<Special Report>どう売る?VR市場攻略 VR普及のカギは“ゲーム以外”のニーズ

売るヒント

2016/10/28 11:00

 ゲームを前提にした売り場をつくりがちなVRだが、幅広い客層の集客効果を狙うなら異なる業界の視点も取り入れたい。

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ターゲットは女性、マスを意識した「dTV」のVR戦略

国内会員数No.1を誇る映像配信サービス「dTV」は、7月29日にスマートフォン向けアプリ「dTVVR」をリリース。ライブやミュージックビデオのVRコンテンツを配信し、VRに馴染みがなかったライトユーザーに映像視聴の新体験を提供している。

 同サービスを運営するエイベックス通信放送の村本理恵子取締役は「自社リサーチでは、VRの認知度はまだ約3割。VR押しではなく、例えば『アーティストを間近で見ることができますよ』と、お客様がイメージしやすい言葉で訴求している」と語る。
 

エイベックス通信放送の村本理恵子取締役

 8月27日~ 28日に開催された夏フェス「a-nation stadium fes.powered by dTV」では、大規模なVR体験会を実施した。
 

「a-nation stadium fes.powered by dTV」のVR体験会

 村本取締役は「注力したのは、オリジナルで制作したVRスコープです。SNSにアップしたくなるようなデザインや誰でも簡単に組み立てられる設計にすることで、女性のお客様でも抵抗感なく手に取っていただけるようにした」と、成功の秘密を語る。
 

 男性メインのゲームとは異なり、dTVのユーザーは女性が多い。したがって、普及のために重視するのは、手軽さやオシャレであることだ。「現在のVRスコープは、機械を装着している印象が強い。女性からすると、その時点で興味の対象から外れてしまう。新しい技術が普及するには、女性に受け入れても
らうことは欠かせないと考えている」。現在はまだ市場の立ち上げ時期だが、普及のフェーズでは売り場でも女性に対する目配せが必要になる。

<詳細記事>
dTVが考えるVR普及の条件、“はじめの一歩”はデバイス・コンテンツの訴求から

電話感覚でVRコミュニケーション、KDDIが描く通信の未来

 通信分野でVR活用に積極的なのがKDDIだ。「HTC Vive」を活用したインタラクティブなVR体験を模索する。9月15日~18日に開催された「東京ゲームショウ 2016」では、次世代VRマルチコミュニケーションを標榜する「Linked-door」を出展。複数の人が異なる場所からアクセスして、同じVR空間を共有できるというソリューションだ。
 

 「HTC Vive」は視覚だけでなく、プレイヤーの位置や動きも検知する。「Linkeddoor」では、それらの情報を他のプレイヤーも認識することで、例えば、一緒にダーツを楽しんだり、踊ったり、リアル空間のコミュニケーションを疑似体験できる。

 事前の説明会で、プロジェクトを担当する商品統括本部商品企画部商品戦略3グループリーダーの上月勝博氏は、「通信業者としてVRでどんなアプローチができるか、真剣に考えている。VRは次世代のコミュニケーション手段になりうる」とコメント。
 

 VR体験のショップ展開を視野に入れた通信キャリアならではの認知拡大や、次世代通信「5G」の推進を通したVR普及に取り組む考えだ。電話感覚でVR空間にアクセスする、そんな未来も近いかもしれない。(BCN・大蔵 大輔)

<詳細記事>
KDDIの挑戦、VR×通信で世界旅行
 
※『BCN RETAIL REVIEW』2016年11月号から転載

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