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東芝、フルラインアップ戦略で09年度もノートPC市場でNo.1を目指す

インタビュー

2009/04/27 10:01

 ノートPCでトップを走る東芝。「BCN AWARD」のノートPC部門では06-08年の3年連続で受賞をしている。ノートPC市場は低価格なミニノートPCが人気を集め販売が拡大する一方、金額は前年を下回り、平均単価も下げ基調にある。こうしたなか、東芝ではどのような戦略で09年度のPC事業を展開し、夏商戦に挑むのか。影山岳志・東芝PC&ネットワーク社PC第一事業部PCマーケティング部部長に聞いた。

影山岳志・東芝PC&ネットワーク社PC第一事業部PCマーケティング部部長

 ――09年度のパソコン市場の見通しは。

 「100年に一度の不況と言われているが、ノートPCはミニノートPCが牽引役になり、市場が間違いなく伸びると確信している。そのため、市場全体ではミニノートPCの台数構成比が高まるだろう。同時にミニノートPCの人気に引っ張られる格好で、A4やB5サイズなどのノートPCの販売も増えるとみている」

 ――伸び率を大きくみている理由は。

 「今やPCは生活必需品になり、昔は一家に1台だったが、今では1人1台の時代に突入している。こうした背景から、低価格のミニノートPCがこれまでPCを買わなかった人の需要を喚起するからだ。家族でも共有するPCとは別に、親や子供が自分用に買い求める最初のPCとしてミニノートPCを購入するようになる。同時に、ミニノートPCを購入した人が機能に満足できなくなり、高性能のPCを買うという流れが起きる。こうした良い循環が市場の拡大を後押しする。加えて、デスクトップがノートPCに置き換わっていることも大きい。一方、金額面ではミニノートPCが増える影響で厳しい状況が続くだろう」

夏商戦で販売するノートPCのラインアップ。11機種を投入する

 ――09年度はどんな製品展開をしていくのか。

 「機能・価格で幅広い製品を揃える“フルラインアップ”戦略で他社との差異化を図る。09年の夏商戦モデルでは、超解像技術などを持つ回路「SpursEngine(スパーズエンジン)」を搭載した18.4型液晶のAVノートPCから16:9のワイド液晶を搭載した普及価格帯モデル、ミニノートPCなどを投入する。製品のクオリティの高さもアピールしていく。そのために、当社のノートPCの代名詞である『dynabook(ダイナブック)』のブランドを冠したミニノートPCを初めて販売するという大きなチャレンジも行った。こうした高機能モデルからミニノートまでのノートPCを手がけることができるメーカーは他にはないと自負している」

「dynabook」ブランドで初めて発売するミニノートPC「dynabook UX」

 「製品戦略でもう1つ重視しているのがデザインだ。最近のデジタル家電はいくら機能が良くてもデザインが悪ければ消費者には買ってもらえない。特にミニノートPCは、他社と機能的にあまり差がないためデザインがポイントになる。当社のミニノートPC『dynabook UX』では、天板に立体的な縦縞加工を施したデザインと、ホワイトとブラウンというカジュアルでモダンなカラーを採用し、コンパクトなシステム手帳のようなイメージに仕上げるなど、デザインにはこだわった」

 ――販売施策については。

 「家電量販店などの販売店との関係を深め、情報共有を図ることで販売数を増やしていきたい。例えば、お客さんが立ち止まるような“これは”と思える展示を行っている店舗のディスプレイ方法を他の販売店にも教えることで魅力的な売り場作りにつなげていきたいと考えている」

 ――09年度の目標シェアは。

 「もちろん09年度もノートPC市場の販売台数シェアでトップを狙いたい。ノートPC市場で海外メーカーが強いミニノートPCの構成比が増えても幅広いノートPCのラインアップを持つ当社であれば、市場全体で17-8%のシェアは獲得できると思うし、それだけのシェアがあればNo.1になるのは可能だとみている」(BCN・米山淳)adpds_js('http://ds.advg.jp/adpds_deliver', 'adpds_site=bcnranking&adpds_frame=waku_111384');