BCN AWARD 2009 初受賞メーカー特集【APCジャパン編】

特集

2009/01/23 10:36

-PR-

 

 


 08年の夏、日本列島で猛威を奮った「ゲリラ豪雨」を覚えている方も多いことだろう。東京や大阪をはじめとした首都圏で甚大な被害をもたらし、連日ニュースを賑わせた極めて局地的で突発的な豪雨のことだ。時に大きな雷を伴ったことから、「ゲリラ雷雨」とも呼ばれた。08年度の流行語大賞にもノミネートされたほど各地で頻繁に発生した。

 このゲリラ豪雨によって大きな被害を受けたのは都市機能だけではない。突発的に引き起こった落雷は、PCをはじめとするデジタル家電に対して極めて重大なダメージを与えた。落雷による停電で、作業中のPCのデータが消えてしまった方や、落雷時に瞬間的に流れた高電圧の電流「雷サージ」により、家電が破損してしまった方もいるのではないだろうか。苦労して作成した資料などのデータが消失したり、高価なデジタル家電が壊れてしまった時のショックは計り知れない。

 そんな事故からデジタル家電を守る強い味方として、08年に注目を浴びた家電周辺機器がある。それが「UPS」(Uninterruptible Power Supply:無停電電源装置)と呼ばれる装置だ。本体内にバッテリーを搭載し、停電時に一定時間電源を供給するという役割を持つ。ユーザーはこの時間を利用して家電のシステムを安全にシャットダウンし、停電による被害を最小限に抑えることができる。加えて、UPSは「雷サージ」からの保護機能も搭載している。

 例えば、バッテリーのない通常のデスクトップPCの場合、停電するとマシンは瞬時に“落ちる”ことになる。もし、そのときHDDが書き込み状態であればディスクに深刻なダメージを与えてしまうことになり、さらには保存していないデータは消失してしまう。いや、それどころかディスク破損により、作業対象外のデータまで壊れてしまうことも十分に考えられる。

 また、停電までいかなくとも、落雷時に「雷サージ」が電源回線やインターネット回線で発生すると、接続されているデジタル家電のハードウェア自体を壊してしまう恐れがある。

 特に昨今はPCのみならず、PS3等の次世代ゲーム機、HDDレコーダー等のAV家電、外付けHDD等のストレージ製品など、家庭内に多くのデジタル家電が入り込むようになっている。みなさんも自分の家電周りをざっと見回してみてほしい。きっと上記いずれかの製品がタップやコンセントにつながれ、動作中のことだろう。そんなデジタル家電を、不慮の電源トラブルからしっかり守ってくれるのがUPSというワケだ。

 一般的に市販されているUPSの標準的なスペックは、165-525W前後の最大容量、3-7分程度のバックアップ時間(※)といったところだ。形状はタップ型とユニット型があり、タップ型はスリムで手軽、ユニット型はややサイズや重量も増す分、バックアップ時間が長いという特徴がある。

 また、最近の製品は高機能化が進んでおり、停電を検知するとPCのシャットダウンを自動で行ってくれるものや、「雷サージ」保護機能などを備えるものが標準的になりつつある。

 UPSはもともと、起こりうる障害に備えて、商用サーバーに導入されることが多かった。しかし、PCをはじめとするデジタル家電の普及や、SOHO等の小規模ネットワーク環境を運用する人が増えたこと、そして前述のゲリラ豪雨に代表される自然災害の頻発により、コンシューマー用途においても強い注目を浴びるようになった。

※最大出力時のバックアップ時間が基準

 そんな08年のコンシューマー向けUPS市場を大きくけん引し、UPS部門のアワードを獲得したのがAPCジャパンだ。UPSやサージ保護製品など、電源管理製品を主軸とし、サーバー構築やシステム運用等を生業とするシステムインテグレーターを中心に、世界的に高い評価を受けるUPSのトップベンダーである。
 

UPS部門 ベンダー別販売台数シェア
(08年1月1日-12月31日までの集計データ)

 データセンターや大規模な基幹業務システムなど過酷な現場から絶大な信頼を寄せられるベンダーだけに、「信頼性」を最大の武器とする。また、この分野のリーディングカンパニーとして、早くからECサイトなどでコンシューマーユースにおけるUPS導入の重要性を啓蒙し、雷雨シーズン前に新聞紙に広告を打つなど、プロモーション活動も積極的に行ってきた。そうした地道な活動がしっかりと実を結び、UPS部門で63.3%という堂々たるトップシェアを獲得するに至っている。また、ほとんどのコンシューマー向け製品が実売1万円以下ないしは1万円台で購入可能というコストパフォーマンスの高さも人気の理由の一つだ。

 コンシューマー向け製品の中で、もっとも高い人気を誇ったのが「APC ES 500」だ。500VA/300Wの出力容量を持ち、バックアップ時間は約3分間(※)。付属の電源管理ソフト「PowerChute Personal Edition」を使えば停電時に自動的にPCをシャットダウンしてくれる。バックアップコンセントを3個、サージ保護のみのコンセントを3個と十分な出力を持ち、PC以外にもさまざまな機器を接続することができる。
 

左=APC ES 500 右=APC ES 725

 その上位機種の「APC ES 725」は725VA/450Wの出力容量、約3分(※)のバックアップ時間、バックアップコンセント4個、サージ保護のみコンセント4個というスペックに加え、「APC ES 500」にはない10/100Base-TXとTVアンテナ回線からのサージ保護機能も搭載する。より堅牢な電源保護環境を目指すならこちらを選びたい。

 そのほか、「もっと手軽にUPSを使ってみたい」という人には「SurgeArrest 雷ガードタップ+電源バックアップ」がオススメだ。ユニット型の「APC ES 500」、「APC ES 725」に対し、この「SurgeArrest 雷ガードタップ+電源バックアップ」は手軽なタップ型。325VA/185Wの出力容量と約2分(※)のバックアップ時間を持ち、バックアップコンセントを2個、サージ保護のみのコンセントを2個備える。
 

左=SurgeArrest 雷ガードタップ+電源バックアップ 右=APC RS 1200

 これら3つが08年のコンシューマー向けUPS市場を席巻した。「APC ES 500」は08年1-12月の機種別販売台数シェアが24.0%と堂々のトップ。次いで「SurgeArrest 雷ガードタップ+電源バックアップ」が14.4%で2位、「APC ES 725」が9.2%で3位と、1-3位を独占した。また、5位に「APC CS 500」、9位に「APC CS 350」といったビジネス環境向け小型UPS、11位に「APC RS 1200」といった業務用コンピューティング向け高性能UPSがランクインした。

 特に「APC RS 1200」は、落雷などに起因する急激な電圧変動によるバッテリーへの負荷を最小限に抑え、バッテリーを長寿命化する自動電圧調整機能「AVR」を搭載。通常は10W前後の電力を消費してしまうAVR機能だが、豊富なノウハウを元にした独自設計により、2-3Wの電力消費に抑えるなど、これからのUPSのトレンドとなる機能とスペックをいち早く備えており高い注目を集めている。

※いずれも最大出力時のバックアップ時間

 コンシューマーに向けてUPSを啓蒙し、より安全で快適なデジタルライフを支えるAPCジャパン。そんなUPSのリーディングカンパニーであるだけに、今年はコンシューマー向けにも、環境を考えた省電力な製品を投入していく。APCジャパンはこれからも、UPS市場をけん引し続けていくだろう。(ITジャーナリスト 市川昭彦)