ブランドとコラボレーションしたケータイが増えている。ワンセグをはじめとする機能が一巡するなか、ブランドの力を借りユーザーを取り込もうというのが携帯会社の狙いだ。一方、ブランド側にはどんな意図があるのか? NTTドコモ向け端末「F-02A 4℃ Pure White」で、富士通とコラボした、ジュエリーブランド「4℃」を展開するエフ・ディ・シィ・プロダクツの小森谷英也・ジュエリー商品第一部長に聴いた。

富士通とコラボした4℃ブランドを冠した携帯電話
「F-02A 4℃ Pure White」(NTTドコモ向け)


「F-02A 4℃ Pure White」のコンセプトは、「女性の心を満たすジュエリーケータイ」。宝石をイメージしたデザインと、4℃のブランドカラーのピュアホワイトを採用し、背面ディスプレイ上部に天然ダイヤモンドをあしらった。

端末には4℃のチャームが付いた本革製のオリジナルストラップが付属する(写真左)。
背面パネル部分には天然ダイヤモンドをあしらった(写真右上)。
キー部分には「4℃」のロゴがプリントされている

キー部分には4℃のロゴを入れたほか、その月の誕生石が降ってくるオリジナルの待受け画面を内蔵。防水機能も備える。デザインのファッション性とダイヤモンドの本物感、カラーの上品さで女性を引き付けるケータイに仕上げた。


 ――富士通とコラボケータイを手がけた理由は?

小森谷英也・エフ・ディ・シィ・プロダクツ ジュエリー商品第一部長
「富士通がジュエリーがコンセプトの携帯を開発しており、声をかけてもらったのがきっかけだ。端末が水をイメージする『防水機能』と、宝石をモチーフにした『ジュエルカット』をデザインに採用しており、ブランドイメージと合致する部分が大きかった。当社は女性を美しくするための“美”をテーマに、ファッションのトータルブランドとして、ジュエリーやバッグを展開している。こうした当社の考え方と、今回の携帯がリンクすると思った。また、携帯は今や女性に必需品になっている。そこで、当社としてもやりがいがあると思いコラボレーションすることにした」

「今回の携帯でのコラボレーションはジュエリー以外でブランドの認知度を高め、国内でナンバー1のジュエリーブランドになるという戦略的な狙いもある。これだけ普及した携帯電話に4℃のロゴが入ればジュエリーの販促効果はもちろん、幅広い女性にブランドを訴求できる。これは当社にとって大きなメリットだ。さらに、ジュエリーとは別のアイテムでブランドを発信していきたいという意図もある」

4℃は1972年に生まれたジュエリーブランドで、ブランドコンセプトは「水」。水が液体、固体、気体になってもH2Oという分子構造が変化しない点を「シンプル」と捉え、商品作りに反映している。水のように人に不可欠な存在になりたいとの意味も込められているという。

4℃は「水」をブランドコンセプトに、ジュエリーやバッグを展開する
(写真は09年1月23日に発売する春の新作リング、ピアスなど)

また、4℃とは氷が張った湖の底にできる魚が唯一生息できる水温の層で、その温かさや、やさしさを商品で発信したいと思いもあるという。現在はジュエリーだけでなくバッグも販売。エフ・ディ・シィ・プロダクツではこうしたブランドの世界観が活かせる相手として富士通と手を組んだ。今回のコラボでは、ブランドのイメージをケータイでどう表現するかに力を入れたという。

 ――こだわった点は?

「『上品・清楚・シンプル・ナチュラル』という4℃の世界観を携帯でいかに実現するかだ。富士通からは最初、待受けなどの内蔵コンテンツのデザインだけを依頼されただけだった。しかし、それだけではブランドのイメージが出せない。そこで、当社からカラーの指定と天然ダイヤモンドを入れることを富士通に提案した」

「カラーは当初、水をイメージしてブルーを基調に考えたが、最終的にはブランドカラーのホワイトにしてブランドのイメージを出すことにした。ダイヤでは天然のダイヤモンドを使い、本物感にこだわった。ダイヤを配置する場所もさりげなく“キラッ”と光るポジションを検討した」

端末の色を決めるためのカラー案の資料(左)と、ダイヤモンドやロゴの配置を決めるための本体加工案の資料

「『ジュエリーケータイ』というと、ティファニーケータイ(ソフトバンクモバイルの端末)のようにたくさんのダイヤを付けた端末もある。しかし、当社としてはダイヤのゴージャス感よりもシンプル感を重視した。だから、ダイヤは個数を増やすこともできたが、“シンプル”というイメージを優先し、あえて1個だけにした」

 ――ケータイ以外でのコラボは考えているのか?

「今回のケータイとのコラボレーションは4℃ブランドのロイヤリティーを高めるのが目的だ。そういう意味では、今後、携帯以外でもコラボするチャンスがあれば取り組んでいきたいと思っている」 (BCN・米山淳)

※初出:マーケティング支援サイト「BCNマーケティング」(mkt.bcnranking.jp)