• ホーム
  • トレンド
  • iPodからPCソフトまで、社会貢献につながるデジタル製品を一挙紹介!

iPodからPCソフトまで、社会貢献につながるデジタル製品を一挙紹介!

特集

2009/01/19 20:00

 ミネラルウォーター「Volvic」を1リットル買うごとに、10リットルの水がアフリカの井戸から生まれるという取り組みが話題になるなど、手軽な寄付の仕組みが広まりつつある。デジタル製品では、購入代金の一部がエイズ対策基金に寄付されるiPod nano、iPod shuffleの「プロダクト レッド」モデルが有名だが、そのほか、ノートPCやプリンタ、PCソフトなどにも同様の製品が登場している。今回はそれら社会貢献につながるデジタル、PC関連製品に焦点を当ててみたい。

iPodやデルのノートPCが採用する「プロダクト レッド」とは?



 まずは、アップルのiPodや、デルのノートPC、プリンタが採用している寄付の仕組み「プロダクト レッド」を紹介しよう。

iPod nano、iPod shuffle の「(PRODUCT) RED」モデル

 プロダクト レッドとは、企業が販売収益の一部を世界エイズ・結核・マラリア対策基金に継続的に寄付するプロジェクト。消費者は各メーカーの「プロダクト レッド」と称する製品を購入することで、間接的にエイズ対策基金に寄付できる。ロックバンドU2のボノ氏が発起人の1人となったことでも有名だ。参画企業は、アメリカンエキスプレス、コンバース、GAP、ジョルジオ アルマーニなど。デジタル製品では、06年10月にアップルがプロダクト レッドモデルとして「iPod nano」のレッドを発売し、話題になった。

 最新モデルでは、iPod nano 8GB/16GB、iPod  shuffle 1GB/2GBに、「プロダクト レッド」モデルを用意。アップルの直営店・直販サイト限定で販売している。なお、寄付金は06年10月当時、1台購入につき10ドルとしていたが、現在は公表していない。

 デルも、直販限定で、08年1月からパソコンとインクジェット複合プリンタで「プロダクト レッド」モデルを販売している。現在の対象製品は、ノートPC「Studio 15」「同 17」と、インクジェット複合プリンタ「V505」「V505w」。ノートPC「Studio 15」「同 17」は、計16種類のデザインのうち、「ヒーリング・パターンズ」「ニュー・ワールド」「シャイン・ウィズイン」の3つを「Dell (PRODUCT)RED デザイン」としている。

「プロダクト レッド」のノートPC、デル「Studio 15/ 17」

 価格はスペックによって異なり、最小構成価格は「Studio 15」が10万8915円から、「同 17」が13万9980円から。別途アーディストデザインの料金が必要。1台購入すると20ドルがエイズ対策基金に寄付される仕組みだ。

「プロダクト レッド」の複合プリンタ、デル「V505 / V505w」

 プリンタは「V505」が1万1800円、無線LAN対応の「V505w」が1万5800円。ともに、1台購入すると5ドルがエイズ対策基金に寄付される。

ハードウェアだけではなくPCソフトにも広がる



 PCソフトでも、間接的に寄付できる仕組みを取り入れた製品が登場している。たとえば、ジャングルのハガキ作成ソフト「筆ぐるめ Ver.16」は、ブナの木約4万5000本に相当するカーボンオフセットをつけ、日本の温室効果ガス削減目標マイナス6%の達成に貢献できるようにしたという。カーボンオフセットとは、製造過程などで発生したCO2を相殺し、ゼロに近づけようというもの。この費用を、売上の一部から同社が負担する。

カーボンオフセット付きのハガキ作成ソフト、ジャングル「筆ぐるめ Ver.16」

 同じく地球環境を守るという視点から、ベスト電器とトレンドマイクロは共同で、売り上げの一部を自然保護団体「WWF」に寄付するというキャンペーンを行っている。ベスト電器とその子会社のさくらやで、トレンドマイクロのセキュリティソフト「ウイルスバスター2009」シリーズを購入すると、その売り上げ1本につき、両社が50円ずつ計100円を「WWF」に寄付するというもの。対象製品は、「ウイルスバスター2009 1年版」「同 3年版」「ウイルスバスター2009+保険&PCサポート 1年版」「同 3年版」「ウイルスバスター2009 1年版 6ユーザパック」「ウイルスバスター2009 更新パック」で、2月28日まで実施する。

ベスト電器で「ウイルスバスター2009」シリーズを買うとWWFに寄付できる

 ドイツのセキュリティソフトメーカーG DATA Software(ジーデータソフトウェア)も08年12月に、製品の売り上げの一部をドイツのNGO「国際プラン・ドイツ」に寄付するという活動を日本市場で開始した。同社の直販サイトで「G DATA AntiVirus」「同 InternetSecurity」「同 TotalCare」を購入すると、売り上げのうち1ユーロを「国際プラン・ドイツ」を通じて寄付する。

売り上げの一部を「国際プラン・ドイツ」に寄付する「G Data2008」シリーズ

 「国際プラン・ドイツ」は、発展途上国などの子どもたちを援助し、長期的に子どもたちの生存環境を改善していくことを目指している組織。G DATA Softwareは、「国際プラン・ドイツ」の長期的に子どもたちを支援するという考え方に共感するとともに、社会貢献活動を推進する有志チームを発足、発展途上国などの子供たち50人とメールや電話などで直接コミュニケーションを取って、子どもたちを見守っていきたい考えだという。

 そのほか、キングソフトが、更新料なしで無期限にアップデートできるセキュリティソフト「KINGSOFT Internet Security U」をインストールすると、世界の子どもにワクチンを届けられる「インストール募金」を行っている。1インストールで、ワクチン1本分の費用をNPO「世界の子どもにワクチンを 日本委員会(JCV)」に募金する仕組み。ウイルスを駆除しパソコンを守るという製品のコンセプトと、JCVの世界の子どもにワクチンを送るという取り組みに共通点を感じたキングソフトがJVCの活動に賛同した。今回のキャンペーンは3回目で、09年1月1日から2月中旬まで行う予定だ。

キングソフトは、ワクチン1本分の費用を「JCV」に募金する
「インストール募金」を行っている

 日ごろから、ボランティア活動や募金に参加したいと考えていても、何から始めていいのかわからない、と一歩を踏み出せずにいる人も多いのでは? たとえば、今回紹介したような製品を選べば、とくに意識せずにその一歩を踏み出すことができる。もちろん他の方法でもいい。それら小さな積み重ねが、世界の誰かを救う一助になったり、地球環境を改善する大きな原動力になるのだ。(BCN・田沢理恵)