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今熱いBSデジタル、アニメやドラマのファンなら必見! 楽しみ方は?

特集

2008/01/24 08:35

 CSや地デジの陰でやや地味な存在だが、今、BSデジタル放送が注目だ。もともとドラマやアニメを中心にユニークなコンテンツが多く熱狂的なファンも多いようだが、07年12月にはチャンネルが3つ増えて厚みが増した。とはいえ、なじみの薄い方が多いはず。そこで、BSデジタルについて、他の放送方式との違いや番組の特徴などを紹介しよう。

●BSならではの魅力的な番組が盛りだくさん

 現在、BSデジタル放送では、NHK、民放などの無料放送10チャンネル、有料放送2チャンネルの合計12チャンネルが放送されている。地上デジタル放送(地デジ)とは違い、BSデジタル放送は、放送衛星(BS)を通じて送信するため、日本全国どこでも同じ番組を視聴できるのが特徴。また、地上波に比べて専門的な番組が多く、ドキュメンタリーやクラシック音楽、懐かしのドラマ・アニメに趣味や経済の専門番組など、地上波ではあまりお目にかかれないコンテンツが満載だ。

種別 チャンネル名 運営事業者(系列) 公式サイト
無料放送 公共放送 NHK衛星第1(BS1) NHK http://www.nhk.or.jp/bs/bs1.html
NHK衛星第2(BS2) http://www.nhk.or.jp/bs/bs2.html
NHKハイビジョン
(BS hi)
http://www.nhk.or.jp/bs/bshi.html
民放
(系列)
BS日テレ BS日本(日本テレビ) http://www.bs-n.co.jp/
BS朝日 BS朝日(テレビ朝日) http://www.bs-asahi.co.jp/
BS-i ビーエス・アイ(TBS) http://www.bs-i.co.jp/
BSジャパン BSジャパン(テレビ東京) http://www.bs-j.co.jp/
BSフジ BSフジ(フジテレビ) http://www.bsfuji.tv/
民放
(独立系)
★BS11デジタル 日本BS放送 http://www.bs11.jp/
★TwellV ワールド・ハイビジョン・チャンネル http://www.twellv.co.jp/
有料放送 デジタルWOWOW WOWOW http://www.wowow.co.jp/
★スター・チャンネル ハイビジョン スター・チャンネル http://www.star-ch.jp/
★…2007年12月開局の新チャンネル

 スポーツ番組を例に挙げると、海外サッカーやメジャーリーグの試合のほか、バスケットボール、ボーリングの専門番組まで幅広い。ドラマに関しては韓国ドラマに力を入れているチャンネルが多い。また、有料放送の「WOWOW」(月額2415円)と「スター・チャンネル ハイビジョン」(CSデジタル放送のスター・チャンネル プラスとスター・チャンネル クラシックの3チャンネルパックで月額1890円)は、朝から晩まで映画や映画関連の番組を放送している。

 番組の専門性という点では、有料のCSデジタル放送に軍配があがるが、BSデジタルは何といっても無料。月々、NHK受信料とテレビの電気代だけで、さまざまな番組が楽しめる。新作映画や特定のジャンルの番組を見たいといったこだわりがなければ、無料のBSデジタル放送だけで十分かもしれない。

 ちなみに、BSデジタルの放送局の大半は、地上波の放送局と系列関係にあり、同系列の地上波でオンエアした人気番組の再放送や、数日から数週間遅れの時差放送も少なくない。見逃した番組を録画したり、仕事などの都合で地上波ではリアルタイムで見られない番組を視聴したりと、地上波とBSをうまく使い分ければ、効率的に多くの番組をチェックできるだろう。

BSデジタルで現在放送中の主な作品(連続ドラマ・アニメ・情報番組など)
放送局 番組名 分類
BShi 太王四神記 韓国ドラマ
BS日テレ ザ・ナースマン?男丁格爾? 台湾ドラマ ※1月26日スタート予定
BS朝日 魔王 韓国ドラマ ※2月4日スタート予定
BS朝日 題名のない音楽会21 音楽番組(テレビ朝日系列で放送中)
BS-i CLANNAD 国内アニメ(TBSなどで放送中)
BS-i ケータイ刑事 銭形海 サードシリーズ 国内ドラマ
BSジャパン 開運!なんでも鑑定団 情報番組(テレビ東京系で放送中)
BSフジ 朱蒙(チュモン) 韓国ドラマ
BSフジ のだめカンタービレ 国内ドラマ(再放送)
BSフジ 救命病棟24時 国内ドラマ(再放送)
TwellV 宝塚ドリーミング・シアター 宝塚歌劇
BS11デジタル ウルトラギャラクシー 大怪獣バトル 特撮
(編集部調べ)

●ディープな大人向けの新チャンネル「BS11デジタル」

 合計12のチャンネルのうち、映画を中心に24時間ハイビジョン放送を行う有料放送の「スター・チャンネル ハイビジョン」と、ビックカメラ系列の「BS11デジタル(ビーエスイレブンデジタル)」、三井物産系列の「TwellV(トゥエルビ)」は07年12月1日に開局したばかりの新チャンネル。今回は特に独自の個性が光る「BS11デジタル」に注目してみよう。



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 「BS11デジタル」は、「ゆったりじっくり オトナチャンネル」がコンセプト。地上波ではゴールデンタイムと呼ばれるバラエティ番組やドラマが大半を占める時間帯にも、「大人の自由時間」というトーク番組を3時間ぶっ続けで放送している。日替わりの司会者が、ゲストと「政治」「世界のニュース」「昭和」といった曜日ごとのテーマをじっくりと掘り下げていくという、まさに“オトナ”な番組だ。


 一方、子どもやファミリー向けの「アニメ +」と大人向けの「ANIME +」の2つのアニメ枠を設け、大ヒットを記録した「機動戦士ガンダム」や「新世紀エヴァンゲリオン」、新作「シゴフミ」「俗・さよなら絶望先生」など、さまざまなアニメ・特撮番組も放送している。地上波の“広く浅く”に対して、“狭く深く”のBSならではの番組編成の端的な例といえるだろう。

 ところで、「BSなら昔から見てるけど……」という方も多いかもしれない。BS放送には1989年に放送が開始された「BSアナログ」と、2000年から始まった「BSデジタル」の2種類があり、チャンネル数も品質も大きく異なる。NHK衛星第1、NHK衛星第2、WOWOWしか視聴できないなら、それは「BSアナログ」放送だ。

 「BSデジタル」と「BSアナログ」の最も大きな違いは、画質と音質。「BSデジタル」はチャンネルや番組にもよるが、原則、16:9のハイビジョン、5.1chサラウンド音声で放送しており、対応テレビであれば、高精細な映像や臨場感あふれるサウンドを堪能できる。テレビの画面上でテレビ番組表や番組詳細などが見られる「電子番組表」や「字幕放送」、最新の天気予報やニュースをチェックできる「データ放送」など、地上デジタル放送と同じ、デジタルならではの便利なサービスも提供。名称は似ているが、まったく別物と思っていい。

●薄型テレビ購入時にはBS用のアンテナも忘れずに

 それでは、BSデジタル放送を視聴するために必要な機器を紹介しよう。基本的に、BSデジタルチューナー内蔵の機器とBSデジタル放送対応アンテナの2つが必要だ。07年12月の「BCNランキング」によると、液晶やプラズマなど、薄型テレビの地上・BS・110度CSデジタルの3波に対応したデジタルチューナーの搭載率は96.4%。録画機のHDD-DVDレコーダーでも94.7%に達する。つまり、最新のテレビに買い替えれば、後は対応アンテナを設置するだけで見られる。


 手持ちのアナログテレビを活用したい場合は、BSデジタル対応デジタルチューナーか地上・BS・110度CSデジタルチューナー内蔵のHDD-DVDレコーダーを用意しよう。ただし、この場合はハイビジョン映像や5.1chサラウンドは楽しめない。番組自体は見られるが、映像の魅力は半減してしまう。薄型テレビや次世代DVDレコーダーの価格が下がるまでの「つなぎ」として考えた方がよさそうだ。


 室内にBSデジタル対応機器を準備できたら、次にBSデジタル対応のパラボラアンテナをベランダなど室外に設置する。アンテナは地上波用とは別にたてる必要があり、現在売られている製品は、CSデジタル放送と共用のものがほとんどだ。ちなみに、BSアナログ用のアンテナは、BSデジタルでもそのまま使える場合が多いので、すでにBSアナログ放送を視聴している場合は、テレビを買い替えるだけで済む。

 また、マンションなどの集合住宅で共用のBSアンテナが設置されている場合は、個別にアンテナを用意せず、室内のアンテナ端子に接続するだけで、すぐにBSデジタル放送を受信することが可能だ。テレビやレコーダーを購入する前には、地上デジタル放送を受信できるかを含めて、管理会社や大家に必ず確認しよう。このほか、有料のケーブルテレビでも楽しめる。ただし、新規チャンネルの「BS11デジタル」と「TwellV」は視聴できないことがあるので注意しよう。

 BSデジタルを楽しむための一番のポイントは「テレビ」にある。現行のアナログ放送は2011年7月に終了し、デジタル放送に完全に切り替わる。そのためだけにテレビを買い替えるのは納得いかない、という声もよく聞くが、地上デジタルとBSデジタルをあわせて一気にチャンネル数が増え、しかも画質が向上すると考えれば、イイコト尽くめに思えるはず。

 また最近、薄型テレビを買ったはいいが、視聴できるのは地上波のみでイマイチ変化がない、と感じているなら、アンテナを設置してBSデジタル放送も見てみよう。きっと好みの番組が見つかるはずだ。以前に比べ手頃になったとはいえ、まだまだ安い買い物ではない薄型テレビ。視聴環境を整えて100%活用しよう。(フリーライター・山崎 信潔)


*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など24社・約2300店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで115品目を対象としています。