アップルジャパンは3月26日、動画や音楽、写真などを家庭のテレビで楽しめるメディアプレーヤー「Apple TV」の報道関係向け説明会を開催した。同社の服部浩プロダクトマーケティングディレクターをはじめ3名が出席。リビングルーム風のデモルームにワイヤレス環境を構築し、Apple TVとiTunesをインストールしたMacBook、Windows PCを使ってデモンストレーションを行った。

 アップルジャパンは3月26日、動画や音楽、写真などを家庭のテレビで楽しめるメディアプレーヤー「Apple TV」の報道関係向け説明会を開催した。同社の服部浩プロダクトマーケティングディレクターをはじめ3名が出席。リビングルーム風のデモルームにワイヤレス環境を構築し、Apple TVとiTunesをインストールしたMacBook、Windows PCを使ってデモンストレーションを行った。


デモに使われたMacBook(左)とApple TV(右)

 「Apple TV」は、同社の携帯オーディオ「iPod」とセットで利用することの多い音楽や動画の管理ソフト「iTunes」内のコンテンツを、テレビでも楽しめるようにする新ジャンルの製品。テレビとはHDMI端子などで接続し、「iTunes」をインストールしたMacやWindows PCから「Apple TV」に無線か有線のLANでコンテンツを転送して再生。付属の簡単リモコン「Apple Remote」を使って操作する。

 再生方法は2通りで、オートシンク(自動同期)を設定したパソコン内のデータを「Apple TV」のHDDにいったんコピーし、そのデータを再生する方法と、ネットワーク経由でコンピュータ内のデータを直接ストリーミングする方法がある。操作感はどちらも同じだが、ストリーミングでは、最大5台のコンピュータを接続し、切り替えて利用できる。


Apple TVのメニュー画面(左)と、再生する「ソース」を選ぶ画面(右)

 ただし、無線LANでビデオストリーミングを利用する際にはIEEE802.11n/gの高速環境が必要になる。このほか無線LANは、IEEE802.11bにも対応しており、異なる無線LAN規格やOSが混在した状態でも利用できる。

 同社では、40GBの内蔵HDDをあくまで「コンテンツをキャッシュするため」(服部ディレクター)と強調。コンテンツを外に持ち出すiPodに対して「Apple TV」は、ためこんださまざまなデータをリビングのワイドテレビで楽しめるもの、と説明した。

 再生可能なコンテンツは、「iTunes」で管理している音楽、動画、ポッドキャスティングなど。Macの場合は「iPhoto」内の写真、Windows PCの場合は、指定したフォルダ内の写真の再生にも対応する。音楽再生時は曲名、アーティスト名とともに、アルバムアートとタイムバーがテレビ画面に表示され、あたかも大画面iPodのような印象。一定の時間、操作しない場合には、音楽を再生しながらスクリーンセーバー画面を表示することもできる。

 テレビと音楽の親和性について服部ディレクターは、日本で一番性能の良いサウンドシステムは、リビングの薄型テレビやホームシアターであることが多いと前置きした上で、「(テレビで音楽を聴くスタイルが)普及する可能性は高い」と話した。

 このほか、インターネット経由で直接サーバーにアクセスし、映画の予告編なども見ることも可能。「iTunes Store」で提供しているビデオコンテンツはハイビジョンと定義される720pの解像度にアップコンバートして表示するため、デモで見た限り、地上デジタル放送などと比べても遜色のない画質だった。写真もとくに画像の荒れなどは見られなかった。


Windows PCからストリーミング再生するデモも行われた。
小さくてわからないかもしれないが、
「デバイス」の下に「Apple TV」というアイコンが表示されている

 同社は「Apple TV」の競合について「特にない」(同)とし、「iTunesのためのメディアセンター」「iPodの新しいアクセサリ」と位置づけている。説明会では、「Apple Remote」による直感的な操作やコンパクトで洗練された外観、コンテンツを一元管理できる「iTunes」自体の魅力など、従来の家電メーカーとは一線を画す、アップルらしさも強調した。

 発売直後の販売動向について「BCNランキング」で集計したところ、アップルから出荷開始の発表があった3月22日を含む3月第3週(07年3月19日-25日)は、わずか数日間の集計にもかかわらず、販売台数で44位、販売金額で18位を記録した。ジャンルは、ワンセグチューナーやTVキャプチャユニットなどを取り扱う「映像関連ボード」。アップルによると、先週の段階では未入荷の店もあり、順次出荷している状態といい、今後の伸びも期待できそうだ。「iTunes」をプラットフォームに携帯オーディオの市場を席巻したアップルが、同じ「iTunes」を武器にリビングへの進出を果たせるかどうか注目したい。


IEEE802.11nに対応したAirMac Extreme(左)と、Apple TVの背面(右)


*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など21社・2200を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで115品目を対象としています。