某社の会見に出かけた時のこと。イメージガールをつとめる女優さんの写真を撮ることになった。「はーい目線こっちにもくださーい」と目線をもらったはいいが、一向にシャッター、下りる気配がない。むなしく響くはピント合わせのモーター音のみ。これで「キレ」てしまった。個人所有のデジカメを買いなおしたのだ。LUMIX FX8だ。以前当サイトで、今一番の売れ筋と紹介した誉れ高いモデル。せっかくなので、その使い勝手やサンプル画像などを交えレビューを試みた。

 某社の会見に出かけた時のこと。イメージガールをつとめる女優さんの写真を撮ることになった。「はーい目線こっちにもくださーい」と目線をもらったはいいが、一向にシャッター、下りる気配がない。むなしく響くはピント合わせのモーター音のみ。これで「キレ」てしまった。個人所有のデジカメを買いなおしたのだ。LUMIX FX8だ。以前当サイトで、今一番の売れ筋と紹介した誉れ高いモデル。せっかくなので、その使い勝手やサンプル画像などを交えレビューを試みた。

●店頭でいきなりカシオを薦められ、心、ゆれる

 ターゲットは売れ筋のFX8。いきなり買う前にまず店頭で取材だ。店員に「FX8が売れてるみたいですけど?」と水を向けてみる。「FX7に比べてバッテリーが倍以上持つようになって、かなり売れだした」と言いつつも、「こっちのカシオもいいよ」と、EXLIM CARD EXS-500を指差す。いきなり購入を迷わせる一言だ。小型デジカメでは定評のあるカシオ。友人も使っている。彼のカメラを借りて撮った時には、その小気味良いシャッターの切れ方に感心したものだ。FX8と比べると、実売価格が若干高いことと、液晶画面が2.2型と、ほんの少し小さいことぐらいしか、欠点は見つからない。薄いし、いいカメラだと思う。店員に「ぶっちゃけどっちがオススメですか?」と聞いてみると「バランスがいいカシオかなぁ」との答。迷う。

 しかし、ここはBCNランキング編集部員のはしくれとして、一番の売れ筋を買うべきだろう。最初の意志を曲げず、FX8の黒を購入した。秋葉原の某店の週末特価、3万9000円。まあまあ平均的な価格か。予備のバッテリーが5250円、512MBのハイスピードSDカード9800円、液晶保護フィルム660円。しめて5万4710円なり。私にしてみれば、この数か月で最も高額な買い物になった。

 ここ数年、ノートPCなども含め、デジタル系商品の外箱はかなり小さくなった。以前は分厚かったマニュアルも、かなりコンパクト化。ずいぶん読みやすくなった。そのマニュアルを、いつものように帰りの電車の中で開く。最新モデルだけあって機能が豊富。すべてを使いこなすことはできそうもない。ただ、煩雑になりがちなモード類はかなり整理されている、ということに気が付いた。マニュアルなしでもある程度直感的に操作できそうな印象だ。

●第一印象は、「でかい液晶だなぁ」

 家に帰りつき、はやる気持ちを抑えつつ箱からカメラを取り出す。やはり小さい。その割にはずっしりとした重量感もある。カメラらしい金属の手触りは、作りのよさを感じさせる。まずバッテリーを2時間程度充電し、いよいよスイッチオン。第一印象は「でかい液晶だなぁ」。2.5インチは、これまで使っていた古い他社モデルに比べ1.8倍ほどの大きさ。小さなボディの縦幅ほぼいっぱいの液晶画面の存在感はかなりのものだ。画面も明るい。また明るい屋外で使う際は、30秒間だけ画面がさらに40%明るくなり、色も濃く表示される、パワーLCD機能もついており、ピーカンの海の撮影などでも何とか画像の確認はできそうだ。

 幸い私は手が小さいので小さなボディーはまったく気にならないが、手の大きい友人は「僕にはこれは小さすぎて無理だなぁ」と嘆いていた。とはいえ、案外使ってみればそこそこ使えるのではないだろうか。例えば、ストロボの左端についた突起。指でストロボを覆いそうになっても、気づく仕掛けがある。なかなかやるじゃないか。また、LUMIXロゴ下にある横長の突起も、撮影時に人差し指がちょうどかかり、しっかりホールドできる設計になっている。

 こうした細かい工夫の一方で、ちょっとした問題もあった。電源スイッチだ。本体の上部、シャッターボタンの横にスライド式のスイッチが配置されている。これが、少々きつめのケースに入れる際に不用意に動き、スイッチが入ってしまうのだ。ケースを選ぶ際には、やや余裕をもったものにしたほうがよさそうだ。

●赤ちゃんの月齢/年齢が写し込めるのは面白い

 電源ONから撮影できる状態になるまで約1秒。カメラ通の別の友人は「これなら、ストレスなく撮影開始できる」と絶賛していた。しかし、シャッターを押して、合焦、シャッターが切れるまでは約1秒ある。正直言って、まだ遅く感じる。モードは、新しく加わった最も高速な「高速1点AFモード」。もちろん私の古いデジカメよりははるかに速くなったことは事実。しかし、シャッターは押すとほぼ同時に切れてほしい。このクラスのカメラにそこまで求めるのは酷かもしれないが、タイムラグは、やはり残念だ。

 撮影モードは「通常撮影モード」「かんたんモード」「マクロモード」「シーンモード」「動画撮影モード」「再生モード」の6つ。特に初心者にオススメの「かんたんモード」では、設定できる項目が絞られているので、不用意に変なモードに突入することもない。また、設定の項目も初心者向きのまったく別の言葉に置き換えて表現されている。例えば通常モードでは「記録画素数」と表現され「5M」から「0.3M」まで5段階で選ぶようになっているが、「かんたんモード」では、「引き伸ばし」「サービス版」「Eメール」の3つから選ぶ。モードによって言葉を言い換えるのは、混乱を招くと賛成しない向きもあろうが、私は非常にいいことだと思う。

 「シーンモード」のなかでも面白いのは「赤ちゃんモード」。誕生日を設定すると、月齢/年齢を表示・プリントすることができる。また、ストロボも自動的に弱めに発光するなど、利用者の立場にたった工夫が施されている。

●さあ、街に出て撮ってみよう

 七夕の朝、東京で今年初めて蝉の声を聞いた。早速動画モードで撮影してみた。動画は640×480画素で毎秒30コマだけあって滑らかに撮影できたが、肝心の蝉の声は、うまく録音できなかった。内蔵マイクではかなり無理があったようだ。欲を言えば外部マイク端子など欲しくなるところだが、スチルのデジカメであることを考えるとやむをえないだろう。音声機能といえば、面白いのはアフレコができる点。あらかじめ撮っておいた写真に、音をかぶせることができるもので、結構遊べそうだ。

 午後再び編集部を抜け出し、梅雨空の下テスト画像の撮影に歩いた。ほとんど携帯電話と同じ大きさ。片手にすっぽり入る形で、気分良く持ち歩けた。重さもちょうどいい感じだ。時節柄、撮影途中で雨に降られた。レンズの鏡胴部分に水滴がいくつか。一応ハンカチで拭いてはみたものの、レンズを引っ込めた際に、何か悪影響があるのではと、少し心配になった。やはり雨の日は気をつけたほうがよさそうだ。

 FX8自慢の手ぶれ補正だが、結構効いていて比較的遅いシャッタースピードでもクリアに撮れていると思う。しかし、意図的にカメラをぶんぶん動かすと、当然ながらジャイロも追い付かず、ぶれた写真になってしまう。もちろん、手ぶれ補正はOFFにもできるので、意図的にぶらした写真も撮れる。

 購入して200カット以上撮った上、いろいろ遊んでみたが、最初に充電した電池はまだ頑張っている。さすがにマークは残り1個で、そろそろ充電のタイミングなのだが、ここまで持つのならスタミナはほとんど問題なさそうだ。

 撮ってきた写真はサンプル画像としてご覧いただけるよう準備した。言葉を尽くして画質を説明する筆力に欠けるため、現物を見ていろいろ判断してほしい。すべて5Mモード・低圧縮・手持ちで撮影した「フォトギャラリー」と、三脚を使用して、記録画素数と圧縮モードを変更しながら撮影した「サンプル画像」がある。各画像はサイズが大きいのでご注意いただきたい。



 さて、長々と書いてきたが、総評は「いい買い物だった」ということになろう。満足度は高い。取材に遊びにと、これから存分に活躍してくれるだろうと期待している。また、このレビューが購入検討の際のいくばくかの参考になればと、こちらのほうも期待したい。(WebBCNランキング編集長・道越一郎)


「LUMIX FX8」の主な特徴
▽画素数は500万画素
▽薄さ24.2mmのスリムサイズ
▽パワーLCD機能付き2.5型液晶モニタ
▽高い補正力を発揮する光学式手ブレ補正ジャイロ搭載
▽秒3コマ・最大5コマの連写/フリー連写が可能
▽光学3倍ズーム&デジタル4倍ズーム
▽「PictBridge」対応


私のカメラ遍歴:本格的に撮りはじめてかれこれ20年ほど。基本的には銀塩35mmモノクロ派なのだが、時代の波に押されカラー化、デジタル化が進んだ。最近はシャッターを押す機会も減って、今回のレビューで久々に多くの写真を撮った。残念ながら写真の腕前は拙い。自腹レビューということで、撮影も自分でやらなければ意味がなかろうと、恥ずかしながらサンプル画像を撮影し供出することとなった。