松下電器「Let's note」工場訪問

特集

2004/11/08 00:00



高信頼の国内工場一貫生産
モバイルを追求し徹底した差別化を図るLet's noteシリーズ

 松下電器産業は、モバイル性を重視したLet’s noteシリーズと、堅牢性を重視したTOUGHBOOKシリーズを拡充。製品の本質を徹底的に追求した結果、他社との差別化と、ユーザーへの訴求力を増大させた。また、一貫した国内生産にこだわりをみせ、高信頼・高品質な製品を提供している。神戸工場では、Let’s noteシリーズやTOUGHBOOKシリーズを生産するだけでなく、サービスや顧客満足度の向上という役割も担う。新Let’s noteシリーズと国内一貫生産についての現状を神戸工場で話を聞いた。

■堅牢性を重視したTOUGHBOOK

 松下電器産業では、ノートPC戦略として「耐久性重視」の法人向けノートPC「TOUGHBOOK」シリーズと小型・軽量設計で、堅牢性を犠牲にしない「持ち運び重視」の「Let's note」シリーズを提供している。両シリーズともに、長時間バッテリー駆動やワイヤレス通信機能を付加し、徹底した差別化戦略をとる。

 TOUGHBOOKは、耐衝撃性が高く、水、ホコリ対策を行い、現場で活用できるパソコンとして法人市場を中心に訴求を行っている。水・ホコリは、通常のノートパソコンにとっては過酷な環境となるが、TOUGHBOOKであれば、全く問題ない。開発・設計段階でも落下・耐振動・防滴・防塵試験など過酷なまでの試験を行い、あらゆる環境で利用できるパソコンとして仕上がった。また、塩害対策を施されたTOUGHBOOKも新発売され、今まで、ノートパソコンの使用が不可能だったあらゆる現場での活用シーンを広げると共に、新しい市場への訴求も強めている。

■Let's note新シリーズ4機種投入

 松下電器産業は1996年6月より、モバイル性を重視したノートパソコン「Let's note」シリーズの発売を開始し、累計出荷台数100万台を記録した。トラックボールやライト&タフを訴求し、時代と共にユーザーニーズに応えながら進化を遂げてきたLet's noteシリーズ。9月29日には、Let's noteシリーズの最新機種が発表され、軽量化・標準バッテリーでの長時間連続駆動などを強力に推し進める。「Let's note Y2」は、14.1型SXGA+液晶を搭載した高精細大画面のノートPCで、スーパーマルチドライブを搭載。また、本体重量は1499gで、標準バッテリーでおよそ7時間の駆動を可能とした。同社独自の「シェルドライブ」を搭載したことで、ディスクの出し入れにも余分なスペースを必要とせず、モバイル時のユーザビリティも向上させ、さらに軽量化も実現した。

 「Let's note W2」は、12.1型XGA液晶を搭載し、「Let's note Y2」同様、シェルドライブを採用した世界最軽量1290gのノートパソコン。スーパーマルチドライブモデルも用意される。標準バッテリーでおよそ7.5時間の駆動を実現した。スーパーマルチドライブ搭載により、DVD/CDメディアなどによる大容量データの受け渡しをスムーズにする。また、CPRM(Content Protection for Recordable Media)による、著作権保護で記録されたDVD-RAM/-RWの再生も実現している。

 990g、標準バッテリーでおよそ9時間の駆動時間を実現した「Let's note R3」は、10.4型XGA液晶を搭載し、小型・軽量を強力に訴求する。インテルCentrinoモバイル・テクノロジを採用することで、高いCPU能力と省電力機能、ワイヤレス通信によるユーザビリティの向上を同時に実現。また、標準の外部ディスプレイコネクタを搭載することで、プレゼンテーション時などの利便性も向上させた。ビジネスシーンでの利用を主軸に提供されるのが「Let's note T2」だ。12.1型XGA液晶を搭載し1070gという軽量設計。標準バッテリーで5時間の駆動を実現した。キーボードデスクトップパソコンと同等の横19mmキーピッチを実現。また、レーザー印刷キーボードを採用し、キートップの印刷文字の耐久性を向上させた。

■自らの市場を創造するPC事業戦略

 「オンリーワン商品で、自らの市場の創造を図ります。差別化した商品・サービスを提供することで、PC事業を拡大していきます」と語るのは、パナソニックAVCネットワークス社・システム事業グループ総括担当理事・ITプロダクツ事業部の伊藤好生事業部長。

 同社は、商品戦略=Only One Product、販売戦略=Own the market、CS戦略=With the user、生産戦略=Time to the marketといった基本方針を掲げ、これらの取り組みをベースに「堅牢」、「モバイル」といったターゲットに絞り込み、他社ではできないオンリーワン製品を提供することで、シェアを獲得する狙いだ。

 同社では、ユーザーニーズに素早く対応し、高信頼・高付加価値の製品を投入するため、国内での一貫生産にこだわりを見せる。国内工場を核とし、サービス、CRM、商品、マーケティングを行うことで、ユーザーには、さまざまなメリットが享受される。

 また、ライン生産ではなく、少人数によるセル生産を行うことで、生産台数などの変化にフレキシブルに対応。セル生産により、カスタマイズにも柔軟に対応できるため、同社の直販サイト「マイレッツ倶楽部(http://www.mylets.jp/)」によるカラー天板の選択や、HDD、メモリなどのカスタマーチョイスなども可能とした。

 さらに、品質管理を徹底して行うKISS(Kobe Intranet Solution of Super-production)システムにより、それぞれの工程の作業記録や検査工程などで、製品1つ1つに履歴書が作られる。

 このように、同社は他社との差別化を行い、高付加価値/高信頼の製品を提供することで、今後さらなるシェアの獲得を狙う構えだ。(週刊BCN 2004年11月8日号掲載)