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NRI、2025年度までの5G関連市場を予測、2025年には46%が5Gベースに

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2019/12/09 18:00

 野村総合研究所(NRI)は11月27日に、2025年度までの5G対応端末の販売台数と契約回線数の予測とともに、特に5Gと関連が深い4つの領域についての市場規模予測を発表した。

 高い周波数帯域を利用する5Gで、4Gと同じエリアをカバーするためには、より多くの基地局を設置する必要がある。NRIは、通信事業者間でネットワーク共有の動きが出てきているものの、エリア拡大には相応の時間がかかることから、市場の立ち上がりは比較的ゆっくりになると想定しており、25年度では携帯電話端末の年間販売台数の56%、約2000万台が5G対応となり、契約回線ベースでは46%が5Gになると予測している。
 
 

 SporTech(スポーツ)における5G市場は早期の立ち上がりが予想されており、とりわけ5Gの本格商用化直後に開催される東京オリンピック・パラリンピックが、5G市場拡大の大本命と考えられる。国内市場は25年度には1550億円規模となり、そのうち約11%(164億円)が5G関連になると予測している。SporTech×5Gの活用事例は、コンサートなどライブイベント全般への応用が可能だからだ。
 

 HealthTech(ヘルスケア)では、25年に団塊の世代が全員75歳以上に達し、年金や医療費・介護費といった社会保障費の大幅な増大が懸念されることから、病気予防のための日常の活動やバイタルサインの収集・分析での5Gへの期待が大きい。国内市場は、25年度には2254億円規模となり、そのうち5G関連は約26%(580億円)を占めると予測している。
 
 

 企業や自治体の敷地内や工場内といった閉空間で利用されるファクトリーIoT分野では、5Gの利用が「スマートファクトリー」の実現を可能にする。倉庫内や工場内、工事現場といった限定された空間なら5Gのカバーが容易なため、ファクトリーIoTにおける5Gの活用は早期に立ち上がると考えられる。国内市場は、25年度には1兆1000億円を超える規模となり、そのうち5G関連は約2%(200億円)になると予測している。
 
 

 都市において、建物間を横断してサービスを提供する認証技術や画像解析技術といった共通機能やインフラ管理を、クラウドなどで提供するソフトウェアサービス、その実現に必要なカメラなどのセンター・機器の配備に要する総額をスマートシティプラットフォーム市場と定義すると、同分野では5Gの普及によって、より多くの情報が高品質で収集できるようになると考えられる。国内市場は、25年度には1兆2300億円規模、そのうち5G関連は約25%(3000億円)になると予測している。